レクサスISもメルセデスCLAも、あくまで「ちょっとオシャレな実用車」なので、雑誌のデザイン評などどうでもいいと頭では解っているのですが・・・。どちらもブランド内の最量販車なのだから、特筆に値するデザインなど望むべくもないです。それでも7月26日発売の自動車各誌を一通り読んでみて、ISとCLAについてまるで同じ執筆者が書いているかのような内容にとても違和感を感じました。クルマ雑誌の使命はどのクルマも均等に売れて販売のバランスがとれるようにプロパガンダ的な記事を注入することなんでしょうねおそらく・・・。
やや強引に不当な評価を押し付けられているクルマというのは、執筆者・編集者を完全に怒らせてしまうほどに全能感溢れる「極上車」である可能性が高いようです。あまりのレベルの高さに執筆者が理解不能というわけではなく、意識的か無意識かはわかりませんが、そういうクルマを前に欠点の一つでも見つけないとプロ意識が玉砕するのを感じるようです。
一方で素人目には同じように良さそうなクルマでも、執筆陣にやたらとちやほやされているクルマは、実際には「駄作」である可能性がとても高いです。全自動車の99%以上が乗っても眺めても特筆する点がないクルマでしかないわけですから、そういうクルマの長所を見つけることがプロの証明になるわけです。
これらのルーティンを経て、結果的に雑誌の編集者達は高い倫理感・使命感を持って世論を操縦し販売台数の極端な乖離を防ぐかのような仕事をすることになるようです。この方程式によるとこの1年の新型車で、「極上車」に当てはまるのはレクサスISのみです。一方で「駄作」に分類されるのがマツダアテンザ、ホンダアコードHV、メルセデスCLAということになるのでしょうか・・・。
今回レクサスISとメルセデスCLAは全てのメディアが取り上げている最重要車種となっています。価格・基本性能・デザインのどれをとっても「IS>>>>>CLA」であり、比較対象にも成り得ないのですが、各雑誌を読んだだけでは「CLA>IS」と解釈する初心者もたくさん現れそうな勢いです。もちろん専門誌ですから直接比較するような記事はないです。ニューモデルマガジンXのISデザイン評がとても辛辣でした・・・。自称独立デザイン事務所デザイナーという覆面ライターの語る「デザインのトレンド」とやらがなかなか見えてきません。ISの「煩雑なディティール」って・・・。モダンデザインは「レスイズモア」だからVWやアウディが至高って・・・。パサート借りてきて隣りに並べてみればいいじゃん。ドイツデザインが至高とか言ってるの日本人だけじゃ? 「ドイツ=欧州」ってなんて乱暴な定義なんでしょうか。
私のような素人目にもレクサスISは「フランスセダン」の影響下にあることはデトロイトショーの写真で解ったのですが・・・。アウディA6が欧州セダンの象徴となりドイツでアウディがBMWの販売台数を超えたのは事実ですが、そのインパクトが他のメーカーに影響を与えたかというと確認できるフォロワーはほとんどありません。アウディという「ドイツ」ブランドがその殻を破ってキャッチーなデザインのクルマを作ったことはニュースですし、確かにデザイン競争に火をつけました。しかし多くのフォロワーを生んだのは、ライバルだったプジョーのミドルセダン407です。打倒アウディを掲げたPSA(プジョー)とフォード(マツダ)から生まれたデザインがいまの主流なのは間違いありません。
プジョー407が目指したデザインを完成させたのが、マツダアテンザ(GH系、2代目)でした。この顔は日本以上に欧州で広く知られることとなり、その後旧フォード系ブランドのジャガーXFやボルボS60のフェイスリフトへとつながります。さらにGM(オペル)が、今ドイツで最も美しいセダンと言われるインシグニアを発売しました。このインシグニアもGH系アテンザのデザインを延長したような見事な先代アテンザ顔になっています。
日本の今日のセダン復権は燃費の向上だけでなく、2000年代後半からのセダンデザインの革新が次第に浸透した結果だと思います(ダサいならだれも買わないはず)。V36スカイラインとGH系アテンザがそれぞれ独自にフランスのテイストを取り入れて、ドイツ車を軒並み上回るスタイルを手に入れました。当時はミニバン全盛だったので、セダンを選択肢にする人はとても少なかったようですが、日本車のデザインが向上していることが周知されるようになった結果が、今日のセダンが再び売れるようになりました。デトロイトショーのISプロトはこのGHアテンザとV36スカイラインが築きつつあるトレンドを上手く受け継いでいると思うのです。
