2014年1月21日火曜日

メルセデスSLK 「ある意味で理性的な選択・・・」

  雪でチェーン規制の箱根にわざわざ行ってきました。あの急勾配が続く道を悪天候でもどのくらい走破できるか試してやろうと意気込んでたのですが、特に問題なく登って降りてこれました・・・。現地はというと、私のような雪が好きなマツダ乗りが集結していて、トヨタ車よりも目立つくらい。とはいってもドライブスポットはどこもマツダが多くてプリウスが(比較的)少ないですが・・・。

  さすがにFR車でやってくる無謀な人は少ないかと思いきや、86乗りの行動力を侮ってはいけません。奥さん同伴で雪のターンパイクを登る86が・・・。せっかくスポーツカー買ったのだからドラテクの「修行」に余念がない様子です。東京近郊ではスタッドレス装着率が確実に5割以下なので、雪に出掛けると道路が空いていて快適です。

  世の中には物好きな人がいて、86以外にもFRで雪の箱根に乗り込むクルマがありました。予想外に人気なのがメルセデスSLK。去年ひそかに日本でMTモデルが登場して話題になりました。これでドライブ好きな男性にもかなり買いやすくなったクルマです。本国ドイツではほぼ全ての車種にMTが設定されているのですが、バブル期も日本には全く輸入されなかったようです。

  しかしカーエンスーのこだわりの一つがMTだという揺るがない事実が、スイ=
スポ、86、アテンザのMT人気で実証されるやメルセデスもすぐに動きました。この決断にはなかなか唸らされました。今思うと現在の日本におけるメルセデス復調の予兆はここにあったのかなという気がします。MTのSLKがどれほど売れたのかは分かりませんが、箱根で見かけた2台はいずれも現行モデルでドライバーは身なりのしっかりした高齢の男性でした。

  このSLKもMTが無かった頃は、BMW Z4と同じでバブル世代のオバさん御用達のクルマでしかなく、クルマ好きの男性からは完全に無視されていました。どちらもマツダ・ロードスターのコンセプトをコピーしつつもあまりの車重で、ロードスターとは全く別のクルマになっています。それはそれで構わないのですが、肝心の乗り味はそれぞれベース車のCクラスと3シリーズに近く、スポーツカーにカテゴライズするのが憚られるちょっと悲しい存在です。スカイラインベースのフェアレディZのような独特の表情もなく、まあ褒められないものでした。

  しかし気がつけばCクラスも3シリーズも直4ターボが喧しいモデルばかりになり、高級車然とした6気筒モデルは800万円〜というシビアな価格設定となり、SLKもZ4もやや立ち位置が変わって来ました。8気筒載せるレイアウトのFRのセダンに直4ターボ載せて走るのはあまりにもかっこ悪いですし、800万円出して6気筒モデル買え!というメルセデスやBMWの作戦に乗るのも・・・。

  だったら500万円代で買えるSLK200をMTで乗ったほうが筋が通っている。これでも車重1430kg!なのでV6はとても重すぎてダメ。MTを駆使して直4ターボでも美味しいところを使えばいいじゃん。でも残念ながら最近の欧州ターボはNAエンジンよりも高回転域ではすぐにパワーが落ちてしまうのだが・・・。

2014年1月14日火曜日

レクサスLS 「カッコイイけど、どう乗りこなすか」

  やはり日本車が好きならばコレに乗れるように努力すべきなのかな。メルセデスやポルシェよりも確実にカー・セレブ達を魅了する存在というのは確かなようです。著名なモータージャーナリストやレーサー達がどの車を選ぶかのプレッシャーは、とても一般人には伺い知れないところがあります。超一流ともなればマセラティやジャガーですら「中身のないクルマ」と揶揄されてしまうそうなので、とりあえずSクラス、LS、ベントレーから選んで体裁を取り繕うなんて・・・窮屈なカーライフですね。

