2015年3月21日土曜日
スカイラインクーペ 「苦悩?新型モデルに期待」
ジュネーブモーターショーで、年内に発売が予定されているスカイラインクーペのプロとタイプが公開になりました。このクルマの現在位置は日本生産&日本販売のモデルとしてはかなりの「変わり種」と言えるもので、日産の懐の深さを端的に示す1台となっています。それゆえに今後のトレンドを業界がどのように考えているかを占う意味で重要な意味があります。海外の自動車ファン、特に熱烈なハイエンドスポーツモデルのユーザーからも絶賛されている日産の技術力とその崇高なまでのプライドには大いに期待ができますが、それと同時に今回のモデルチェンジではいよいよ大きな「経営判断」が下されるのは避けられない状況ではあります。そして何よりも因縁のレクサスがいよいよ2ドアクーペを復活させたことでこのクルマの市場が大きな影響を受けるのは必至です。
日産にとっておそらく頭が痛いのは、この手のラグジュアリーカーのユーザー層は病的なまでの「ブランド志向」が顕著に顕われていることです。クルマの性能よりもまずは「ブランド力」が絶対条件でクルマを選ぶ人が圧倒的に多いです(反論もあるでしょうが)。マーチやキューブと同じ「日産」マークに我慢が出来ないというユーザーが間違っているのではなく、「ラグジュアリーカー」の本質を突き詰めると販売チャンネルを分けることに異論を差し挟むのは不粋です。そして安易な「ブランド志向」は日本に限った話ではなく、むしろ欧州や中国市場のほうが顕著といえます。評論家に世界の頂点に立ってトヨタやGを制する勢いだと絶賛されるVWでも、まさかのゴルフ派生の2ドア(3ドア)クーペのシロッコやイオスが不振でモデル廃止へと追い込まれています。VWは途上国でのノックダウン生産で台数を稼ぐメーカーであり、それらの国々で十分に根を張った現在では欧州や北米といった先進国市場を逆に軽視する方針へと変わっています。VWのクルマをみてゾクゾクするような所有欲に駆られることなんてふつうは無いですし、ラグジュアリー路線の派生モデルなど経営上では邪魔でしかなく、今後は傘下のアウディに役割を集約していくようです。
日産の身内であるルノーや、日本では高級車と思っている人すらいるプジョーやシトロエンも2ドア(3ドア)の販売にはかなり慎重になってきました。現在クルマ雑誌で猛烈にプッシュされているプジョー308も、カローラのような素っ気なさという本来の姿のまま日本にも導入されました。まあクルマそのものを真っ当に評価すると200万円台前半まで価格を下げられればガソリン2Lのアクセラと同じくらいになりますから、それなりに納得できますが・・・。またプレミアムブランドへの脱皮を目指しているマツダも、やはり2ドアを作って売らなければ、「ブランドの確立」とまでは認められませんし、ブームが去ればまた薄利多売の競争サイクルへと逆戻りし苦境に追い込まれるはずです。そしてトヨタの下請けとしてメキシコで頑張るつもりでしょうか?
マツダ車が目指す欧州市場では一般的なブランド(非プレミアム)では2ドア車の販売は難しくなってきたのは間違いないです。北米では従来からホンダがシビックやアコードの2ドアを販売するなどのうらやましい環境が続いていますが、これもまた中国から富裕層が多く移住するなどで消費の嗜好も年々変わりつつあるようです。去年のマセラティの躍進などは消費税の駆け込み需要やアベノミクスで盛り上がった日本を上回る割合で増加しています。アメリカに移住した中国人がギブリを喜んで買っているというデータこそありませんが、マセラティと聞くとやや盲目的になってしまうのが東アジア人の特徴なのは我々も薄々気がついてしまうところです。
日本では「なんでインフィニティなんだ!」という日産ファンからの反発も大きいようですが、日本でもラグジュアリーなクルマのユーザーは明らかに移住してきた中国人かそれに近い価値観を持った日本人なのはトヨタ・日産の一致した判断のようです。私も富裕層向けサービスに従事していますが、中国人のお客様の割合は想像以上に高くなってきています。近年の日産は外国人のトップによる長期政権が続いていて、ほかの日本メーカーが舌を巻くような合理化政策を強烈に押し進めています。幾多のモデルが現行のノートやエクストレイルなど集約されていて、これらに対する批判的な意見もあるようですが、日本の道路環境を考えるとターボではなくスーパーチャージャーだろうというこだわりや、SUVとしての妥協ない基本性能の高さは、クルマ好きなら「世界最高のメーカー」と手放しで誉めたいはずです。残念ながら多くの一般ユーザーはそんなことは知らない(どうでもいい)ようですし、輸入車が大好きな評論家の皆様は意図的にこの事実を「黙殺」しています。
自身がクルマ好きであることをやたらと吹聴するトヨタの社長の影響もあってか、スカイラインクーペのライバルとなるべく登場したレクサスRCは、ラグジュアリーというよりもスポーティさを強調した仕上がりになりました。少なくともソアラではなくスープラを作ろうとした意図は十分に感じられます。その一方で従来のスポーティで武骨(貧相)でラグジュアリーには程遠いイメージの歴代「BMW3クーペ」の殻を突き破って登場したBMW4シリーズは、MTモデルの廃止などと合わせてエクステリアで主張するクルマへと劇的な変化を遂げました。そんな方向性をかなり評価する向きもあるようで、近頃では都内のあちこちで(中央区から八王子市まで!)よく見かけるようになりました。ややギラついた塗装が気になるレクサスRCに対して、4シリーズは定番&安定のBMWホワイトがとても様になっていて新たにBMWジャパンを救う救世主になりそうな予感です(400万円で3気筒モデル出す?)。RCも4シリーズもそれぞれに好みがあるでしょうが、私が思うに2台が並んだときに引き立て役に回るのはレクサスの方かもしれません。
RCも4シリーズも価格相応に非日常感は味わえるという意味で、なかなか無視できない魅力があるのではないか?と見直しつつあります(上から目線で恐縮ですが)。そこに投入されるスカクーがどういう方向性を示すかには大いに注目です。先代モデルではこのカテゴリーの主導権を握っていたBMWの直6ターボを軽く捻るくらいに清々しいまでの3.7Lにまで拡大したV6自然吸気で、あっさりとBMWを窮地に追い込みました(BMWの自滅説もありますが)。フェアレディZと共用されるこのユニットは、ポルシェの独壇場となっていた「6気筒自然吸気&MT」という聖域に切り込むためのもので、これぞまさに日産が得意にしてきたオーバースペック(やりすぎ)モデルです。そして間違いなく日産車の魅力はここにあるのですが、そんなモデルをやや勢いで買ってしまったミーハー(軽はずみ)なユーザーにとっては、このユニットの北米基準のオイルイーターっぷりが手に余ることも多いようです。3.7Lのスカイラインを持っている知り合いは「ぜんぜん乗ってないよ〜!」と口癖のように言っています。
スカイラインクーペと平行して開発が進んでいるという35フェアレディZの動向も気になりますが、現行まで共通のユニットを使ってきた両車ですが、経営効率を無視してでも今回は別々のユニットを用意するのではないかという気がします。スカクーは4シリーズとRCを相手に、長距離を楽しめる王道GTカーとして燃費に配慮したハイブリッドの投入も当然にあるでしょうし、居住性に劣るZはポルシェ(ケイマン)を追従する従来の路線(V6自然吸気&MT設定)を継承すると思われます。さて公開された新型スカクー(インフィニティQ60)ですが、リアデザインになにやらデジャブ感が・・・これはメル◯デスSク◯スクーペにそっくり! マーケティングの基本は「分り易さ」というならばまあ納得できますね、こりゃあ誰が見ても高級車というお尻になってます。セダンより高いお金を払ってわざわざクーペを買うわけですから、一目見てマ◯クXにそっくりな最近の日本車セダンに流行しているデザインとは一線を画す存在でなければいけません。
このデザインから無理矢理にパワーユニットを選ぶとしたら、やはり高出力&高トルクを発生させる現行エンジン(3.7L自然吸気)かそれ以上のスペックが欲しいです。インフィニティFX用に作られているガソリンのV8か、ディーゼルの3L・V6ターボを載せてRC-FやアルピナD4に張り合ったバリエーション展開しても良さそうです。しかし現実には211psのメルセデス2Lターボの冴えないエンジンが主力になりそうな予感です。コンバーチブルで2Lターボという極めてトヨタ的なスペックの「セレブなオバさん専用モデル」が登場しそうです。たとえどんな設計であれ、ある種のユーザーに恩恵があり、そのモデルが存続するに足るだけの台数がグローバルで稼ぎ出せるのであれば結構なことですが、「オバさん専用モデル」(2Lターボ)にいい年したオッサンがドヤ顔で乗ってたりするのは勘弁してほしいですね・・・。
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日産スカイラインクーペ
2015年3月3日火曜日
アストンマーチン・ラピード と アキュラ・レジェンド
福野礼一郎氏のレビューをまとめたムック「晴れた日にはクルマに乗ろう・総集編」が先日発売されました。かつて「クルマの神様」という一切広告を載せないクルマ雑誌を企画したこともある福野氏ですが、フェアな言論!という視点ばかりに神経が行き過ぎたせいか、「クルマの神様」はハッキリ言って誌面レイアウトのセンスが悪過ぎでした。クルマ雑誌の写真を見てガッカリしてしまうのはやっぱりマズいです。それなのに日本の自動車雑誌はスクープばかりに重点を置いているものが多く、擬装で全くディテールがハッキリしない写真を特ダネだとドヤ顔で出してくるのでツマラナイなと思っています。