確かにこのデザイナー氏が言うようにISにはショルダーラインの高さなど気になる弱点があります。ただこのISを酷評するなら、CLAはいったいどう評価すればいいのでしょうか? CLS以来気になっている驚異的にダサいあのリアデザインをそのまま受け継いでしまっています。ヒュンダイもパクらないほどの酷いリアデザインをそのまま継承するなど、時代錯誤も甚だしいし、いったいこのクルマに乗って何を気取るの?と思わず本音が出てしまいます。
2013年8月31日土曜日
2013年7月11日木曜日
レクサスIS 「レクサスがユーザー目線に徹した傑作車」
先日あるSAでレクサス愛好者の集会を見かけました。クルマ自体は都内を走っていれば何台も見かけるので珍しくはないですが、どんな人々がレクサスの熱烈な支持者なのかが少しわかった気がしました。これまでのイメージとはちょっと違ってレクサスの「オフ会」も、SAの駐車場で群れをなして談笑しながら行われるようです。他の利用者からするとちょっと迷惑を目くじらを立てられそうですが、私のようなクルマ好きから見れば、混雑してない時間帯なら問題ないとは思います。
車種はほとんどがLSかGSで普通のIS(初代)では参加できないような「敷居の高さ」を部外者ながら感じてしまいました。それでも数十台並ぶLSやGSのオーナー達を見てみると、極めてラフな出で立ちで服装にはそれほどこだわりはないようです。正直言って自分の恰好の方がレクサスオーナーにふさわしいなと思うくらいでした。そんな彼ら(平均年齢50歳くらいか?)はスポーツカーに乗る感覚でレクサスの大型セダンを愛用しているようでした。
LSや2代目GSのクルマとしての実力は疑いないのですが、果たしてプライベートカーとしてそのサイズを持て余すことなく使えるのか?という気もします。大きなクルマをデコって見て楽しむ、いわゆる「VIPカー」趣味ならいいとは思いますが、クルマでしか行けないような秘境を目指すなら、山岳路が溢れる日本の地形を走るのに、この都市型セダンはどれだけ快適だと言うのでしょうか。
従来のLSやGSは「車格」がやたらと強調されていて、ユーザーではなくライバル車にばかり目を向けたクルマになっています。先代のISもブランドのエントリーモデルであることを意識し過ぎて「狭いだけ」のクルマになっていました。失礼ですが、スポーツカーとしてもセダンとしても中途半端な存在だったと思います。今考えるとセダンの「地味さ」とスポーツカーの「悪燃費」を兼ね備えた酷いクルマをレクサスブランドの「魔力」だけで売りさばいていたクルマです(MBもBMWも同じようなものですが・・・)。今やスポーツカーの復権とCセグへの移行が進み、そんなクルマ作りではいよいよ通用しなくなってきました。先代ISも3シリーズ、Cクラスも世界中で在庫がダブつき始めています。
新型ISは徹底的なモデルの強化が図られていて、先代から大きく進歩していますが、このクルマはレクサスにとっても大きな転機を意味しているようです。全世界的な個人主義の風潮からプレミアムブランドにとって「車格」ではなく「コンセプト」でいかに他車を上回るかが重要になってきていると思います。新型ISの拡げられた全長や、「地味さ」から脱皮してLSやGSにはない華やかさを持つデザインはまさに「ユーザー目線」のクルマ作りへの転換だなと感じます。
このISを買った人は新型ISの「コンセプト」に惹かれただけであり、今後GSやLSに乗り換える割合はかなり低いと思います。トヨタは3年以内にこのISの乗り換え用のさらなる「ユーザー目線」のコンセプトを備えたスペシャリティカーを用意してくるはずです。それが噂されているソアラやスープラの後継車だという予想がつきます。ただそれだけでなくトヨタは近々MCでSAIのデザインを一新するなど、高級路線のクルマに関してはかなりのテコ入れを図ってくるようです。マークXの後継なども恐らく相当にデザインにこだわったクルマに生まれ変わるのではないかという気がします。もちろんとても歓迎すべきことではありますが・・・。
車種はほとんどがLSかGSで普通のIS(初代)では参加できないような「敷居の高さ」を部外者ながら感じてしまいました。それでも数十台並ぶLSやGSのオーナー達を見てみると、極めてラフな出で立ちで服装にはそれほどこだわりはないようです。正直言って自分の恰好の方がレクサスオーナーにふさわしいなと思うくらいでした。そんな彼ら(平均年齢50歳くらいか?)はスポーツカーに乗る感覚でレクサスの大型セダンを愛用しているようでした。
LSや2代目GSのクルマとしての実力は疑いないのですが、果たしてプライベートカーとしてそのサイズを持て余すことなく使えるのか?という気もします。大きなクルマをデコって見て楽しむ、いわゆる「VIPカー」趣味ならいいとは思いますが、クルマでしか行けないような秘境を目指すなら、山岳路が溢れる日本の地形を走るのに、この都市型セダンはどれだけ快適だと言うのでしょうか。
