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2015年7月19日日曜日

アウディTT 「VWグループがやや神憑っていると感じるところ」

  毎度毎度ですがハッキリ言ってしまうと、VWブランドのクルマはあまり好きではないです。理由はいくつか(も)あって、「華がない」「個性がなく愛情が持てない」「すぐ壊れそう」「エンジンが安そう」「エンジン以外も安そう」などなど・・・。そしてどのモデルも基本的にパッケージがオカシイのでは?と感じます。ゴルフ、パサート、ポロといったライバル関係のハッキリしたモデルはともかく、ザ・ビートルはクラシカルな復刻モデルだから仕方はないですけど、見るからに悪そうな居住性に耐えてまでこだわるデザインなのか?と素朴な疑問が湧きます。

  しかしVWの看板モデルである「ゴルフ」に乗ると、やはり評判通りにいい走りをします。輸入車ブランドだととりあえずハンドリングもペダルもコントロール領域が中途半端で、日本メーカーが誇る「看板車」と比較した場合に熟成不足がはっきりするものですが、ゴルフ7はターボエンジン搭載車としては見事なレベルの操作性を実現していると思います。この感覚はトヨタ車や日産車ではなかなか引き出せない、欧州小型車の雄VWだからこその「味」で、日本メーカーでいうとスズキに近いかなという気がします。「VW=ドイツ版スズキ」とカーメディアが解釈してくれればいいのですが、そういった表現はまず見た事がないです。

  何が言いたいか?というと、自動車メーカーはそれぞれに得意なサイズというのがあるってことです。トヨタとVWは得意としているサイズが違うので、マークXとパサートを比べればトヨタがいいと感じますし、オーリスとゴルフを比べるならば、やはりVWが優れているように思います。そしてVWに高級感であるとか、トヨタに機敏さを求めたりするのはやはり違和感を感じます。スズキ→ホンダ→VW→スバル→ポルシェ→BMW→マツダ→トヨタ→日産→メルセデスの順番で、得意とするサイズが大きくなり、看板モデルに置き換えるとスイフト→フィット→ゴルフ→インプレッサ→911→3シリーズ→アテンザ→クラウン→スカイライン→Sクラスでしょうか。まあクルマ選びの参考にしたいです。

  ポルシェに隣接しているエリアが、最も「走り」に関して期待できそう!なんて安易なことは言いたくないです! しかしスカイラインやマスタングがデビューしたいまから50年前にすでに前身モデルとなる「356」(1947年から生産)から引き継いだ名声を博していた「911」があって、今に至るまでに走りに関して妥協する事無く進化を続けてきた果ての「着地点」にはそれなりの重みがあるとは思います。「走り」に関して使いたい装備がちょうど収まる4シーター車のサイズ、あるいは直進安定性や旋回性能が無理なく発揮しやすいサイズなのだと推測できます。

  クルマのサイズに関しては、一般的にA、B、C、D、E、Lと6段階のセグメント表記が使われますが、結局のところは「911未満の大衆セグメント」「911ガチンコセグメント」「911・アッパーラグジュアリーセグメント」の3段階くらいで比べておけば十分じゃないか?と思っています。確かに基準となる「911」はベースモデルでも1000万円する高級スポーツカーなんですけど、その成り立ちは「乗用車としての理想の追求」であり、4シーターであることに常にこだわってきたわけですから、れっきとした「普通乗用車」です。まあ「911と同じ方向性のクルマ」とそれよりも「簡易的な小型サイズのクルマ」と「911よりもゆとりがある高級車」の3グレードにザックリと分けてしまえば、わかり易いですし、メーカーに変な言い訳をさせない効果もあります。

  ちょっと余談です。歴史的な背景から「911」をスタンダードにさせてもらいましたが、ポルシェが先述の「356」を発売した1948年の前年には、トヨタから「トヨペットSA」という当時としては非常にハイスペックなモデルが、91万円という法外な価格で発売されました(現在の価値で換算するとレクサスLFA以上!)。もしこのクルマがファンに愛され開発され続けたならば、トヨタから「911」みたいな伝統のGTモデルが生まれる可能性があったわけです。