  ジャーナリストやレーサーなんて1000万円稼げれば御の字ですから、新古車が700万円で手に入るLSは有り難い存在です。しかも同じ700万円の新古車Sクラスだと直4ターボという「公開処刑モード」のグレードしか買えませんが、LSならば全車V8なのも嬉しいですね。このクラスのクルマが700万円で手に入るならば、リッター5キロの燃費なんて全然気になりません。トータルコストを考えれば・・・。

  新型Sクラスの登場を受けていよいよLSもFMCを迎えるようですが、最近のレクサスは派手にフロントデザインを変えるのでこれがちょっと気になります。それでも初期モデルのようなセルシオとあまり変わらない顔から、大規模なフェイスリフトを行い、従来のトヨタ車デザインと決別を果たして、いよいよLSの人気も本物になってきたようです。

  私のような三流の人間は、誰の目を気にすることなく気楽に好きなクルマに乗れるという「特権」を持っているわけで、フィアット500でもBMW3でもスズキハスラーでも何でもいいはずなのですが、それでもLSに乗ってみたいなと思ってしまいます。超一流のモータージャーナリストはLSくらいしか選びようがないわけですが、三流の私にはLSに乗る「特別な理由」を考えないと逆におかしなことになってしまいます。

  理由その1。法人を創設して、税金対策であることを必死でアピールする。LSオーナーの一番の理由がこれでしょう。しかし毎日せっせと都内をこれに乗って駆け巡るなんて・・・人生の浪費ですね。何の為のLS?それはもちろんクルマで過ごす時間を少しでも意義深いものにする為です。景色のキレイな楽しい道を空いている時間に走らないと・・・。

  理由その2。映画「トランスポーター」の主人公みたいなキャラクターに成りきっているコスプレごっこだと周囲に認識させる。タイトなドレスジャケットに身を固めて、一流ホテルに乗り付けて、風のようにロビーを颯爽と抜け、イメージを大事にしてそうなレストランの一番目立つ場所にすんなり通されるように立ち振る舞いを洗練させる。彼女も楽しんでくれるなら・・・。コスプレのためのLS。

  理由その3。親孝行を生き甲斐としているようなキャラを演じる。実家の家族を全員乗せて買い物や食事に出掛ける。端から見ていて理想的な親子関係だということを見せつける。実家の母にストーブを買ってあげるため量販店に連れて行き、好きなものを選ばせる。「配送になさいますか?」「いや大丈夫です」・・・。ちゃんと載せられるか心配の家族と店員を正面玄関に待機させて、駐車場から颯爽とLSを回送してくる。衆人環視の中大容量トランクにデカい箱のストーブを店員と一緒に積み込む。母親を後部座席に乗せ甲斐甲斐しくドアを閉めてあげる。店員に感謝の意を述べる。そしてエクストラ静かなエンジン音を残して店を後にする。ここまで完璧にできればLSでも嫌みじゃない。

 

2013年12月10日火曜日

マセラティ・クワトロポルテ 「立派過ぎる先代は重い十字架だ」

  新型Sクラス(W222)の評判がすこぶる良いようです。よっぽどの欠陥車じゃ無い限り1000万円クラスのクルマに評判が良いも悪いもないと思いますが、この「不自然な賛辞」が自然と巻き起こる背景には、先代(W221)モデルを初めとした既存モデルへの様々な不満が潜在的にあったのだと思います。W221は2005年のデビュー当時には高級志向のラグジュアリーカーとしての性格をさらに強めたモデルだったのですが、さすがに登場から8年経過していてさらにクラスの顔といえる存在感から、後発のライバル車に徹底的にマークされれば、見劣りしてしまう点も多くなってしまいます。

  しかし実質的にW221に対する不満を募らせた張本人と言えるライバル車はほぼ同時期に登場したレクサスLSと、W221よりも前の2004年に復活した5代目クワトロポルテであり、2009年頃に相次いで登場した現行のBMW7、アウディA8、ポルシェパナメーラはW221の足元にも及ばない残念な高級車でしかなく、発表当初の印象も薄れた現在ではほぼ存在感は無い(買う理由がない)クルマです。つまりW221は先に発売したクワトロポルテに結果的に完敗したと言っていいでしょう。