従来のLSやGSは「車格」がやたらと強調されていて、ユーザーではなくライバル車にばかり目を向けたクルマになっています。先代のISもブランドのエントリーモデルであることを意識し過ぎて「狭いだけ」のクルマになっていました。失礼ですが、スポーツカーとしてもセダンとしても中途半端な存在だったと思います。今考えるとセダンの「地味さ」とスポーツカーの「悪燃費」を兼ね備えた酷いクルマをレクサスブランドの「魔力」だけで売りさばいていたクルマです(MBもBMWも同じようなものですが・・・)。今やスポーツカーの復権とCセグへの移行が進み、そんなクルマ作りではいよいよ通用しなくなってきました。先代ISも3シリーズ、Cクラスも世界中で在庫がダブつき始めています。
新型ISは徹底的なモデルの強化が図られていて、先代から大きく進歩していますが、このクルマはレクサスにとっても大きな転機を意味しているようです。全世界的な個人主義の風潮からプレミアムブランドにとって「車格」ではなく「コンセプト」でいかに他車を上回るかが重要になってきていると思います。新型ISの拡げられた全長や、「地味さ」から脱皮してLSやGSにはない華やかさを持つデザインはまさに「ユーザー目線」のクルマ作りへの転換だなと感じます。
このISを買った人は新型ISの「コンセプト」に惹かれただけであり、今後GSやLSに乗り換える割合はかなり低いと思います。トヨタは3年以内にこのISの乗り換え用のさらなる「ユーザー目線」のコンセプトを備えたスペシャリティカーを用意してくるはずです。それが噂されているソアラやスープラの後継車だという予想がつきます。ただそれだけでなくトヨタは近々MCでSAIのデザインを一新するなど、高級路線のクルマに関してはかなりのテコ入れを図ってくるようです。マークXの後継なども恐らく相当にデザインにこだわったクルマに生まれ変わるのではないかという気がします。もちろんとても歓迎すべきことではありますが・・・。
ラベル:
001レクサス(ブランド),
101セダン(車種),
レクサスIS
2013年6月5日水曜日
レクサスISとBMW3 「クルマの本質が見えにくい『八方美人』っぷりに疑問」
「レクサスIS」と「BMW3」どちらもベースグレードで総額500万円するのだから、「満足度」はそこそこ高いクルマであることは間違いない。大衆車と変わらない性能だと考えると「高い」が、高級車の中では「格安」という二面性を持っているので、当然ながら「毀誉褒貶」が激しく、人によってまったく別の評価だったりする。さらにややこしいのが、クルマそのものへの評価云々ではなく、「レクサス」と「BMW」というブランドの価値も評価に含まれてしまうので、そのブランドの好き嫌いでも大きく意見が分かれてしまう。
どちらもブランドの屋台骨を背負うクルマであることには「異論」の余地はない。そういうクルマは多様なニーズに応える必要があるので、「廉価グレード」「低燃費グレード」「高性能グレード」と大きく設定が分かれてしまうので、余計に「単一車種」としての評価は下しにくい(スタイルや内装に関しては一定の評価はだせるが・・・)。本来、高級車はその設計に一番理想的なパワーユニットを積んでいるべきものだと思うが、日本車やドイツ車には「高級車の廉価グレード」という訳のわからないものが溢れている。
しかし昨今の消費行動はそういう「訳のわからない」ものを避ける傾向があるようで、この両車の最量販グレードは「廉価グレード」ではなく「低燃費グレード」へとはっきりと移っているようだ。どちらもモデル全体の半数以上のシェアを「低燃費グレード」が持っている、とくに全体の8割に迫ると言われるほど好評なのはディーゼル仕様のBMW320dだ。現行モデルから日本でも大々的に「ディーゼル搭載モデル」が発売されて、その価格設定(ディーゼルだから当然安い)も大いにウケているようだ。ただこれほどまでに極端に販売が集中してしまうということは、従来からあった「ガソリンモデル」の評価が「十分に確立していない」ことの裏返しといえる。とくにBMWは先代モデルから4気筒ターボへの積み替えが急速に進んでいて、「500万円の4気筒車」に対して厳しい評価があるのも事実だ。
現在のBMWは4気筒への置き換えと同時に、さらなるブランド価値向上を目指し、「直列6気筒+HV」(アクティブハイブリッド)と「V型8気筒」エンジンを搭載した「上級モデル」の拡充にも力を入れている。ここまで「露骨」に二極化が進められると、BMWの4気筒モデルは、たとえば男性服の高級ブランド「ポールスミス」における「PSライン」のような「ライセンスプロダクツ」(疑似ブランド)の態に見えてしまう・・・。結局このBMWの戦略は日本においてはうまく機能してはいない。500万円をクルマに注ぎ込める日本人の客層は、世界で「最も賢い消費者」といっても良いほどでこの手の「商法」には敏感に反応して購入を控えてしまうようだ(同じような手法で儲けている人々なのだから当然だが)。当然の結果ながらBMWは「高性能グレード」も「廉価グレード」も販売が振るわず、販売の8割が「エコカー」なのだから、もはや「エコカーブランド」(ディーゼルカー・ブランド)と言ってしまっても差し支えないと思う。
