2013年4月3日水曜日

アテンザの「社会的機能性」

  新型クラウンはあちこちのトヨタの店頭に並んでいてよく見かけます。しかし販売好調にも関わらず、近所(東京西部)で走っている新型クラウンはかなり少ない印象があります。販売台数では新型アテンザを圧倒していますが、この辺でよく見るのはアテンザの方が圧倒的に多いです。新型クラウンはなぜ東京では人気がないのでしょうか。

  あくまで個人的な感想ですが、新型クラウンのデザインは都市部ではかなり「鼻に付く」印象があります。新型クラウンは今までのクラウンとは一線を画した、どこか押しつけがましい高級感を感じるのです。先代までのクラウンアスリートはスポーツセダンとしての洗練されたデザインを持っていましたが、新型ではアスリートはロイヤルの豪華版といった趣になっていて、本来のアスリートが持っていた独特の格好良さが消えて、やたらとゴテゴテした印象です。

  ちょっと乱暴ですが、新型クラウンを選ぶということは、隣人のことなど無関心な都会で、道行く他人に「私は会社の重役です」や「私は地方議員です」などと無理矢理教えて廻っているようなものなんじゃないかと思います。もはやそういうクルマは都会の風景に合わなくなっている感があります。このクラウンと対極にあるクルマが「アテンザ」ではなく「プリウス」です。プリウスに乗っている人間はちょっと見ただけでは何者かまったく判断できません。億万長者が乗っていても不思議でないクルマです。プリウスの大ヒットの裏には「世を忍ぶ」多くの人々にとってとても都合がいいクルマだったという理由があったと思います。

  そのプリウスが担ってきた役割を今やアクアが引き継いでいると思います。人気絶頂で中古車もまだまだ高いアクアに今、乗っている人はかなりの確率でお金に余裕がある人だと言えます。そういう時代にクラウンの存在はどこか浮いてしまいます。あくまで推測ですが、東京で走っていない新型クラウンは地方都市で主に売れているのではないかと思います。初期販売の大半がもしかしたら、愛知・静岡・三重の3県に集中しているのかもしれません。とにかく東京では積極的に買う理由があるクルマではないような気がします。

  現在のトヨタのラインナップでは、クラウンとアクアの中間を埋めるモデルの魅力が乏しいように感じます。マークXやカムリHVは価格を考えると、とても良いクルマですが、クラウンを押しのけて行くような商品力はないように思います。またオーリスは端から見てアクアと比べて優位性が分かりづらいものになっています。日本最強の販売力のトヨタのラインナップの「空白」を上手く吸収しているのが、「新型アテンザ」ではないでしょうか。プリウスのようなクラスレスな匿名性とクラウンのような高品質感の両方を備えていて、トヨタの二極化(クラウンかアクアか)する商品力の真ん中を見事に突破して、多くの日本人の心を捉えたクルマになっていると思います。(次回に続く⇒その2)

↓新型アテンザはある意味でプリウスの進化型なのかもしれません。

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