そんな気分をスッと晴れやかにしてくれるのがこの新しい「福野」ムックです。とっても晴れやかでいい写真が誌面の大部分を覆い尽くしています。そのほとんどのカットに福野さん自らが映り込んでいて、なかなかのナルシストぶりなのですが、例えばミスターGT-Rの水野さんが語ればそのクルマがカッコ良く見えてくるのと同じで、福野さんが乗るものは片っ端からとても良いクルマに見えてくるのでとても不思議です。余談ですが沢村(慎太朗)さんが微妙な表情で一緒に映り込んでいるクルマには少々複雑な感情が芽生えます。フェラーリでも嘲る規格外な変人ライターのオーラでしょうか・・・。オートカー・ジャパンの休刊は残念です。
簡単に言うと、福野さんが乗る(評する)アストンマーティン・ラピードはこのクルマが持つ個性を存分に発揮して光輝くのですが、沢村さんが乗るラピードは「とらえどころがない」なんていうなかなか当意即妙な表現を、沢村さんの顔面が見事に表現していたりします。私のような乗る機会もまず無いド素人が読んでいると、ラピードというクルマのイメージが180度転換してしまいますね・・・。今回の「福野ムック」の写真を見て改めてこのクルマはどこから見ても隙がないデザインで、内装も2300万円という価格を納得させるだけのコーディネートで、一目見て専用設計部品の利用率が相当に高そうです。
サイズは長さがおよそ5mで幅1930mmですから、新しく出るホンダのレジェンドに近いようです。完全3BOXのレジェンドに対し、リアがゲート式の新世代ラグジュアリーサルーン設計(パナメーラやテスラモデルS)になっているラピードなので、多少は意味合いが変わってくるかもしれません。純然たるスポーツブランドの「アストンマーティン」とメガ・コンストラクターの中では最もスポーティと言われる「ホンダ」。そして2300万円vs700万円という価格差3倍以上ですから、お互いに意識などしてないかもしれません。ただホンダとしては2代目NSXの発売と重なるわけですから、ホンダ並びにアキュラのブランドイメージを劇的に前進させるためにも、もっと新型レジェンドのデザインで「攻めて」も良かったように思います。ホンダの役員がラピードみたいなデザインのレジェンドに乗れば、日本の自動車メーカーもなかなかクールですね。
もちろん人それぞれに好みがあるでしょうし、パナメーラやラピードのような「リアハッチ型」のラグジュアリーサルーンに違和感を感じる人もいるでしょう。レジェンド発売と同時に公開された「無限」のレジェンド用パーツをフル装備すれば相当にカッコいいですから、無理にラピードのような凝った造形を追いかける必要はないわけです。しかしホンダが再び輝くためには、メルセデス・BMW・アウディ・レクサス・インフィニティがひしめく「画一的プレミアム」路線ではなく、これらを一気に捲り倒すくらいの圧倒的なイマジネーションによる勝利を目指すべきだったのではないかと思います。新型レジェンドはすでに北米ではアキュラRLXとして発売されていますが、販売状況はとても好調とはいえません。堅調な収支を続けているホンダとしては大ナタを振いにくい状況ではあるのでしょうが・・・。
アキュラがパナメーラやラピードを意識したようなラグジュアリー&プライベートサルーンを企画すること自体に無理があるという見方もあるでしょう。パナメーラやラピードですら大して売れていなのに、ホンダが未体験のジャンルに首を突っ込んでわざわざ参入するなんていうプランは役員からのゴーサインがどうせ出ないだろう・・・と設計陣は最初から諦めていたのかもしれません。あくまで私の推測に過ぎませんが、そんな消極的な印象がどうしても消せない新型レジェンドは発売2年間でアメリカ市場で輝くことはありませんでした。
しかし2015年のうちに新型NSXの発売を計画しているホンダですから、トップレベルの性能を備えたスーパースポーツを投入するという意味では、ポルシェやアストンマーティンと肩を並べる存在になります。この新型NSXを成功させるためにも、アキュラのイメージを劇的に変えるような惹きの強いプライベートサルーンを作っておく必要があったのではないかと思います。まあ素人の浅はかな考えに過ぎないわけですが・・・。
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そんな気分をスッと晴れやかにしてくれるのがこの新しい「福野」ムックです。とっても晴れやかでいい写真が誌面の大部分を覆い尽くしています。そのほとんどのカットに福野さん自らが映り込んでいて、なかなかのナルシストぶりなのですが、例えばミスターGT-Rの水野さんが語ればそのクルマがカッコ良く見えてくるのと同じで、福野さんが乗るものは片っ端からとても良いクルマに見えてくるのでとても不思議です。余談ですが沢村(慎太朗)さんが微妙な表情で一緒に映り込んでいるクルマには少々複雑な感情が芽生えます。フェラーリでも嘲る規格外な変人ライターのオーラでしょうか・・・。オートカー・ジャパンの休刊は残念です。
簡単に言うと、福野さんが乗る(評する)アストンマーティン・ラピードはこのクルマが持つ個性を存分に発揮して光輝くのですが、沢村さんが乗るラピードは「とらえどころがない」なんていうなかなか当意即妙な表現を、沢村さんの顔面が見事に表現していたりします。私のような乗る機会もまず無いド素人が読んでいると、ラピードというクルマのイメージが180度転換してしまいますね・・・。今回の「福野ムック」の写真を見て改めてこのクルマはどこから見ても隙がないデザインで、内装も2300万円という価格を納得させるだけのコーディネートで、一目見て専用設計部品の利用率が相当に高そうです。
サイズは長さがおよそ5mで幅1930mmですから、新しく出るホンダのレジェンドに近いようです。完全3BOXのレジェンドに対し、リアがゲート式の新世代ラグジュアリーサルーン設計(パナメーラやテスラモデルS)になっているラピードなので、多少は意味合いが変わってくるかもしれません。純然たるスポーツブランドの「アストンマーティン」とメガ・コンストラクターの中では最もスポーティと言われる「ホンダ」。そして2300万円vs700万円という価格差3倍以上ですから、お互いに意識などしてないかもしれません。ただホンダとしては2代目NSXの発売と重なるわけですから、ホンダ並びにアキュラのブランドイメージを劇的に前進させるためにも、もっと新型レジェンドのデザインで「攻めて」も良かったように思います。ホンダの役員がラピードみたいなデザインのレジェンドに乗れば、日本の自動車メーカーもなかなかクールですね。
もちろん人それぞれに好みがあるでしょうし、パナメーラやラピードのような「リアハッチ型」のラグジュアリーサルーンに違和感を感じる人もいるでしょう。レジェンド発売と同時に公開された「無限」のレジェンド用パーツをフル装備すれば相当にカッコいいですから、無理にラピードのような凝った造形を追いかける必要はないわけです。しかしホンダが再び輝くためには、メルセデス・BMW・アウディ・レクサス・インフィニティがひしめく「画一的プレミアム」路線ではなく、これらを一気に捲り倒すくらいの圧倒的なイマジネーションによる勝利を目指すべきだったのではないかと思います。新型レジェンドはすでに北米ではアキュラRLXとして発売されていますが、販売状況はとても好調とはいえません。堅調な収支を続けているホンダとしては大ナタを振いにくい状況ではあるのでしょうが・・・。
アキュラがパナメーラやラピードを意識したようなラグジュアリー&プライベートサルーンを企画すること自体に無理があるという見方もあるでしょう。パナメーラやラピードですら大して売れていなのに、ホンダが未体験のジャンルに首を突っ込んでわざわざ参入するなんていうプランは役員からのゴーサインがどうせ出ないだろう・・・と設計陣は最初から諦めていたのかもしれません。あくまで私の推測に過ぎませんが、そんな消極的な印象がどうしても消せない新型レジェンドは発売2年間でアメリカ市場で輝くことはありませんでした。
しかし2015年のうちに新型NSXの発売を計画しているホンダですから、トップレベルの性能を備えたスーパースポーツを投入するという意味では、ポルシェやアストンマーティンと肩を並べる存在になります。この新型NSXを成功させるためにも、アキュラのイメージを劇的に変えるような惹きの強いプライベートサルーンを作っておく必要があったのではないかと思います。まあ素人の浅はかな考えに過ぎないわけですが・・・。
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2015年1月26日月曜日
メルセデスが醸す高級車オーラの本質
マツダがアウディやBMWのようなブランドを目指して、ブランド内の「デザインコンセプト」を定めたイメージ改革を進めています。マツダの狙い通りに現在でも多くの市場で販売は好調に推移しているので、戦略としてはかなり上手くいっているようです。マツダが目指す所はどこなのか定かではありませんが、しかしその目指す先だと一般にいわれているドイツ車、その中の老舗中のp老舗・名門メルセデスはというと「デザインコンセプト?そんなものはもうどうでもいいよ・・・」と言わんばかりの、自由なデザインを展開するようになっています。
