ジャガーの新型スポーツ「Fスポーツ」にハードトップを配したクーペが登場しました。ジャガーというブランドも世間ではずいぶんとナメられているようで、確かに高級車ブランドとしては存続が危ぶまれるような一面もあるせいか「斜陽」なイメージがあるようです。それでもこのメーカーは必死になって今もそのラインナップに「魂」を込め続けていると感じている人も少なくないようです。私もジャガーに頑張ってもらいたいと思っている一人です。
2シーターのFRクーペしかも価格が1000万円オーバーとなると、もはや小市民の乗るクルマではなく、ゴルゴ13のようなスペシャル・エージェントが愛用するマシンかもしれません。しかし情報化が進んだ現代は、スペシャル・エージェントの時代と言ってよいかもしれません。パソコンなどの情報機器さえあれば、過疎地域に住んでいてもビジネスが出来てしまいます。テレビも新聞も百貨店も書店も”ネット"という悪魔に飲み込まれていくのは時間の問題ですし、すべてのBtoCビジネスはネット広告に牛耳られていくはずです。そして組織に属しないで好きな仕事をする人もどんどん増えていくでしょう。
組織に属しない自由な空気を吸っている人間の特典は、「好きなヤツだけと付き合っていけばいい」「好きなところに住んでいい」「好きなときに休んでいい」「好きなクルマに乗っていい」・・・・、まあなんでも「好きにしろ」ってことです。余計なことをダラダラ書きましたが、このジャガーFタイプというクルマが新たに世界に現れた理由をあれこれ考えると、日本にもアメリカにもドイツにも"ゴルゴ13"が今後増えていくだろうという「見通し」こそが答えなんじゃないかと思うのです。
別に1000万円以上する高級車じゃなくて、ジムニーでも別にいいとは思うのですが、高級車にはそれなりの「意味」があります。組織に属しない人間にとっての必須アイテムは高級時計なんだそうです。とくに中国や台湾に行って仕事をするならば、100万円くらいの時計をしていかないとまとまる話もなかなかまとまらないのだとか、いつかの「私の履歴書」にそんなことが書いてありました。つまり一匹狼のエージェントがジャガーFタイプでクライアントの元を訪れれば、「コイツなら信頼できそうだ」となるわけです。そのための1200万円ならお手軽な投資と言えるかもしれません。少なくともセルシオに乗っている人間よりは間違いなく信頼されるはずです。
レクサスLSの現行モデルよりもずっと「自由な空気」を持ったビジネスカーこそが「Fタイプ」の本質なのでは? 2シーターのFRクーペは「アングロサクソン」のクルマです。ジャガーもそうですが、アストンマーティン、シボレーコルベット・・・英米メーカーが本場です。20世紀のアングロサクソンの成功の象徴と言ってもいいかもしれません。そんなクルマで日本人が調子に乗っていると笑い者なのかもしれませんが、ここまでアメリカナイズされた日本社会でマツダだ!スバルだ!言ってても虚しいだけじゃないですか? 経済そのものが「アングロサクソン」のルールで動いているのだから、フェラーリなんかじゃなくDB9こそがビジネスの流儀!と言い切ってしまっていいでしょう・・・。
さんざん偉そうなことを書いてきましたが、もちろん毎月のように数千万単位の仕事が舞い込む「敏腕」のみに許される生活です。まだまだ日本にはそういう文化は早いかもしれませんが、TPPが結ばれれば日本も晴れて「アングロサクソン」のルールに支配されるわけです。東京MSでジャガーFタイプクーペをぼんやりと見つめながら、ドイツ車やレクサスなんかじゃなく、このクルマに乗ったヤツが勝者なんだなと感じた次第です。私のようなボンクラでもなんだか心の奥に闘志がひしひしと湧いてくる想いでした・・・。
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