2013年4月14日日曜日

新型スカイライン(V37)は新世代セダンを撃てるのか?

  V35以降のスカイラインは北米市場をターゲットにした「新型車」ということもあり、日本での競争力(存在感)はかなり低くなってきているように思います。日本市場も視野に入れていて、車幅を抑えつつ、わざわざ2.5L車を用意してはいますが、マークXやレガシィ、アテンザよりも高額な設定が災いしてか販売台数は低迷中です(モデル末期でもありますが)。

  おそらく購入を考える人々の多くはスカイラインの「価値」を理解してはいるのでしょうが、ライバルと比較しても車重があるので廉価グレードの2.5Lでは「非力」と受け取られてしまう節もあるようです。さらに同価格帯にラグジュアリー感を重視したEセグメントの「フーガ」が設定されていて、さらに同じエンジンでより軽量な「フェアレディZ」も用意されていて、中間に挟まれた格好のスカイラインは相対的に強調するポイントがわかりずらいクルマになっている気がします。やっかいなのがエンジンが3車で共通なので、誰の眼にもフェアレディZがスカイラインより速いことは明らかですし、フーガでも十分に速いので、フーガより居住性の劣るスカイラインの立場は厳しいものがあります。日産も素っ気ないもので、フーガに設定されているHVを投入することもなく、逆によりスポーツ走行寄りのスカイラインを望む人には、「R35GT-R」を買えば?といった対応に感じます。


  それでも今回のFMCでは、さすがにテコ入れを図って来るようですが、ちょっと疑問に思うところもあります。フーガに投入されている3.5L+HVのシステムが使われるようですが、クラウンではすでに廃止された「大排気量のハイブリッド」には販売面では大きく期待できないような気がします(クラウンに3.5L+HVを諦めさせたのは、フーガHVに「加速」と「燃費」で敵わないからという噂もありますが・・・)。ライバルのクラウンやレクサスISのHVに比べて「燃費」が悪く、さらに価格も100万円以上高額の設定になるので、スペックだけを見たらかなり苦戦しそうです。

  それでも「スカイライン」は日本が誇るクオリティカーです。日産がプライドを持ってこのクルマを高性能化させる方向で結論しているのならば、「フォード・マスタング」のような位置づけの日本版マッスルカーとして孤高の地位を築いていくことで、また多くの人に愛されるクルマになるような気がします。新たに採用するHVにしてもトヨタに追従することもなく、なんだか日本車のトレンドに逆行して「我が道を行く」の感があります。しかしそれを堂々と折れることなく続けていくのが、本来の「クオリティカー」の売り方かもしれません。

  そんな「スカイライン」も今年のFMCに続き、来年には新たな種類のパワーユニットとしてメルセデスの2Lターボエンジンを搭載するモデルが登場すると言われています。これまた「半周遅れ」くらいでの「ダウンサイジングターボ」の採用です。BMWなどはすでにディーゼルが日本での販売の主流になっていて、当然ですが2Lターボモデルはその分評価されていないという状況です。そのBMWにおいては「最先端ではない」2Lターボを「期待の新ユニット」として投入してくるということは、スカイラインがそれだけの「看板」を背負ったスペシャルモデルだからだと思います。

  スカイラインほどのクルマならもはやエンジンが何であろうとあまり関係ないのかもしれません(パワーは必須ですが・・・)。もしなにも実績のない新型モデルだったならば、トヨタやBMWの先を行く「低燃費」でお得感が漂う最先端のエンジンにこだわるはずです。北米での圧倒的な実績も背景にはあるでしょうが、ライバルよりも敢えて「悪い燃費」で登場するところに他の日本車にはない強烈な魅力を感じます。あとは全体的なスタイリングをどうまとめて「カッコいい」クルマにしてくるかが評価の分かれ目になると思います。


  ↓スカイラインはエンジンスペックは遅れているかもしれないが、ミドルサイズセダンで楽しくドライブさせるハイテクな「メカチューンユニット」がまた新たに載っかるのだとか・・・
   

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