  しかしナチスが作ったアウトバーンに相当するものが無かった日本では、ポルシェを育んだようなクルマ文化がすぐに発達しなかったのは仕方のないことだと思います。のちにモータリゼーションの象徴とされる名神高速が部分開業する1963年にスカイラインが登場してから、やっとポルシェの後を追い始めたようで、およそ15年のタイムラグがあったようです。ただし1964年にデビューしたばかりのスカイラインGTがポルシェ904GTS(ポルシェの高性能レース仕様車)と互角の性能を示した「伝説の日本GP」が最初のスカイライン神話として伝えられていますが・・・。

  さて話を戻しますが、「911未満セグメント」は、近年のダウンサイジングの潮流のなかで、なかなかの盛り上がりを見せているようです。先ほども申しましたが、トヨタや日産あるいはメルセデスといった門外漢が適当につくったクルマよりも、このセグメントに重点を置いているスズキ、ホンダ、VW、プジョーといったブランドのクルマがやはり乗ってみると好印象ではあります。マツダの取り扱いには悩みますが、このブランドにとってアクセラやデミオは決して「真打ち」では無いと思っています(RX7かコスモの復活を!)。このセグメントに新たに「高級化」の波を持ち込もうとしているのが、BMWミニとアウディです。911が1000万円なんだから、「911未満」でも500万円くらいしてもいいよね!といったところでしょうか。

  しかしベースモデルで500万円オーバー(542万円〜)というのは少々やり過ぎでは?というのが、いよいよ3代目になるアウディTTです(後から廉価モデル1.8Lが上陸?)。VWグループの共通プラットフォームを使った2Lターボですから、いわゆるゴルフGTIのアウディ版スペシャルティカーといった内容のクルマです。出力は230psまで上げてあり、ホイールベースを「2400mm」まで切り詰めてあることで、デザイン以外でもGTIとはいろいろと違った要素が多いクルマにはなっています。この2400mmというホイールベースに重要な意味があって、このサイズこそがポルシェ356の前にフェルディナンド・ポルシェが設計した「kdf」というVWの原点とされる名車と全く同じになっているのです。

  VWがグループ全体としてアウディTTにどのような使命を与えているのか?その詳しい内容までは伺いしれません。しかし世界のクオリティカーの「標準ゲージ」となった911に対し、「911未満セグメント」における理想型を目指したクルマとして、いろいろなことを暗示させてくれる設計のようには感じます。そして同時にVWグループとして「911アッパーラグジュアリーセグメント」には「ベントレー・コンチネンタルGT」が置かれています。いろいろなブランドを傘下に収めてそれぞれ適材適所で、「アウディTT」「ポルシェ911」「ベントレーコンチネンタルGT」という4シーターのGTカーを3クラスに分けて配置するというヴィジョンを見せられると、VWグループが自動車文化全体をとても良く考えているのが理解できます・・・。いや〜素晴らしいことだと思います!

  全くの余談ですが、
BMWグループは「ミニJCW」「M235i」「ロールスロイス・レイス」。
フィアットグループは「アバルト695ピボスト」「アルファ・ジュリアQFV」「マセラティ・グランツーリズモ」。
トヨタグループは「トヨタ86」「レクサスRC-F」「レクサスLSクーペ(登場予定)」。
ルノー日産グループは「ルノー・メガーヌRS」「GT-R」「インフィニティQ100(登場予定)」。
などなど非常に重要なモデルが多いですね。今後も覇権を賭けての好勝負が生まれることを期待したいです。

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2015年5月30日土曜日

レクサスRC-F 「一般人でも手が届くと社長が言ってますね・・・」

  いやー!モリゾー社長の仰る通りです! 「男だったらアルファードかレクサスRC-Fで間違いない!」くらいの放言をする自動車メーカーのトップを日本車ファンはずっと待ち望んでいましたよ。トヨタグループが全力を上げて最良のプライベート用途の高級国産車を模索したところ、この2台をそれぞれ究極の形にすることで収束しました!という意味のことを、分り易く「一般の人々でも手が届いて、しかも誰が見ても魅力満載のクルマ」と言っていましたが、なかなか自信満々な3月期決算発表での言葉だったと思います。