  性能でラテン車を蹴散らしたゲルマン車ですが、このクラスのクルマ作りとなると逆に全く歯が立たなくなるのは、W221と5代目クワトロポルテの関係を見ればよく分かります。もっともマセラティ>メルセデスかというとそうでもなく、2000年代のマセラティの成功はデザイン面で大きく協力したピニンファリーナの力によるところが大きいです。5代目クワトロポルテとそのクーペ版にあたるグラントゥーリズモの2台の内外装のデザインは、歴代のマセラティ車の中でもずば抜けていて全く異次元の出来です。まあ年配の評論家は昔のマセラティを神格化して語る向きもあるようですが・・・。

  他力本願のマセラティに対して、メルセデスは表面的には自力で新たなる高級車のブランドイメージを再構築し、新型Sクラス(W222)として結実させました。メルセデス独自の「宇宙船コクピット」モチーフと、偉大なるライバル・クワトロポルテをリスペクトしたかのような「色気」のある色彩豊かな内装へと変貌を遂げ、W221に対する積年の不満へ誠実に対応していて、この点を評論家の皆様が大絶賛しているようです。もちろん同じようにマセラティの色彩にインスパイアされたレクサスLSや日産GT-Rなども同様の進化を遂げています。

  世界の最高級サルーンには大きく分けて3グループが存在し、英国伝統デザインを受け継いだロールス、ベントレー、ジャガーのグループと、マセラティクワトロポルテのフォロアーに属するSクラス、LS、GT-R(ちょっと毛色が違うクルマだが)。そしてそのどちらにも属さないやや質素なオリジナル・ゲルマン・サルーンのアウディA8、BMW7、パナメーラに分けられると言えます。惜しくも生産が終了した5代目クワトロポルテは、孤高の存在であった英国サルーンへ対抗する最高級車の1つのスタイルを確立したと後世に伝えられる名車になっていくと思います。

  そして今年から発売が始まった6代目クワトロポルテですが・・・ほぼ先代からのキープコンセプトの域を出ていないです。まさかのSクラスがパクリ・コンセプトでなり振り構わず猛追してくるとは思っても見なかったのでしょうか。日本でもこれまでの遺産を受け継いだ独自の立ち位置によってSクラスやレクサスLSとシェアを分け合う事が予想されますが、何度見ても先代の方がカッコいいと思うのは私だけではないはずです。これで顔がそっくりのEセグセダンのギブリが日本にも投入されたら、いよいよ微妙な立場に追い込まれてしまいそうな気もします。せめてジャガーXJのような後ろから一目で分かるような特徴のあるリアを備えてほしかったですね・・・。


2013年12月5日木曜日

アルファロメオ・4C 「チャレンジ精神は報われるはず」

  RX-7、NSX、S2000、ケイマン・・・たとえ実用性が限りなくゼロに近くても、今なお世界中のファンから「人類の遺産」というほどの熱い支持を受けています。それもスポーツカーに偏向したマニアだけでなく一般の人々からも好意的な視線が送られているのを感じます。なんだかんだ文句を言うこともありますが、クルマ好きというのは全般に心が広くて、博愛の精神を持ち合わせています。

  そんな事実がどれほどアルファロメオに勇気を与えたかは分かりませんが、来年にも発売されると言われる「アルファ4C」は、歴史を作ってきた幾多のエクストリームなスポーツカーの系譜に、大きな足跡を残すであろう大胆な設計の「新しい」スポーツカーとして完成しました。