確かに現行のSクラスとCクラスはどこか似ていますし、この後にフルモデルチェンジを迎えるEクラスもこの2台と同じようなデザインになることでしょう。そしてAクラスから派生した一連のFF車もプライベートブランドとは一見思えないようなフロントググリルのパーツの使い回しが目立ちます。しかしメルセデス本来のステータスを存分に持った花形グレードのクルマであるSクーペ・SL・GTといったラグジュアリーなモデルはより自由でかつブランド内でも格別の存在感を持つオリジナリティ溢れるデザインに仕上がっていて、アウディやBMWではなかなか見られないメルセデス特有の重厚感がそこにはあります。
メルセデスのそれらのモデルのデザインは、簡単に言ってしまえば「大人の男」のクルマへの憧れをそのままデザイン化したものです。その作り込み具合は高いといえば高いし、低いといえば低いし人によっていろいろな判断基準がありますが、この手のクルマを求めるユーザーのイメージをかなりの段階まで具現化させていて、量販車ブランドの中ではその「完成度の高さ」には確実に価値があります。例えばメルセデスSLと同じような「エモーション」を追求したクルマとしては、フェラーリ・カルフォルニアやマセラティ・グランカブリオといったクルマがあります。どちらもブランド内では走行性能よりもラグジュアリーに重きを置いているモデルです。マセラティといえばラグジュアリーの権威的なブランドですが、近年ではややフォーマルなセダン(ギブリ)やさらにSUVで販売台数の大幅な拡大を狙っています。そんな拡販戦略とは無関係な立場にグランカブリオというクルマはあります。余談ですが都内を走っていてもこのクルマは極めてレアなのでなかなか所有欲をそそります。
そんなグランカブリオとは違って、明治通りを走れば必ず1台は見かける頻度で出てくるのがメルセデスSLです。ポルシェ911と並んで、自他共に認める筋金入りのナルシスト系が乗る「超定番モデル」といっていいくらいで、大都会・東京で最も愛されているクルマかもしれません。東京はナルシストが好きなものがたくさんある街ですから、そんな風景を大いに盛り上げるのがポルシェ911だったりメルセデスSLだったりで、土日になればフェラーリもランボルギーニもマクラーレンも何台も見かけます。それはそれでとても辻褄が合っています。東京の夜景が見渡せるタワーマンションとその地下駐車場にメルセデスSLが、東京人のかなりリアリティのある日常です。
こんなこと書くと怒られちゃいそうですが、タワーマンションのショールームにやってくる人々を観察していると結構面白いです。やっぱりこういうものに憧れて東京にやってくるんだろうな・・・(別にバカにしてないですよ)。六本木、赤坂、丸の内、表参道にある商業施設に行くと、やたらとたくさんの駐車場管理係の人がいます。高齢者ドライバーにとって機械式の駐車場はかなり不親切ですから、安全な運営のためにも必要なのかもしれませんが、人がたくさんいて、間隔も広くてドアパンチを喰らう心配が無いとても高級感ある駐車場が「東京らしい」駐車場と言えるのかもしれません。新宿にある都庁も駐車場料金は人が配置されていて手渡しになっています(税金のムダ?)。
メルセデスSLは車重がかなり嵩む超ヘビー級のオープンクーペですから、走りを楽しむ人からしてみたら価格に見合わない難物です。もし日本メーカーが真似をして同じようなモデルをつくったら、スーパーカー大好きな評論家連中によって、あれこれ好き勝手なことを言われてしまいそうです。しかし彼らは内心では納得していなくても、メルセデスSLに対して厳しい意見を言う事はまずありません。日本の評論家を黙らせるだけの風格がメルセデス(SL)、マセラティ(グランカブリオ)、フェラーリ(カリフォルニア)には備わっています。世界中に愛好家(好事家)を持つこの3つのブランドはそれぞれの「エゴ」を21世紀になっても尚、商売として成立させています。そういう夢のある商売に対する暗黙の敬意ということなのでしょう。
中にはフェラーリだろうがメルセデスだろうが容赦なく牙を剥く評論家もおられます。たくさんの評論家が溢れる中で生き残るためという意図も多少はあるでしょうが、やはりこれこそが自動車評論の本来の姿なのだという強い自負(信念)が根底にあると思います。そのクルマが売れていて(多くの人が満足していて)、それでもダメだよ!という敵をたくさん作るタイプの評論には勇気とエネルギーが相当要ることでしょう。けどそんな生真面目な評論家の意見など馬耳東風のごとく、そもそも東京に生きるVIPな人々は、自動車専門誌をじっくり読む暇なんてないですから、「沢村慎太朗って誰だ?」と何も臆することなく、自分の感性にかなり合っているメルセデスSLを好むようです。
メルセデスの中長期的な変化は、今後さらに顕著になっていくように思います。マイバッハを廃止して、その顧客の受け入れ先としてメルセデスブランドの内部に「マイバッハ」と命名されたモデルを新たに投入するようです。これまではマイバッハの下に位置づけられていたメルセデスを最上級のブランドとし、その中で上限を取り払ったラグジュアリーなモデルをも同ブランド内で手掛けていく戦略が既定路線です。ポルシェとベントレーを合わせたようなブランドへとイメージを作り上げつつ、アウディのような小型モデルを量販してさらなる利益を出していく戦略自体は、レクサスやインフィニティでも急速に模索されているようですが、メルセデスが現在のところは最先端を走っているようです。
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002メルセデス(ブランド),
102クーペ(車種),
メルセデスSL
2014年12月17日水曜日
マセラティ・ギブリ 「大ヒット御礼!日本にも待望のアレがやってくる!」
昔からのマセラティのオーナーにしてみれば、「あんまり安売りしないでくれ〜」と言いたくなるかもしれませんが、昨年から続くこのブランドの勢いはまだまだ止まりそうにありません。本来は「プレミアムブランド」のさらに上にそびえる「ラグジュアリーブランド」のマセラティが比較的手頃な入門車(ギブリ)を用意したところ、これが見事に世界各地で大成功を収めているようです。理由は何となくではなく、よ〜く解ります!700~900万円クラスのプレミアムカーを買う層にとって、近年では低価格車ばかりに力を入れるメルセデス・アウディ・レクサスの現在の戦略は全く魅力的に映らないのだと思います。郊外のディーラーに行くとAクラス、A3、CT200hが一番目立つところに置かれていて・・・ふと「ここはスズキやダイハツのディーラーか?」なんて想いが過ったりします。
点検・メンテナンスでユーザーの囲い込みを図る郊外のレクサス店を訪ねると、休日には朝から点検のクルマが押し寄せます。やってくるのはCT、HS、ISといった日本上陸しての10年間にブームが来た歴代の廉価(入門)モデルばかりで、セレブが好きなクルマを贅沢に買っている!といったイメージとは全くかけ離れていて、失礼ですがこの光景に高級感なんてさらさら「ない」です・・・。メルセデスもアウディも大方は似たようなもので、いつ行っても暇そうな高齢者の客がやってきて営業マンとたわいのない長話をしているのが目に付きます。都心の一等地にある店舗ならだいぶ違うのかもしれませんが、東京の郊外の店舗はどこも押し並べて「緩い」です。高級車を販売するのに相応しい空間造りが必要だと、日本車ディーラーの庶民的な佇まいを激しい剣幕で叩く評論家の感性って一体何なんでしょうか・・・。
いざアウディA6でも買おうと思い立って、試しにガチで見積もってみると、「アバント2.8」で約800万円、「アバント3.0」は1000万円を超えてしまう価格になります。これを高いと感じるか安いと感じるかは個人の感性の問題でしょうが、どうせA6アバント3.0に1000万円払うくらいならばマセラティ・ギブリにしておこうかなと思うのが割と自然な「所有欲」というヤツかもしれません。アウディには1000万円払えないけど、マセラティになら払える!っていう感覚です。もしくは最近日本でも受け渡しが始まったらしいテスラ・モデルSという高級セダンのEVが、何やらアウディA6には無い独特の魅力を持っていて気になったりします。アメリカではセレブの間でギブリとモデルSの人気に火が付いているのだとか・・・アウディはもう古い!確かに・・・。
EVはどのモデルでも満タン充電の電力コストがせいぜい500円くらいだそうで、これで最大500km走れてしまうテスラ・モデルSは一旦買ってしまえばあとの維持費の安さは嬉しい限りです。月1000km走るとして1000~1500円程度の燃料代ですから、毎日ドライブに出掛けたくなりそうです。なんで日本メーカー はテスラ・モデルSのような魅力的な長距離EVを作らないのかなんだか不思議です。話題沸騰の燃料電池車は意外に水素がコスト高のようですし、注文殺到にもかかわらず年産700台ペースでまったく手に入る見込みがない「MIRAI」を発売する前に、レクサスからPHVで満タン充電で500kmをエンジンを使わずに走るモデルが出てきてもよかったのではないでしょうか。もしかしたら、ベンチャーメーカーのテスラのシェアを保護するために米国政府が主要な日本メーカーに対して何らかの圧力をかけていたのかもしれません。その代わりにテスラとのバッテリー合弁をトヨタにやらせてあげましょう!っていうカラクリなんでしょうか?