これはレクサスに対しても同じことが言える。高級車の象徴とも言える「大排気量」のグレードで軒並み大苦戦を強いられていて、販売の主体は「ハイブリッド」に大きく依存した体質になっている。さらにGSとISの「廉価グレード」で使われている「V6の2.5Lエンジン」も基本設計が古いということもあり、パワーも無く燃費も悪いので、最新型のプレミアムカーに搭載されるようなものではないように思う。このエンジンの開発費の「減価償却」はとっくに終わっていて、本体価格250万を下回る「マークX」に搭載されるものと共通のエンジンに過ぎない。そんなクルマに500万円を払う価値があるのかどうか疑問だ・・・。
結局レクサスISもBMW3も「エコカー」として買うか、「高性能車」として買うならまだまだ賢い買い物になるとは思うが、「廉価グレード」に関してはちょっとオススメできない。
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どちらもブランドの屋台骨を背負うクルマであることには「異論」の余地はない。そういうクルマは多様なニーズに応える必要があるので、「廉価グレード」「低燃費グレード」「高性能グレード」と大きく設定が分かれてしまうので、余計に「単一車種」としての評価は下しにくい(スタイルや内装に関しては一定の評価はだせるが・・・)。本来、高級車はその設計に一番理想的なパワーユニットを積んでいるべきものだと思うが、日本車やドイツ車には「高級車の廉価グレード」という訳のわからないものが溢れている。
しかし昨今の消費行動はそういう「訳のわからない」ものを避ける傾向があるようで、この両車の最量販グレードは「廉価グレード」ではなく「低燃費グレード」へとはっきりと移っているようだ。どちらもモデル全体の半数以上のシェアを「低燃費グレード」が持っている、とくに全体の8割に迫ると言われるほど好評なのはディーゼル仕様のBMW320dだ。現行モデルから日本でも大々的に「ディーゼル搭載モデル」が発売されて、その価格設定(ディーゼルだから当然安い)も大いにウケているようだ。ただこれほどまでに極端に販売が集中してしまうということは、従来からあった「ガソリンモデル」の評価が「十分に確立していない」ことの裏返しといえる。とくにBMWは先代モデルから4気筒ターボへの積み替えが急速に進んでいて、「500万円の4気筒車」に対して厳しい評価があるのも事実だ。
現在のBMWは4気筒への置き換えと同時に、さらなるブランド価値向上を目指し、「直列6気筒+HV」(アクティブハイブリッド)と「V型8気筒」エンジンを搭載した「上級モデル」の拡充にも力を入れている。ここまで「露骨」に二極化が進められると、BMWの4気筒モデルは、たとえば男性服の高級ブランド「ポールスミス」における「PSライン」のような「ライセンスプロダクツ」(疑似ブランド)の態に見えてしまう・・・。結局このBMWの戦略は日本においてはうまく機能してはいない。500万円をクルマに注ぎ込める日本人の客層は、世界で「最も賢い消費者」といっても良いほどでこの手の「商法」には敏感に反応して購入を控えてしまうようだ(同じような手法で儲けている人々なのだから当然だが)。当然の結果ながらBMWは「高性能グレード」も「廉価グレード」も販売が振るわず、販売の8割が「エコカー」なのだから、もはや「エコカーブランド」(ディーゼルカー・ブランド)と言ってしまっても差し支えないと思う。
これはレクサスに対しても同じことが言える。高級車の象徴とも言える「大排気量」のグレードで軒並み大苦戦を強いられていて、販売の主体は「ハイブリッド」に大きく依存した体質になっている。さらにGSとISの「廉価グレード」で使われている「V6の2.5Lエンジン」も基本設計が古いということもあり、パワーも無く燃費も悪いので、最新型のプレミアムカーに搭載されるようなものではないように思う。このエンジンの開発費の「減価償却」はとっくに終わっていて、本体価格250万を下回る「マークX」に搭載されるものと共通のエンジンに過ぎない。そんなクルマに500万円を払う価値があるのかどうか疑問だ・・・。
結局レクサスISもBMW3も「エコカー」として買うか、「高性能車」として買うならまだまだ賢い買い物になるとは思うが、「廉価グレード」に関してはちょっとオススメできない。
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