  カーボン・ファイバー・レインフォースド・プラスティック(CFRP)製のモノコック構造のボディはこのクルマのオリジナルではないですが、3000万円超のスーパーカーでしか主な採用例がなく、1000万円を切る価格帯のクルマにはあまりにもコストに大きく跳ね返る(実際はそこまでではないようだが・・・)ので、それだけでも革命的な出来事です。もちろん外板だけなら100万円台の軽自動車でもカーボン使えるようですが、モノコック構造となるとやはり勝手が違うはずです。

  鉄鋼メーカーに多くを依存しきっている日本メーカーにはなかなか出来ない芸当ですね。横浜に本拠がある日産などは土地柄もあって鉄鋼メーカーとは完全にズブズブで、世界を驚かせたGT-Rも最初から鉄板ありきの設計でした(というよりGT-Rは鉄鋼メーカーが設計したといっても過言ではないくらいだとか・・・)。プライベートジェットを作るなど、航空機産業にも片足を突っ込んでいるホンダならばカーボン・モノコックは割と身近な技術なはずですが・・・。

  フルカーボンにミッドシップ!とまあ新設計なんで斬新な方向に突き進みます。FRにしたら軽量化が台無しですから当然といえば当然です。ボディと設計にここまでこだわることができるのは、エンジンを新たに新調しなくて良いというアルファロメオの事情があります。まだまだその良さが世界に伝わっていないジュリエッタの最上級グレードに搭載されている1.75Lターボエンジンをチューンナップして流用しています。

  どっかの書物の書いてあったのが、アルファの4気筒エンジンは10年以上前から定評があり、ホンダの4気筒と並んでピストン速度が圧倒的に速く、ロングストロークエンジンでも規格外の高回転を実現する技術を競いあっていて、そんなアルファロメオが作った中型車向けの究極形がこの1.75Lエンジンで限界を超えるためにショートストロークへと回帰しています。これが手持ちのスポーツエンジンが無くなったマツダに供給されて次期ロードスターに載るのでは?と密かに期待しているのですが・・・。

  この4Cと同じようなコンセプトのクルマをつくるメーカーにロータスがあります。耐久性能に特化したトヨタ製エンジンを使うメーカーとして知られ、非力なエンジンでも軽量かつミッドシップで高い動力性能を得るというコンセプトですが、最近ではトヨタのヤマハ製造のエンジン(トヨタ版V-tecと呼ばれる可変バルタイの高効率エンジン)が供給されなくなりやや魅力が失われつつあります。そんなロータスに変わって、ホンダに匹敵(凌駕?)するアルファの傑作エンジンを搭載し、車重もさらに軽くなったライトウエイトスポーツの究極形となった「アルファ4C」には世界中から暖かい拍手が送られるはずです。

 

2013年12月3日火曜日

アウディS3セダン 「日本のカーエンスーが求めるイディア?」

  東京モーターショーに持って来たということは、いよいよ日本で売る気満々なようですね。完全に日本で「波」に乗り遅れているアウディは相当に焦っているようです。ゴルフの共通設計という"弱点"を持つので、どう間違っても大ヒットにはならないだろう新型A3の発売を一応しましたが、もはや日本市場はCセグハッチバックに食傷気味で、残りは全部アクセラが持っていってしまう予感です。

  次期TTも絶賛開発中ですが、アウディの次世代のテーマはズバリ「棺桶からバスタブへ」といったところで、日本車のお株を奪うくらいの徹底的な軽量化に邁進しているようです。ちなみにメルセデスもBMWもほぼラインナップ全てを軽量なモデルへと置き換えを進めています。このS3もアルミボンネットで軽量化されているようで、ベースグレードのA3は1.4LターボのFF車で車重わずかに1250kgで同じCセグセダンのトヨタプレミオ/アリオンと同水準まで軽くなっています!ドイツ車もいよいよトヨタのような乗り味になっていくのでしょうか・・・。

  それはさておき、S3は2LターボでフルタイムAWDですから、1500kg前後になってしまうのでしょう。とりあえず300psのAWDとなるとコーナーで激しくボディがよじれますから、耐久性という意味では、ある程度は車重があったほうが安心して乗り続けられるかもしれません。