  レクサスRCではなくて、「レクサスRC-F」という言葉のチョイスにはやっぱり引っ掛かりを感じます。もちろんユーザー目線で判断すれば、「F」の一文字でクルマの意味合いが大きく変わりますし、「F」が無ければRCには全く興味が無いという人も多いはずです。実際のところベースのRCでも十分に素晴らしいクルマではあります。とりあえず同じベースモデルのBMW4シリーズやアウディA5には全く負けてないです。けれどもモリゾー社長は言うわけです。欧州のライバル車に勝っているとはいえ、ベースのレクサスRCでは平凡過ぎてもはや注目を浴びることすらできない、つまり魅力的ではない・・・(欧州車なんか本当につまらんし)。

  その一方で「RC-F」には、世界の自動車ユーザーが熱狂できる要素が十分に詰まっている!世界の人々が心の底から求めているクルマだ!と高らかと宣言しているわけです。これは無類のクルマ好きとして知られるモリゾー社長が、非常にバランス感覚に富んだ価値観を持っていることを表していませんか? 特にGTカーを愛する人々にとって、ライバルメーカーの雲行きが怪しくなってきていて、BMWやメルセデスAMGなどの欧州メーカーがハイテク機構を付けたV8自然吸気エンジンを開発できなくなりました。そんなトレンドに失望してミッドシップスポーツなどへ流出しそうな人々を、再びGTカーへ振り向かせるために、レクサスはどこまでもフィールに拘って作りましたよ!だから本当にクルマの解る人ならばドイツ車のターボ付きV8よりもレクサスRC-Fの方が優れていることがわかるはずです!まあ解る人がのれば、まったく異次元の気持ちのよさですよ!ってところでしょうか。

  今回のRC-Fに採用されたV8自然吸気の意味を俯瞰すると、2010年頃にアウディRS5とBMW・M3(E90)が繰り広げていたV8自然吸気の「ガチ・エンジン対決」に5年遅れでレクサスが参戦してきた格好に見えなくもないです。この2台(FRとAWDの変則対決ですが・・・)に匹敵するだけのシャシー(現行GS/ISから)を新たに開発し、いよいよクラス最良のGTクーペを作り上げたわけですが、目指すターゲットだったはずのM3は先に新世代(F30)へと移行して、V6のツインスクロールターボへと方向性を変化させてしまいました(ちょっと失敗?)。そして取り残された「RS5」も「AWD&自然吸気」というなんともヘンテコな設計がちょっと災いしてしまい、日産GT-Rよりも「遅い・うるさい・曲らない・止まらない・価格が高い」という立場に追い込まれ、全く売れる要素無しのクルマになっていまいました。

  しかし現行のRS5に搭載されている4.2L自然吸気ユニットは、2000年代に大躍進を遂げたアウディの象徴ともいえる素性の良いスーパーなエンジンなんです。4.2Lの過給なしで450psを搾り出すために、ほぼ物理的な限界値といわれるスピードまでピストン速度が上げられていて、エンジン屋アウディの技術の高さを如実に示すサーキット仕様のウルトラ超高回転エンジンです。8500rpmまで軽く噴け上がる「ロング」ストロークのエンジンなんて、他にはほとんど例はなく、せいぜいホンダの「Vテック」くらいのものです。しかしこういったエンジンを市販車で使う時代は徐々に終わりを迎えていて、現在のアウディの新型車に搭載されるV8は4Lターボは、気筒休止機構(バンクの半分だけを直4として使う)を組み込んだ、フィーリング的には全く「残念」なエンジンに成り果てています。

  これまで主導権を持っていた2台が、全く脚光を浴びずにフェードアウトするタイミングを狙って、残った市場をごっそりと持っていくのは、実にトヨタらしいマーケティングではあります。ホンダS2000とマツダRX8が相次いで市場から消えるタイミングで86/BRZを大ヒットさせた手腕は記憶に新しいです。しかしこの「RC-F」に関してはそんな顧客の分捕り合いなんてことはどうでもよいことで、このクルマが持つ「存在価値」は、アウディやBMW、メルセデスAMGなどとは本質的に無関係です。トヨタが1989年の初代セルシオ登場とともに作り続けてきた「UZ」「UR」シリーズのV8エンジンは、「量販メーカー・トヨタ」とは全く違う「世界最良の高級車メーカー・トヨタ(レクサス)」の根幹となる技術であり、トヨタの歴史の中でもおそらく最も気合いを入れて開発されてきたエンジンだと思います。つまり「こだわりのトヨタ」を買うなら迷わず「UR」(V8搭載モデル)にしておけ!ということです。