実はテスラ・モデルSと並んで大型セダンとしては異例の成長を誇っているマセラティ・ギブリにも人気の秘密があります。実はこのクルマは、欧州などでは既に販売の大半をディーゼルモデルが占めているんだそうです。BMW320dやアテンザXDが日本市場で異例のヒットを遂げたのと全く同じ構図みたいです。そしてさすがはラグジュアリーブランドだけあって、日本市場向けにガッツリと下処理装置を配備して、日本の排出ガス基準をもすでにクリアしているようで、来年には日本にも待望のディーゼルが発売される見通しだそうです。そしてこれが現在のガソリンモデル(V6ターボ)よりも安いという戦略価格だったら!これくらいは当たり前のように仕掛けてくるのが最近のマセラティなので、ブランドのステータスや燃費などの経済性を考慮すれば、今の段階ですでにギブリに販売台数で軒並み負けているレクサスGS、Eクラス、アウディA6辺りのEセグプレミアムセダンはひとたまりもないでしょう。
いままでが殿様商売だったということもないでしょうが、GS、E、A6といったEセグプレミアムセダンはそれぞれのブランド内でも販売が低迷していて、だいぶ肩身が狭い思いをしています。まだこのジャンルに参入していない周囲のメーカーはこの惨状と、これらのモデルの商品力の弱さを冷静に分析していたようで、マセラティだけではなくジャガーやキャデラックといったアメリカで伝統的に人気のある高級ブランドも虎視眈々とモデルのブラッシュアップを進めているようです。そして日本未上陸のホンダの上級ブランド「アキュラ」の最上級セダンがホンダ・レジェンドとして再び日本市場に参戦してきます。
さらに「下」の一般ブランドからもアテンザやレガシィといったDセグセダンがワンサイズアップして新たに名乗りを挙げてきました。プレミアムブランド顔負けの素晴らしい内装設備を見せていて、よっぽどの成金趣味でなく日本人らしい中流意識を持っているのであれば、気持ちよく街中を走れる立派なフラッグシップセダンへと変貌を遂げました。今後はラグジュアリーブランドとプレミアムブランドと一般ブランドが入り交じってのなかなか活気のある競争を繰り広げられればいいですが、それほどセダン市場が大きくない日本ですから、このままではいずれかのモデルが販売台数減に見舞われて日本市場では廃止に追い込まれてしまうでしょう。その第一号は一体どのモデルになるのか?ギブリ・ジャガーXF・キャデラックCTS・GS・E・5・A6・フーガ・レジェンド・アテンザ・レガシィ・・・さてこの中で敗北して日本からフェードアウトしてしまうのはどのクルマになるのか?絶対に負けられない戦いが始まろうとしています・・・。
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いざアウディA6でも買おうと思い立って、試しにガチで見積もってみると、「アバント2.8」で約800万円、「アバント3.0」は1000万円を超えてしまう価格になります。これを高いと感じるか安いと感じるかは個人の感性の問題でしょうが、どうせA6アバント3.0に1000万円払うくらいならばマセラティ・ギブリにしておこうかなと思うのが割と自然な「所有欲」というヤツかもしれません。アウディには1000万円払えないけど、マセラティになら払える!っていう感覚です。もしくは最近日本でも受け渡しが始まったらしいテスラ・モデルSという高級セダンのEVが、何やらアウディA6には無い独特の魅力を持っていて気になったりします。アメリカではセレブの間でギブリとモデルSの人気に火が付いているのだとか・・・アウディはもう古い!確かに・・・。
EVはどのモデルでも満タン充電の電力コストがせいぜい500円くらいだそうで、これで最大500km走れてしまうテスラ・モデルSは一旦買ってしまえばあとの維持費の安さは嬉しい限りです。月1000km走るとして1000~1500円程度の燃料代ですから、毎日ドライブに出掛けたくなりそうです。なんで日本メーカー はテスラ・モデルSのような魅力的な長距離EVを作らないのかなんだか不思議です。話題沸騰の燃料電池車は意外に水素がコスト高のようですし、注文殺到にもかかわらず年産700台ペースでまったく手に入る見込みがない「MIRAI」を発売する前に、レクサスからPHVで満タン充電で500kmをエンジンを使わずに走るモデルが出てきてもよかったのではないでしょうか。もしかしたら、ベンチャーメーカーのテスラのシェアを保護するために米国政府が主要な日本メーカーに対して何らかの圧力をかけていたのかもしれません。その代わりにテスラとのバッテリー合弁をトヨタにやらせてあげましょう!っていうカラクリなんでしょうか?
実はテスラ・モデルSと並んで大型セダンとしては異例の成長を誇っているマセラティ・ギブリにも人気の秘密があります。実はこのクルマは、欧州などでは既に販売の大半をディーゼルモデルが占めているんだそうです。BMW320dやアテンザXDが日本市場で異例のヒットを遂げたのと全く同じ構図みたいです。そしてさすがはラグジュアリーブランドだけあって、日本市場向けにガッツリと下処理装置を配備して、日本の排出ガス基準をもすでにクリアしているようで、来年には日本にも待望のディーゼルが発売される見通しだそうです。そしてこれが現在のガソリンモデル(V6ターボ)よりも安いという戦略価格だったら!これくらいは当たり前のように仕掛けてくるのが最近のマセラティなので、ブランドのステータスや燃費などの経済性を考慮すれば、今の段階ですでにギブリに販売台数で軒並み負けているレクサスGS、Eクラス、アウディA6辺りのEセグプレミアムセダンはひとたまりもないでしょう。
いままでが殿様商売だったということもないでしょうが、GS、E、A6といったEセグプレミアムセダンはそれぞれのブランド内でも販売が低迷していて、だいぶ肩身が狭い思いをしています。まだこのジャンルに参入していない周囲のメーカーはこの惨状と、これらのモデルの商品力の弱さを冷静に分析していたようで、マセラティだけではなくジャガーやキャデラックといったアメリカで伝統的に人気のある高級ブランドも虎視眈々とモデルのブラッシュアップを進めているようです。そして日本未上陸のホンダの上級ブランド「アキュラ」の最上級セダンがホンダ・レジェンドとして再び日本市場に参戦してきます。
さらに「下」の一般ブランドからもアテンザやレガシィといったDセグセダンがワンサイズアップして新たに名乗りを挙げてきました。プレミアムブランド顔負けの素晴らしい内装設備を見せていて、よっぽどの成金趣味でなく日本人らしい中流意識を持っているのであれば、気持ちよく街中を走れる立派なフラッグシップセダンへと変貌を遂げました。今後はラグジュアリーブランドとプレミアムブランドと一般ブランドが入り交じってのなかなか活気のある競争を繰り広げられればいいですが、それほどセダン市場が大きくない日本ですから、このままではいずれかのモデルが販売台数減に見舞われて日本市場では廃止に追い込まれてしまうでしょう。その第一号は一体どのモデルになるのか?ギブリ・ジャガーXF・キャデラックCTS・GS・E・5・A6・フーガ・レジェンド・アテンザ・レガシィ・・・さてこの中で敗北して日本からフェードアウトしてしまうのはどのクルマになるのか?絶対に負けられない戦いが始まろうとしています・・・。
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2014年12月3日水曜日
フォード・マスタング 「限定車だけで終わりなんてことは・・・」
2.3L直4ターボで465万円ですか・・・。マスタングで直4というのはいかがなものなんですかね。2ドアボディは本来自由なクルマで、ラフorラグジュアリーに構えるならば特にエンジンを選ばない!という判断もできそうですけど。先代モデルは2万ドルでV6モデルが買える!というアメリカ自動車産業の懐の深さを見せつけるクルマだったんですが、新型モデルが登場してみると、日本仕様はじわじわと値上がりしたようで、気がつけばBMWなどとほぼ変わらない価格になってしまいました。たしかに700万円以下でV8モデルに乗れる点ではコストパフォーマンスの高さを感じますが、比較的手頃なベースグレードに関しては今のところ割安感はないです。
