2013年7月11日木曜日

レクサスIS 「レクサスがユーザー目線に徹した傑作車」

  先日あるSAでレクサス愛好者の集会を見かけました。クルマ自体は都内を走っていれば何台も見かけるので珍しくはないですが、どんな人々がレクサスの熱烈な支持者なのかが少しわかった気がしました。これまでのイメージとはちょっと違ってレクサスの「オフ会」も、SAの駐車場で群れをなして談笑しながら行われるようです。他の利用者からするとちょっと迷惑を目くじらを立てられそうですが、私のようなクルマ好きから見れば、混雑してない時間帯なら問題ないとは思います。

  車種はほとんどがLSかGSで普通のIS(初代)では参加できないような「敷居の高さ」を部外者ながら感じてしまいました。それでも数十台並ぶLSやGSのオーナー達を見てみると、極めてラフな出で立ちで服装にはそれほどこだわりはないようです。正直言って自分の恰好の方がレクサスオーナーにふさわしいなと思うくらいでした。そんな彼ら(平均年齢50歳くらいか?)はスポーツカーに乗る感覚でレクサスの大型セダンを愛用しているようでした。

  LSや2代目GSのクルマとしての実力は疑いないのですが、果たしてプライベートカーとしてそのサイズを持て余すことなく使えるのか?という気もします。大きなクルマをデコって見て楽しむ、いわゆる「VIPカー」趣味ならいいとは思いますが、クルマでしか行けないような秘境を目指すなら、山岳路が溢れる日本の地形を走るのに、この都市型セダンはどれだけ快適だと言うのでしょうか。

  従来のLSやGSは「車格」がやたらと強調されていて、ユーザーではなくライバル車にばかり目を向けたクルマになっています。先代のISもブランドのエントリーモデルであることを意識し過ぎて「狭いだけ」のクルマになっていました。失礼ですが、スポーツカーとしてもセダンとしても中途半端な存在だったと思います。今考えるとセダンの「地味さ」とスポーツカーの「悪燃費」を兼ね備えた酷いクルマをレクサスブランドの「魔力」だけで売りさばいていたクルマです(MBもBMWも同じようなものですが・・・)。今やスポーツカーの復権とCセグへの移行が進み、そんなクルマ作りではいよいよ通用しなくなってきました。先代ISも3シリーズ、Cクラスも世界中で在庫がダブつき始めています。

  新型ISは徹底的なモデルの強化が図られていて、先代から大きく進歩していますが、このクルマはレクサスにとっても大きな転機を意味しているようです。全世界的な個人主義の風潮からプレミアムブランドにとって「車格」ではなく「コンセプト」でいかに他車を上回るかが重要になってきていると思います。新型ISの拡げられた全長や、「地味さ」から脱皮してLSやGSにはない華やかさを持つデザインはまさに「ユーザー目線」のクルマ作りへの転換だなと感じます。

  このISを買った人は新型ISの「コンセプト」に惹かれただけであり、今後GSやLSに乗り換える割合はかなり低いと思います。トヨタは3年以内にこのISの乗り換え用のさらなる「ユーザー目線」のコンセプトを備えたスペシャリティカーを用意してくるはずです。それが噂されているソアラやスープラの後継車だという予想がつきます。ただそれだけでなくトヨタは近々MCでSAIのデザインを一新するなど、高級路線のクルマに関してはかなりのテコ入れを図ってくるようです。マークXの後継なども恐らく相当にデザインにこだわったクルマに生まれ変わるのではないかという気がします。もちろんとても歓迎すべきことではありますが・・・。



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