2013年5月10日金曜日

ジャガーXK 「1000万円超のお買い得 ”純正スポーツ”」

  欧州の「純正」スポーツカーの新車日本価格は当たり前に1000万円を超えるものばかりで、ポルシェのボクスターが一番低価格の部類になるほど高額だ。そもそも「純正」スポーツカーを日本の公道を走らせるためだけに買うという「発想」はいくらクルマ好きでもなかなか出来ないし、たぶん欧州でも状況は同じだと思う。それでも日産が1000万円以下でGT-Rを発売するようになってから、いわゆる高出力の「スーパースポーツ」も一部の人気ブランドを除き「中古車市場」ではかなりの値崩れを起こしてきている(新車価格はまだまだ強気だが・・・)。

  ジャガーXKはV8エンジンをフロントに積んだ、まぎれもない「スーパースポーツ」だが、同様のパッケージングのアストンマーティン「V8ヴァンテージ」に比べて、中古車価格はかなり下がり気味だ。5年落ち1万キロ走行(!)のものを探すと、XKが400万円でヴァンテージが750万円だ。今まで新車で1500万円以上するスポーツカーは無意識のうちに購入対象から外れていたが、少なくとも「XK」に関してはかなり現実的な価格な気がする。しかもこのXKは現行モデルだ。いくら維持費が多くかかるとはいえ、5LのV8搭載で4シーターのスポーツカーがメルセデスSLKとほぼ同じ中古車価格になっている。

  スポーツカーを実用車とするにはなかなか「弊害」が多いのだが、パッケージを考えた時に、「英国スポーツカー」はなかなか魅力があるように思う。日産がGT-Rを開発した時にこだわったのが「安全で実用性がある」という点で、その結果採用されたのがフロントシップエンジン&4シーターだ(スカG後継なのだから当然ではあるが・・・)。このフォーマットはドイツやイタリアのスポーツカーにはなかなか見られないが、イギリスのスポーツカー(アストンマーティンとジャガー)では基本となっているスタイルだ。実際に日本でGT-Rを所有している多くの人が家族と一緒に乗れる(自分だけが楽しむものではない)という発想があるように思う。同じ島国のイギリスでも同様の「考え」があるのかもしれない。

  とりあえず「完全4シーター」というのは、純正スポーツを検討するにあたって、背中を押される「必須」の設定だと思う。ただここで見落としがちなのが、このスポーツカーの1台体制で「健全」なカーライフが送れるのか?という点だ。人それぞれ意見は分かれるだろうが、例えば仕事の後に帰宅して夜に近所のスーパーに買い物に行き、その辺を一回りしてくるような「習慣」がある人なら、夜の11時に5Lエンジンを点火する時に毎回気まずい思いをするかもしれない。さらに夜中に必要なものが出て来て「ドンキホーテ」に行くのに「スーパースポーツ」で出かけていくのは不粋だ・・・。結論としては「スーパースポーツ」は2台体制が大前提な気がする(少なくとも自分は)。とりあえずは頑張って稼ぐしかないようだ・・・。


↓先日ひっそりと2013年版が出てました。ドイツの「ワールドオートガイド」よりも、日本のこちらの方が見やすい気がします。

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