日本車もドイツ車も選び放題の日本市場で、わざわざマスタングの4気筒に乗ろう!という人はよほどの「マツダオタク」くらいじゃないでしょうか。マツダが設計したMZRエンジンをベースにしているフォードの2.3L「エコブースト」は、その排気量からも、マツダがかつて発売していた「マツダスピード・アテンザ」や「マツダスピード・アクセラ」に積まれたユニットが連想されます。マツダのものは横置きでMSアクセラに至ってはFFだったために相当にデチューンされて安全に走れるものになっていたようですが、マスタングは当然にFRなので、4気筒エンジンとしては世界最高峰に位置するMZRエンジンのポテンシャルをかつて無いほどに引き出した超絶ヴァージョンになっています。
かくいう私も相当なマツダ贔屓なので、「マスタング買うならV8だろ!」という信念を持ちつつも、「MZRエンジンならば、直4もアリだな・・・」と思ってます。現在のところ日本への正規輸入は直4ターボのみ価格がアナウンスされている状態です。日本の税制を考えたら3.7LのV6や5LのV8よりも、2.3Lが相当にリーズナブルなのは確かですけど、そもそも自動車税のこと考えてる人はマスタングなんてまず買わないでしょう。「スタートエディション」ということで少々高めに設定されての465万円なんでしょうけど、マスタングのイメージに合わない直4のみでしかも右ハンドル導入が決定されてる中で、第一弾は左ハンドルのみですから、売れ残り必至じゃないかという気がします。
あと1年ほど待てば直4モデルならば400万円以下(であろう)の通常グレードで右ハンドル車が買えることがすでにバレバレです。足回りに大きな変更があってマルチリンクを採用したので、乗り心地の熟成・改善のためにも年次改良を2~3回ほど待ったほうがいいのかもしれません。BMWを買わないでマスタングを待つ人々ならば、それくらいのことはお見通しですから、この初期モデルは予想以上に苦戦しそうな気がします。しかしその結果を受けて新型マスタングの日本導入は「見送り」なんて最悪な決定が下されたりするのはちょっと困ります。
新型マスタングが300万円台で、右ハンドル装備で、2.3L直4ターボ318psというスペックならば、日本市場のBMW、レクサス、日産などに大きな影響を与えてくれるでしょう。BMW328の2L直4ターボ245psで604万円という「殿様商売」な価格がアホらしく思えてくるでしょう。3シリーズよりもかなり大きくて余裕のあるボディを持ち車重も100kgしか変わりません。「大き過ぎる」「2ドア」というネガさえなければ、まずはマスタングを考えよう!という気になるはずです。確かにBMWの直6には美学がありますが、435iで765万円となり、おそらくマスタングのV8モデルが買えてしまいます。そして直4エンジンに関してはBMWは二流の域を出ず、マスタングに使われる「MZR」の素性と比べるとドイツの雑誌がBMWの全面敗北を認めてしまうほどの開きがあります。
年明けにも発売されるというスカイライン・クーペも今頃は価格設定にあれこれ苦慮していると思います。マスタング陣営が、世界最高の6気筒を持つ日産の新鋭クーペを過度に警戒しているのは確実で、おそらくマスタングの通常価格を発表せずに「後だしジャンケン」を意図しているように思います。メルセデスの2L直4ターボ211psがベースグレードに使われるようです。マスタングとほぼ同じ車重を誇るスカイラインですから、やはりBMWの直6を圧倒した「伝家の宝刀」であるV6搭載モデルでないと、スポーティで魅力的な日産らしさは得られないですし、マスタングのコストパフォーマンスの前に霞んでいまう恐れがあります。先代モデルくらいの価格で登場すればかなりセンセーショナルではありますが・・・。この10年で国産車ファンにとっての「心の拠り所」といった地位を確立したスカクーには今後もぜひ頑張ってもらいたいです。
さてマスタングの眼前で丸裸になっているのがレクサスRCです。いまいちスペシャル感が伝わってこないのは、レクサスへの偏見もあるのかもしれないですが、このRCと新型マスタングが駐車場で並んだ光景を見れば、RCのオーナーはかなり悔しい思いをさせられそうです。それでもRCには「350Fスポ」と「RC-F」というトヨタの実力を端的に示す素晴らしいグレードがあります。レクサスへの批判をぴしゃりと止めたのが、スーパーカーの「LFA」と「IS350Fスポ」でBMWや日産を相手に完全勝利を目指した「開発資源の投入」はVWグループの戦略を彷彿とさせます。ランボルギーニやポルシェを作るほどの情熱を本体価格615万円の「IS350Fスポ」に注ぎ込んだわけです。
評論家の間でもこのレクサスの動きには当然に大きな衝撃があったようです。今ではBMW3シリーズや5シリーズが素晴らしいスポーツセダンだと呑気に言っている評論家は急速に減りました。BMWと言えばやっぱり「i3」でしょ!なんてそんな調子です。レクサスとしては「IS350Fスポ」のDNAを引き継いだ「RC350Fスポ」と「RC-F」も、VWグループとのつば迫り合いの中で必要な戦略モデルになっているようです。このトヨタの動きに呼応して日産もBMWもさらなる努力をするでしょうし、ホンダも間もなく日本にレジェンドを再登場させます。しかし615万円という価格も決して安いものではないですから、そこに新型マスタングが300万円台〜の価格設定で投入されれば、トヨタも「IS350Fスポ」のノウハウを使った対抗モデルを用意してくるのではないかという期待もできます。なんとか無事に新型マスタングがフルグレードでの日本上陸を果たしてくれればと思います。
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日本車もドイツ車も選び放題の日本市場で、わざわざマスタングの4気筒に乗ろう!という人はよほどの「マツダオタク」くらいじゃないでしょうか。マツダが設計したMZRエンジンをベースにしているフォードの2.3L「エコブースト」は、その排気量からも、マツダがかつて発売していた「マツダスピード・アテンザ」や「マツダスピード・アクセラ」に積まれたユニットが連想されます。マツダのものは横置きでMSアクセラに至ってはFFだったために相当にデチューンされて安全に走れるものになっていたようですが、マスタングは当然にFRなので、4気筒エンジンとしては世界最高峰に位置するMZRエンジンのポテンシャルをかつて無いほどに引き出した超絶ヴァージョンになっています。
かくいう私も相当なマツダ贔屓なので、「マスタング買うならV8だろ!」という信念を持ちつつも、「MZRエンジンならば、直4もアリだな・・・」と思ってます。現在のところ日本への正規輸入は直4ターボのみ価格がアナウンスされている状態です。日本の税制を考えたら3.7LのV6や5LのV8よりも、2.3Lが相当にリーズナブルなのは確かですけど、そもそも自動車税のこと考えてる人はマスタングなんてまず買わないでしょう。「スタートエディション」ということで少々高めに設定されての465万円なんでしょうけど、マスタングのイメージに合わない直4のみでしかも右ハンドル導入が決定されてる中で、第一弾は左ハンドルのみですから、売れ残り必至じゃないかという気がします。
あと1年ほど待てば直4モデルならば400万円以下(であろう)の通常グレードで右ハンドル車が買えることがすでにバレバレです。足回りに大きな変更があってマルチリンクを採用したので、乗り心地の熟成・改善のためにも年次改良を2~3回ほど待ったほうがいいのかもしれません。BMWを買わないでマスタングを待つ人々ならば、それくらいのことはお見通しですから、この初期モデルは予想以上に苦戦しそうな気がします。しかしその結果を受けて新型マスタングの日本導入は「見送り」なんて最悪な決定が下されたりするのはちょっと困ります。
新型マスタングが300万円台で、右ハンドル装備で、2.3L直4ターボ318psというスペックならば、日本市場のBMW、レクサス、日産などに大きな影響を与えてくれるでしょう。BMW328の2L直4ターボ245psで604万円という「殿様商売」な価格がアホらしく思えてくるでしょう。3シリーズよりもかなり大きくて余裕のあるボディを持ち車重も100kgしか変わりません。「大き過ぎる」「2ドア」というネガさえなければ、まずはマスタングを考えよう!という気になるはずです。確かにBMWの直6には美学がありますが、435iで765万円となり、おそらくマスタングのV8モデルが買えてしまいます。そして直4エンジンに関してはBMWは二流の域を出ず、マスタングに使われる「MZR」の素性と比べるとドイツの雑誌がBMWの全面敗北を認めてしまうほどの開きがあります。