  なによりこのクルマの最大の魅力は、日本のクルマファンが長年求めていた”オール・イン・ワン"のホットセダンの理想型にかなり接近していることです。1998年にトヨタがアルテッツァを発売した時にトヨタの"支持率"が急上昇しましたが、このS3にアルテッツァのようなドキドキ感を覚える人も少なくないはずです(価格はともかく・・・)。

  実際にはこのS3はアルテッツァやかつてのアコードやレガシィB4のような5ナンバーサイズではなく、BMW3に匹敵する1800mm幅なのですが、コンパクトなのにスタイリッシュに見せるデザインが、かつてのカローラやサニーを思い起こすようなノスタルジーを掻き立てます。それでいて性能は、日本国内ではとても使い尽くせない最高速250km/hを誇ります(だからどうした?)。とりあえずAWDでBMWやメルセデスのハイパワーFRよりも軽快に加速するだけでも魅力を感じます。ちなみに0-100km/hは直6ツインターボのアルピナB3と同等のタイムです。

  4500mmサイズの4ドアセダンにどれだけの実用性があるかとなると微妙なところですが、ゴルフなどのCセグハッチと同等で、BMW2のような2ドアよりは確実に上です。アクセラセダンみたいなものと考えれば、十分に高い実用性と言えますし、これに"ハイパワー"が加わり、さらに"ノスタルジー哀愁"を感じさせるデザインですから魅力十分だと思います。同じようなパッケージのクルマに「スバルWRX」がありますが、プレミアムブランドの内装が付いてくればなかなかいい勝負になるんじゃないでしょうか?



  

2013年11月29日金曜日

ホンダ新型NSX 「写真写りがちょっと悪いのかも・・・」

  カラーリングによってイメージが大きく変わるのかもしれないですが、青白く見えるくらいに透明感のある白に塗装された新型NSXコンセプトは、写真で見る印象とは全く違った好デザインのクルマでした。アクの強いフロントマスクと大型化したボディのイメージを強く感じていたので、今でも中古車が高値で取引される初代NSXの”再現”とはいかないだろうと勝手に思っていましたが、そんな印象は一目見ただけで吹き飛びました・・・これ欲しいです!

  大型化したはずのボディサイズですが、実車のデザインを全体の印象から見るとGT-Rやコルベットのように大きく見せる作りではなく、むしろ”繊細”という形容がハマるような造形をしています。確かに新しいデザインなのですが、非常にまとまりがあって新しいものに不必要に感じてしまいがちな違和感が予想以上に「ない」です。なんかコンサバなデザインを見ているような安心感だあるのです。それでも似ているクルマがかつてあったか?というと有名なところでは何一つ思いつかないのですが・・・。

  SH-AWDというホンダの次世代ハイブリッドの高級スポーツ向けのものが使われることが、1年以上前からアナウンスされています。この1年でライバルメーカーも次々と新しいシステムを開発するようになり、AWDハイブリッドももはやトヨタとホンダの2大HV先進メーカーだけのものじゃなくなりました。まもなく日本でもリリースされる新型スカイラインはHVのAWDと新しいハンドリングシステムをセットにしてホンダよりも先に発売することになりました。日産はクリーンディーゼルもマツダより早く国内投入するなど、技術面に関しては闘争心を剥き出しにするようです。SH-AWDで来年発売されるレジェンドを狙い撃ちにしたようです。

  日産だけでなくVWグループのアウディとポルシェも豊富な開発資金を背景に、高級スポーツにPHVを組み込んだモデルを用意していています。発売時期もちょうどNSXの前後に重なりそうですが、これに関しては同時期発売はホンダとしては望むところでしょうか。それにしても新型NSX開発のアナウンスこそ積極的に行っていますが、発売時期はどんどん後ろにずれ込んでいくので、ホンダのやり方はどうも発売までがじれったいですね・・・。

