2013年2月20日水曜日

マツダRX-8は継承されるのか?

  2012年に惜しまれつつ生産中止になった2代目アテンザじゃなくてRX-8は、ロータリーエンジン搭載のスポーツカーというだけでなく、「マツダ版4ドアクーペ」というべきオリジナリティ溢れるボディで人気を呼んだ。先代のRX-7が世界にその名を轟かす名車であったためその熱狂的なファンはRX-8を「ファミリーカー」と揶揄したが、このクルマはRX-7とはまた違うタイプの名車と言える。

  4シーターで実用性が高いボディにロータリーエンジンを組み込み、究極のコーナーリングマシンと評された運動性能がパッケージされて300万円以下に押さえられた本体価格は若者にも十分手が届く設定でした。こういうクルマがあることが、多くの若者にとって目標を持って仕事に打ち込むことができる「夢のある社会」なんじゃないかなと思います。このクルマが発売された頃が大学を卒業するちょっと前の時期で、これに乗りたいから仕事を頑張ろうと思いましたね・・・。

  4ドアクーペといえば、メルセデスCLS(2005年発売)がよく知られていますが、それよりも早くクーペを4ドアにするコンセプトはこのRX-8(2003年)で実現している。この特殊なボディの誕生秘話は当時、経営統合を行っていたフォードとマツダの理念の衝突から起こったと言われている(フォードが4ドアを主張して譲らなかったため)。フォードとマツダの関係は決して建設的なものではなかったといわれているが、今のマツダを支える主力モデルはほとんどフォードの子会社時代に完成しており、少なくともマツダのクルマ作りにはいい影響を与えていると思う(さらにマツダのヨーロッパ拡販もフォードの力が大きい)。

  このRX-8式の「4ドアクーペスタイル」は、スポーツ性能を重視する他の軽量スポーツが実質2シーターの空間しか確保できないのに対して、フォードの指示とはいえ4シーターを実現したことにとても意味があったと思う。Cセグのセダンと比べると、後席は確かに狭い(FRなので)が、独立したシートになっていて、Cセグの後席によくみられるベンチシートよりも高級感があり優れている点もある。

  マツダはこの4ドアクーペのスタイルを今後もぜひ残してほしいと思う。後継のスポーツカーは再び2ドアになるかもしれないが、たとえばCセグのアクセラのスペシャルモデルとして、4ドアクーペスタイル(しかも4WDのターボ)を導入してほしい。あの観音開きのドアには、なんともいえない魅力がある。

  

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