年明けにも発売されるというスカイライン・クーペも今頃は価格設定にあれこれ苦慮していると思います。マスタング陣営が、世界最高の6気筒を持つ日産の新鋭クーペを過度に警戒しているのは確実で、おそらくマスタングの通常価格を発表せずに「後だしジャンケン」を意図しているように思います。メルセデスの2L直4ターボ211psがベースグレードに使われるようです。マスタングとほぼ同じ車重を誇るスカイラインですから、やはりBMWの直6を圧倒した「伝家の宝刀」であるV6搭載モデルでないと、スポーティで魅力的な日産らしさは得られないですし、マスタングのコストパフォーマンスの前に霞んでいまう恐れがあります。先代モデルくらいの価格で登場すればかなりセンセーショナルではありますが・・・。この10年で国産車ファンにとっての「心の拠り所」といった地位を確立したスカクーには今後もぜひ頑張ってもらいたいです。
さてマスタングの眼前で丸裸になっているのがレクサスRCです。いまいちスペシャル感が伝わってこないのは、レクサスへの偏見もあるのかもしれないですが、このRCと新型マスタングが駐車場で並んだ光景を見れば、RCのオーナーはかなり悔しい思いをさせられそうです。それでもRCには「350Fスポ」と「RC-F」というトヨタの実力を端的に示す素晴らしいグレードがあります。レクサスへの批判をぴしゃりと止めたのが、スーパーカーの「LFA」と「IS350Fスポ」でBMWや日産を相手に完全勝利を目指した「開発資源の投入」はVWグループの戦略を彷彿とさせます。ランボルギーニやポルシェを作るほどの情熱を本体価格615万円の「IS350Fスポ」に注ぎ込んだわけです。
評論家の間でもこのレクサスの動きには当然に大きな衝撃があったようです。今ではBMW3シリーズや5シリーズが素晴らしいスポーツセダンだと呑気に言っている評論家は急速に減りました。BMWと言えばやっぱり「i3」でしょ!なんてそんな調子です。レクサスとしては「IS350Fスポ」のDNAを引き継いだ「RC350Fスポ」と「RC-F」も、VWグループとのつば迫り合いの中で必要な戦略モデルになっているようです。このトヨタの動きに呼応して日産もBMWもさらなる努力をするでしょうし、ホンダも間もなく日本にレジェンドを再登場させます。しかし615万円という価格も決して安いものではないですから、そこに新型マスタングが300万円台〜の価格設定で投入されれば、トヨタも「IS350Fスポ」のノウハウを使った対抗モデルを用意してくるのではないかという期待もできます。なんとか無事に新型マスタングがフルグレードでの日本上陸を果たしてくれればと思います。
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013フォード(ブランド),
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2014年11月14日金曜日
スカイライン350GT vs WRX-S4 「至高のGTセダンとは?」
クルマを嗜む人口がどんどん減っている・・・というデータが本当に正しいのかどうかはさておき、クルマを作る側のメーカーとしては趣味性の高いクルマを複数ラインナップするのは経営上非常に難しい時代になってきたようです。一国一城主義ではないですが、多くの日本メーカーにとって「勝負するクルマ」は1モデル限りというのが現実になってきています。そして各メーカーの絶対的な価値を象徴するような「絶対に負けられない」1台同士が、一般的な日本人がなんとか払える価格帯でガチンコになり、壮絶な死闘を繰り広げる販売合戦は見ていてとてもスピリッチュアルで、思わず感動のあまり「両方とも買います!」とか調子のいいことを言ってしまいたくなります。
2014年に相次いで登場した日産「スカイライン350GT」とスバル「WRX S4」の2台は、どちらもまさにそんなブランドの威信を賭けたスペシャルなモデルです。意外なことにどちらも輸入車好きのミーハー?でクルマの良さなど、体感的にまるで分ってないんじゃないかと思うような言動が目立つ自動車評論家からは、やたらと厳しい評価が下されるケースが目立ちます。それでもそんな評論家の影響力など、今日の日本の良識ある自動車ファンにはまったく関係はないようで、雑誌のクソ評価とは対称的にも興味を持った人々が、クルマ離れなんて無かった!とばかりに、”地割れ"のように日産とスバルに殺到していて、どちらも予想以上の売れ行きを見せています。もしこれが売れなかったら日産もスバルもやる気無くしていじけちゃいそう・・・そんな空気すら善良なクルマ好きのみなさんは感じ取っているみたいです。
両陣営(ディーラー)に尋ねたところ、日産側は「(スカイラインは)ライバル不在の孤高の絶対性能&コスパだけど、今の日本人の購買力にはやや疑問で弱気です・・・」という主旨の説明がありました。本当はもっと高く設定したいけど、国産ブランドではこれが限界という価格(400~600万円)に収めた自他ともに認める謙虚でお買い得なクルマです。もしこれをさらに作り込んで1000万円を超える価格にしても、マセラティなどの一流ブランドに肩を並べるにはインフィニティを日本に本格導入して、それを浸透させて・・・となかなか気の長い売り込みプランが必要です。さらに本音を言うと1000万円超の金額をクルマに注ぎ込めるアッパーな顧客は、既存の日産ディーラーの設備ではとても歓待できないみたいです。
一方スバルは、「S4はやたらとスカイラインと商談でガチンコになるんですよ!」とこちらはやや一方的にライバル意識がメラメラのようです。最初からS4だけを目当てにしている客には、S4のポテンシャルを相対的に伝えるのに良好なセールストークかもしれないですが、実際に乗り比べてみると「GTセダン」としても両車の方向性は全くと言っていいほど違います。まあ「宣伝文句」というのはときにとても厄介なもので、スバルと日産の今回の場合はそれぞれに不足している部分を盛んにアピール合戦している印象です。日産がスカイラインで掲げる「万能・最速HV・圧倒的な潜在能力・プレミアムセダン」というのも、スバルがS4で掲げた「高級感・洗練・一体感・革新」というのも、コンセプトが目指した本当の価値と向き合っていないような気がするのですが・・・。
始めにも書きましたが、どちらもとても素晴らしいクルマです。年がら年中スーパースポーツに乗っている評論家から見ればツッコミどころがある走りかもしれないですが、どちらもクローズドなコースでアクセルを踏み切れば、息切れすることなくゼロ発進から10秒足らずでリミッター速度に達する能力の片鱗を感じられます。どれだけ踏んでも底が見えない強靭な心臓に加えて、どちらも市販車で世界最高水準の「受動安全性」と「予防安全性」を備えています。その実力は総合的に見ても、「安全性」を喧しいほどに盛んに謳っているメルセデス・VW・レクサスを軽く上回ります。ただし日産もスバルも悩ましいところは、走りを愛していてドライビングに自信がある頑固なオヤジ層の間に支持基盤を持ってますから、完全に女性向けに作られているCクラス、レクサスIS、ゴルフのように「安全性」を前面にだしてアピールするのは逆効果という点です。
素直にGTカーとして「世界で一番安全なクルマですよ!」とシンプルに言えばいいのに、「プレミアムが〜」だとか、「磨きぬかれた洗練」とか、回りくどいだけじゃなく、本質すらもねじ曲げてしまうような「やぶ蛇」な宣伝文句が飛び交っています。スカイラインの足踏み式サイドブレーキだったり、旧態依然なパワーシートを「標準装備です!」とドヤ顔で言ってしまうところが、実際のところ気になってしまいます。クルマの基本性能は申し分ないのですが、シート・ステアリング以外の部分の装備にあまり手が回っていないのが残念すぎます。プレミアムブランドが盛んに争うポイント(セレブな奥様を喜ばせる!?)がどうも分ってない気がします。最初から「走り」にだけ集中したGTセダンなんだ!って言っておけばいいですし、日産の開発陣の頭にも「硬派な男のGTセダン」というイメージが明確にあったはずです。「プレミアムとは呼ばないで!」くらいの矜持があっても良かったのではないでしょうか?