  

2013年11月26日火曜日

ジャガー・Fタイプクーペ 「2シーターFRクーペという個性」

  ジャガーの新型スポーツ「Fスポーツ」にハードトップを配したクーペが登場しました。ジャガーというブランドも世間ではずいぶんとナメられているようで、確かに高級車ブランドとしては存続が危ぶまれるような一面もあるせいか「斜陽」なイメージがあるようです。それでもこのメーカーは必死になって今もそのラインナップに「魂」を込め続けていると感じている人も少なくないようです。私もジャガーに頑張ってもらいたいと思っている一人です。

  2シーターのFRクーペしかも価格が1000万円オーバーとなると、もはや小市民の乗るクルマではなく、ゴルゴ13のようなスペシャル・エージェントが愛用するマシンかもしれません。しかし情報化が進んだ現代は、スペシャル・エージェントの時代と言ってよいかもしれません。パソコンなどの情報機器さえあれば、過疎地域に住んでいてもビジネスが出来てしまいます。テレビも新聞も百貨店も書店も”ネット"という悪魔に飲み込まれていくのは時間の問題ですし、すべてのBtoCビジネスはネット広告に牛耳られていくはずです。そして組織に属しないで好きな仕事をする人もどんどん増えていくでしょう。

  組織に属しない自由な空気を吸っている人間の特典は、「好きなヤツだけと付き合っていけばいい」「好きなところに住んでいい」「好きなときに休んでいい」「好きなクルマに乗っていい」・・・・、まあなんでも「好きにしろ」ってことです。余計なことをダラダラ書きましたが、このジャガーFタイプというクルマが新たに世界に現れた理由をあれこれ考えると、日本にもアメリカにもドイツにも"ゴルゴ13"が今後増えていくだろうという「見通し」こそが答えなんじゃないかと思うのです。

  別に1000万円以上する高級車じゃなくて、ジムニーでも別にいいとは思うのですが、高級車にはそれなりの「意味」があります。組織に属しない人間にとっての必須アイテムは高級時計なんだそうです。とくに中国や台湾に行って仕事をするならば、100万円くらいの時計をしていかないとまとまる話もなかなかまとまらないのだとか、いつかの「私の履歴書」にそんなことが書いてありました。つまり一匹狼のエージェントがジャガーFタイプでクライアントの元を訪れれば、「コイツなら信頼できそうだ」となるわけです。そのための1200万円ならお手軽な投資と言えるかもしれません。少なくともセルシオに乗っている人間よりは間違いなく信頼されるはずです。

  レクサスLSの現行モデルよりもずっと「自由な空気」を持ったビジネスカーこそが「Fタイプ」の本質なのでは? 2シーターのFRクーペは「アングロサクソン」のクルマです。ジャガーもそうですが、アストンマーティン、シボレーコルベット・・・英米メーカーが本場です。20世紀のアングロサクソンの成功の象徴と言ってもいいかもしれません。そんなクルマで日本人が調子に乗っていると笑い者なのかもしれませんが、ここまでアメリカナイズされた日本社会でマツダだ!スバルだ!言ってても虚しいだけじゃないですか? 経済そのものが「アングロサクソン」のルールで動いているのだから、フェラーリなんかじゃなくDB9こそがビジネスの流儀!と言い切ってしまっていいでしょう・・・。

  さんざん偉そうなことを書いてきましたが、もちろん毎月のように数千万単位の仕事が舞い込む「敏腕」のみに許される生活です。まだまだ日本にはそういう文化は早いかもしれませんが、TPPが結ばれれば日本も晴れて「アングロサクソン」のルールに支配されるわけです。東京MSでジャガーFタイプクーペをぼんやりと見つめながら、ドイツ車やレクサスなんかじゃなく、このクルマに乗ったヤツが勝者なんだなと感じた次第です。私のようなボンクラでもなんだか心の奥に闘志がひしひしと湧いてくる想いでした・・・。