「6気筒エンジンではどこも日産には太刀打ちできない!」と世界で評される自慢のV6にハイブリッドを組み込み、近年のGTカー開発の肝となっている燃費をも大幅に改善したスカイライン350GTは、すでに発売されているフーガHVの弱点を克服する形で登場しました。GTセダンならばハンドリングをおろそかには出来ないという強い想いから、ステアバイワイアを標準で装備してきました。賛否両論あるようですが、”違和感がある"とか言っている人の多くは雑誌の受け売りなんじゃないか?と思っています。本質的には欧州で絶賛されたフォードとマツダが協力して開発したハンドリングの味にとても近いです。まあ確かにハンドルの効き始めるところで手応えが変わらないのを「違和感」というのかもしれないです。それでもマツダのようなクイックなハンドルに慣れた人なら、その性能の高さに心が震えるはずです。
ハンドリングだけでなく、フーガHVから評価が高かった「1モーター2クラッチ」によるトヨタを超えて滑らかな発進加速は、ドイツ勢ごときには絶対に辿り着けない極致です。トヨタ(レクサス)もアイシンAWが作るキックダウン時でも超絶に滑らかな8速ATを使っていて、BMWなどのZF製8ATに比べて圧倒的なアドバンテージを持っていますが、日産はここに照準を合わせたフィールを見事に作りだしています。日産、トヨタに追従しているのがマツダが内製している「湿式多板方式」を採用した6ATくらいなもので、この3ブランドのATが醸し出す極上のドライブフィールに比べれば、BMW(8AT)もVW(6湿式DCT)も・・・でしかないです(悪くないですけど・・・)。そしてあまり言いたくはないですが、メルセデス(7AT/7DCT)とスバル(8CVT)は「やり直し!」と言いたいレベルです(熟成不足・・・)。
さてすでに処刑してしまったWRX-S4ですが・・・。CVT以外のところはいろいろ頑張っています。スバルもCVTの至らなさを理解しているようで、いよいよ「アクセル・レス」なクルマ作りへと方向転換しているようです。WRX-S4の最大のセールスポイントが、高速道路での自動運転モードです。カメラで車線を確認しステアリングまで自動的に動かす機能がついています(レガシィには無いそうです)。なるほど・・・究極のGTセダンですね。私は買おうとは思いませんが、いろいろな人に訊かれてこの話をすると、「それってスゴいね!」とかなり前のめりになることが多いです。ドライバーズブランド・スバルという先入観がなければたしかに「スゴい!」かもしれません(300psはただの飾りか?)。
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2014年に相次いで登場した日産「スカイライン350GT」とスバル「WRX S4」の2台は、どちらもまさにそんなブランドの威信を賭けたスペシャルなモデルです。意外なことにどちらも輸入車好きのミーハー?でクルマの良さなど、体感的にまるで分ってないんじゃないかと思うような言動が目立つ自動車評論家からは、やたらと厳しい評価が下されるケースが目立ちます。それでもそんな評論家の影響力など、今日の日本の良識ある自動車ファンにはまったく関係はないようで、雑誌のクソ評価とは対称的にも興味を持った人々が、クルマ離れなんて無かった!とばかりに、”地割れ"のように日産とスバルに殺到していて、どちらも予想以上の売れ行きを見せています。もしこれが売れなかったら日産もスバルもやる気無くしていじけちゃいそう・・・そんな空気すら善良なクルマ好きのみなさんは感じ取っているみたいです。
両陣営(ディーラー)に尋ねたところ、日産側は「(スカイラインは)ライバル不在の孤高の絶対性能&コスパだけど、今の日本人の購買力にはやや疑問で弱気です・・・」という主旨の説明がありました。本当はもっと高く設定したいけど、国産ブランドではこれが限界という価格(400~600万円)に収めた自他ともに認める謙虚でお買い得なクルマです。もしこれをさらに作り込んで1000万円を超える価格にしても、マセラティなどの一流ブランドに肩を並べるにはインフィニティを日本に本格導入して、それを浸透させて・・・となかなか気の長い売り込みプランが必要です。さらに本音を言うと1000万円超の金額をクルマに注ぎ込めるアッパーな顧客は、既存の日産ディーラーの設備ではとても歓待できないみたいです。
一方スバルは、「S4はやたらとスカイラインと商談でガチンコになるんですよ!」とこちらはやや一方的にライバル意識がメラメラのようです。最初からS4だけを目当てにしている客には、S4のポテンシャルを相対的に伝えるのに良好なセールストークかもしれないですが、実際に乗り比べてみると「GTセダン」としても両車の方向性は全くと言っていいほど違います。まあ「宣伝文句」というのはときにとても厄介なもので、スバルと日産の今回の場合はそれぞれに不足している部分を盛んにアピール合戦している印象です。日産がスカイラインで掲げる「万能・最速HV・圧倒的な潜在能力・プレミアムセダン」というのも、スバルがS4で掲げた「高級感・洗練・一体感・革新」というのも、コンセプトが目指した本当の価値と向き合っていないような気がするのですが・・・。
始めにも書きましたが、どちらもとても素晴らしいクルマです。年がら年中スーパースポーツに乗っている評論家から見ればツッコミどころがある走りかもしれないですが、どちらもクローズドなコースでアクセルを踏み切れば、息切れすることなくゼロ発進から10秒足らずでリミッター速度に達する能力の片鱗を感じられます。どれだけ踏んでも底が見えない強靭な心臓に加えて、どちらも市販車で世界最高水準の「受動安全性」と「予防安全性」を備えています。その実力は総合的に見ても、「安全性」を喧しいほどに盛んに謳っているメルセデス・VW・レクサスを軽く上回ります。ただし日産もスバルも悩ましいところは、走りを愛していてドライビングに自信がある頑固なオヤジ層の間に支持基盤を持ってますから、完全に女性向けに作られているCクラス、レクサスIS、ゴルフのように「安全性」を前面にだしてアピールするのは逆効果という点です。
素直にGTカーとして「世界で一番安全なクルマですよ!」とシンプルに言えばいいのに、「プレミアムが〜」だとか、「磨きぬかれた洗練」とか、回りくどいだけじゃなく、本質すらもねじ曲げてしまうような「やぶ蛇」な宣伝文句が飛び交っています。スカイラインの足踏み式サイドブレーキだったり、旧態依然なパワーシートを「標準装備です!」とドヤ顔で言ってしまうところが、実際のところ気になってしまいます。クルマの基本性能は申し分ないのですが、シート・ステアリング以外の部分の装備にあまり手が回っていないのが残念すぎます。プレミアムブランドが盛んに争うポイント(セレブな奥様を喜ばせる!?)がどうも分ってない気がします。最初から「走り」にだけ集中したGTセダンなんだ!って言っておけばいいですし、日産の開発陣の頭にも「硬派な男のGTセダン」というイメージが明確にあったはずです。「プレミアムとは呼ばないで!」くらいの矜持があっても良かったのではないでしょうか?
「6気筒エンジンではどこも日産には太刀打ちできない!」と世界で評される自慢のV6にハイブリッドを組み込み、近年のGTカー開発の肝となっている燃費をも大幅に改善したスカイライン350GTは、すでに発売されているフーガHVの弱点を克服する形で登場しました。GTセダンならばハンドリングをおろそかには出来ないという強い想いから、ステアバイワイアを標準で装備してきました。賛否両論あるようですが、”違和感がある"とか言っている人の多くは雑誌の受け売りなんじゃないか?と思っています。本質的には欧州で絶賛されたフォードとマツダが協力して開発したハンドリングの味にとても近いです。まあ確かにハンドルの効き始めるところで手応えが変わらないのを「違和感」というのかもしれないです。それでもマツダのようなクイックなハンドルに慣れた人なら、その性能の高さに心が震えるはずです。
ハンドリングだけでなく、フーガHVから評価が高かった「1モーター2クラッチ」によるトヨタを超えて滑らかな発進加速は、ドイツ勢ごときには絶対に辿り着けない極致です。トヨタ(レクサス)もアイシンAWが作るキックダウン時でも超絶に滑らかな8速ATを使っていて、BMWなどのZF製8ATに比べて圧倒的なアドバンテージを持っていますが、日産はここに照準を合わせたフィールを見事に作りだしています。日産、トヨタに追従しているのがマツダが内製している「湿式多板方式」を採用した6ATくらいなもので、この3ブランドのATが醸し出す極上のドライブフィールに比べれば、BMW(8AT)もVW(6湿式DCT)も・・・でしかないです(悪くないですけど・・・)。そしてあまり言いたくはないですが、メルセデス(7AT/7DCT)とスバル(8CVT)は「やり直し!」と言いたいレベルです(熟成不足・・・)。
さてすでに処刑してしまったWRX-S4ですが・・・。CVT以外のところはいろいろ頑張っています。スバルもCVTの至らなさを理解しているようで、いよいよ「アクセル・レス」なクルマ作りへと方向転換しているようです。WRX-S4の最大のセールスポイントが、高速道路での自動運転モードです。カメラで車線を確認しステアリングまで自動的に動かす機能がついています(レガシィには無いそうです)。なるほど・・・究極のGTセダンですね。私は買おうとは思いませんが、いろいろな人に訊かれてこの話をすると、「それってスゴいね!」とかなり前のめりになることが多いです。ドライバーズブランド・スバルという先入観がなければたしかに「スゴい!」かもしれません(300psはただの飾りか?)。
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022日産(ブランド),
025スバル(ブランド),
101セダン(車種),
スバルWRX S4,
日産スカイライン
2014年10月28日火曜日
ロータス・エキシージSロードスター 「なかなか無視できない価格かも」
人生で2シーターのオープンスポーツを所有することはあるのかな・・・。もしあったとしても通算で1~2台ってとこだと思うので、マツダ・ロードスターとポルシェ・ボクスターさえあればあとはどうでもいいかも・・・でもなんだかんだで日々あれこれ妄想してます。クルマ選びは本当に楽しいので、仕事がしんどい時などにふと考えると、なかなか精神衛生上にも良い効果があります。特に非日常なクルマというのは想像している段階が一番幸せで、いざ「買うぞ!」となって現実的に維持費を計算し始めると、とたんに熱が冷めるなんてこともあります。「ボクスターならなんとかなるかも!?」と思っている分には幸せですが、実際には余裕もないのに安易に買ってしまって、オイル交換で毎回5万円を支払払ったりしていたら、今度は逆に「消耗」してしまいそうです・・・。
マセラティ・グランカブリオやフェラーリ・カリフォルニアといった貴族趣味のイタリアン・オープン・ラグジュアリーは、とてもじゃないですが現実味が無い価格(新車2000万円〜)です。「手の届く非日常」ということで、ポルシェとジャガーが日本のサラリーマンの懐具合をよく見定めたであろう、ボクスターとFタイプならば・・・ってのが現実です。同じ日本にはマセラティやフェラーリを大胆にも痛車にしてしまう道楽者(不届者)もいるのに、ボクスターでため息をついている自分の小者っぷりが悲しい限りです。
最近になって英国のスポーツカーブランドであるロータスから「エキシージSロードスター」という2シーターのオープンスポーツが、本体価格1000万円以下という価格で登場しました。パワーユニットはもうロータスではおなじみになったトヨタ製V6スーパーチャージャー(350ps)を使っていて、しかも1200kgを楽に下回る超軽量ボディですから、これだけ見てもスポーツカーとしてのピュア度はなかなかのものです。ライバル車としてポルシェ・ボクスターの新グレード「GTS」やジャガーFタイプのV6スーパーチャージャーが頭に浮かびますが、これだけのリアルスポーツを押し退けてしまう正統スポーツカー設計ですから、少なくとも期待を裏切らないはずです。
ロータスにはエリーゼというもっと手軽なオープンモデルもあります。元々はトヨタのセリカ用1.8L(190ps)を積んだロードスター版がエリーゼで、そのハードトップ版がエキシージだったようですが、2010年ヤマハがチューンしたエンジンの供給が終わると、この2つのモデルは方向性を分けて、トヨタの別々のエンジンを積むようになりました。現行ではエリーゼが1.6L(NA)、エリーゼSが1.8L(SC)、エキシージSが3.5L(SC)となっていて、エリーゼはマツダ・ロードスター、エキシージはポルシェ911の切り開いているマーケットに接近しているのが分ります。「ロードスターと911以外は亜流」とその著作で言い切ったライターがいましたが、ロータスのマーケティングはその言葉を見事に裏付けています。
ロードスターと911ですからもちろん価格帯も大きく違うので、エリーゼとエキシージは今では価格差が大きく開いています。その中でエキシージのオープン版が出たのは、少なからずジャガーFタイプの商業的な成功がきっかけだったようです。日本価格では軽く1500万円を超えてしまう911カブリオレに対して、本体価格で1000万円を下回るFタイプとエキシージSロードスターは、かなり割安に感じます(あくまでスポーツカーに取り憑かれた人の感覚ですが・・・)。あとは日本でもアメリカでも「ポルシェの独裁」に対する倦怠感みたいなものも燻っています。新しく設計されたスポーツカーへの渇望はジャガーFタイプの販売を後押ししています(特にアメリカで)。
今後はホンダもこのマーケットを狙ってNSXの価格設定をしているようで、「フェラーリの性能でポルシェの価格」といった文言がホンダの幹部からも出ているとか・・・。マツダもロードスターとは別の価格帯(600万円前後?)で2017年に新型RX7の投入を予定しているらしいです。そして同年にはトヨタとBMWのコラボによる新型スープラ/Z4も発売を予定しています。これに既存勢力である日産GT-Rとシボレー・コルベットを加えた、600~1200万円(日本価格)、そして300~600psくらいのリアルスポーツによる、まさに過当競争に突入していく様相を呈しています。他にもフォード(マスタング)やフィアット=クライスラー(アルファロメオ、ダッジ・バイパー)も、すぐにこの競争に参加できる能力を持っています。
ロータスは現在はマレーシアのプロトンの傘下にあって、今後は経営効率を優先するためにライトウエイトスポーツの開発を凍結し、高級SUVなどの売れ筋を目指すといった予測もでてました。しかし現状では世界中のセレブがわざわざマレーシアメーカー傘下のSUVを積極的に選ぶとも思えないのですし、アメリカ市場を見ていてもランドローバーやジープといった伝統のブランドこそ伸びていますが、BMWやポルシェのSUVはそれほど歓迎されていません。やはりロータスは、発表と同時に著名人がこぞって予約を入れたという「エヴォーラ」のような個性的なクルマを作っていたほうが賢明じゃないかと思います。
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↓傑作エッセイ「スポーツカーを買うならば」が収録されてます!
マセラティ・グランカブリオやフェラーリ・カリフォルニアといった貴族趣味のイタリアン・オープン・ラグジュアリーは、とてもじゃないですが現実味が無い価格(新車2000万円〜)です。「手の届く非日常」ということで、ポルシェとジャガーが日本のサラリーマンの懐具合をよく見定めたであろう、ボクスターとFタイプならば・・・ってのが現実です。同じ日本にはマセラティやフェラーリを大胆にも痛車にしてしまう道楽者(不届者)もいるのに、ボクスターでため息をついている自分の小者っぷりが悲しい限りです。
最近になって英国のスポーツカーブランドであるロータスから「エキシージSロードスター」という2シーターのオープンスポーツが、本体価格1000万円以下という価格で登場しました。パワーユニットはもうロータスではおなじみになったトヨタ製V6スーパーチャージャー(350ps)を使っていて、しかも1200kgを楽に下回る超軽量ボディですから、これだけ見てもスポーツカーとしてのピュア度はなかなかのものです。ライバル車としてポルシェ・ボクスターの新グレード「GTS」やジャガーFタイプのV6スーパーチャージャーが頭に浮かびますが、これだけのリアルスポーツを押し退けてしまう正統スポーツカー設計ですから、少なくとも期待を裏切らないはずです。
ロータスにはエリーゼというもっと手軽なオープンモデルもあります。元々はトヨタのセリカ用1.8L(190ps)を積んだロードスター版がエリーゼで、そのハードトップ版がエキシージだったようですが、2010年ヤマハがチューンしたエンジンの供給が終わると、この2つのモデルは方向性を分けて、トヨタの別々のエンジンを積むようになりました。現行ではエリーゼが1.6L(NA)、エリーゼSが1.8L(SC)、エキシージSが3.5L(SC)となっていて、エリーゼはマツダ・ロードスター、エキシージはポルシェ911の切り開いているマーケットに接近しているのが分ります。「ロードスターと911以外は亜流」とその著作で言い切ったライターがいましたが、ロータスのマーケティングはその言葉を見事に裏付けています。
ロードスターと911ですからもちろん価格帯も大きく違うので、エリーゼとエキシージは今では価格差が大きく開いています。その中でエキシージのオープン版が出たのは、少なからずジャガーFタイプの商業的な成功がきっかけだったようです。日本価格では軽く1500万円を超えてしまう911カブリオレに対して、本体価格で1000万円を下回るFタイプとエキシージSロードスターは、かなり割安に感じます(あくまでスポーツカーに取り憑かれた人の感覚ですが・・・)。あとは日本でもアメリカでも「ポルシェの独裁」に対する倦怠感みたいなものも燻っています。新しく設計されたスポーツカーへの渇望はジャガーFタイプの販売を後押ししています(特にアメリカで)。
今後はホンダもこのマーケットを狙ってNSXの価格設定をしているようで、「フェラーリの性能でポルシェの価格」といった文言がホンダの幹部からも出ているとか・・・。マツダもロードスターとは別の価格帯(600万円前後?)で2017年に新型RX7の投入を予定しているらしいです。そして同年にはトヨタとBMWのコラボによる新型スープラ/Z4も発売を予定しています。これに既存勢力である日産GT-Rとシボレー・コルベットを加えた、600~1200万円(日本価格)、そして300~600psくらいのリアルスポーツによる、まさに過当競争に突入していく様相を呈しています。他にもフォード(マスタング)やフィアット=クライスラー(アルファロメオ、ダッジ・バイパー)も、すぐにこの競争に参加できる能力を持っています。
ロータスは現在はマレーシアのプロトンの傘下にあって、今後は経営効率を優先するためにライトウエイトスポーツの開発を凍結し、高級SUVなどの売れ筋を目指すといった予測もでてました。しかし現状では世界中のセレブがわざわざマレーシアメーカー傘下のSUVを積極的に選ぶとも思えないのですし、アメリカ市場を見ていてもランドローバーやジープといった伝統のブランドこそ伸びていますが、BMWやポルシェのSUVはそれほど歓迎されていません。やはりロータスは、発表と同時に著名人がこぞって予約を入れたという「エヴォーラ」のような個性的なクルマを作っていたほうが賢明じゃないかと思います。
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