  モリゾー社長が「RC-F」と名指しするほどに「F」に拘った背景には、おそらく作り手側として絶対的に自信を持って提供できるクルマはこれだ!といった想い(共通認識)があったのだと思います。それとももしかしたら、社長の肝入りで作られた「RC-F」が86ほどには反響を得られていないことに少々焦りを感じているのかもしれません。さっさとこのクルマで結果をだしてGTカー好きな顧客を抱え込むことに成功したら、満を持してレクサスLSの2ドアクーペ版を発売する予定のようです。

  実際のところ3.5LのV6自然吸気を積むレクサスに乗ると、期待が高過ぎるせいか思ったほど感心できなかったりします。もちろんそれでも欧州車のスカスカな直4ターボとカスカスなステップATに比べれば、ペダルの踏み方一つで「走り」にキャラクターが出るなど、高級車としての魅力は高いですけど、「特別なステージのクルマ」という意識は残念ながら持てないです。あくまで「普通のクルマ」です。それこそレガシィB4とかティアナで十分じゃない?って思う水準です。モリゾー社長が「一般の人でも手が届く」といった意図は、RC-Fを買ってぜひ「特別なクルマ」を感じてください!というメッセージが込められているようです。これはいよいよ買うしかないかな・・・。


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2015年3月21日土曜日

スカイラインクーペ 「苦悩?新型モデルに期待」


  ジュネーブモーターショーで、年内に発売が予定されているスカイラインクーペのプロとタイプが公開になりました。このクルマの現在位置は日本生産&日本販売のモデルとしてはかなりの「変わり種」と言えるもので、日産の懐の深さを端的に示す1台となっています。それゆえに今後のトレンドを業界がどのように考えているかを占う意味で重要な意味があります。海外の自動車ファン、特に熱烈なハイエンドスポーツモデルのユーザーからも絶賛されている日産の技術力とその崇高なまでのプライドには大いに期待ができますが、それと同時に今回のモデルチェンジではいよいよ大きな「経営判断」が下されるのは避けられない状況ではあります。そして何よりも因縁のレクサスがいよいよ2ドアクーペを復活させたことでこのクルマの市場が大きな影響を受けるのは必至です。

  日産にとっておそらく頭が痛いのは、この手のラグジュアリーカーのユーザー層は病的なまでの「ブランド志向」が顕著に顕われていることです。クルマの性能よりもまずは「ブランド力」が絶対条件でクルマを選ぶ人が圧倒的に多いです(反論もあるでしょうが)。マーチやキューブと同じ「日産」マークに我慢が出来ないというユーザーが間違っているのではなく、「ラグジュアリーカー」の本質を突き詰めると販売チャンネルを分けることに異論を差し挟むのは不粋です。そして安易な「ブランド志向」は日本に限った話ではなく、むしろ欧州や中国市場のほうが顕著といえます。評論家に世界の頂点に立ってトヨタやGを制する勢いだと絶賛されるVWでも、まさかのゴルフ派生の2ドア(3ドア)クーペのシロッコやイオスが不振でモデル廃止へと追い込まれています。VWは途上国でのノックダウン生産で台数を稼ぐメーカーであり、それらの国々で十分に根を張った現在では欧州や北米といった先進国市場を逆に軽視する方針へと変わっています。VWのクルマをみてゾクゾクするような所有欲に駆られることなんてふつうは無いですし、ラグジュアリー路線の派生モデルなど経営上では邪魔でしかなく、今後は傘下のアウディに役割を集約していくようです。

  日産の身内であるルノーや、日本では高級車と思っている人すらいるプジョーやシトロエンも2ドア(3ドア)の販売にはかなり慎重になってきました。現在クルマ雑誌で猛烈にプッシュされているプジョー308も、カローラのような素っ気なさという本来の姿のまま日本にも導入されました。まあクルマそのものを真っ当に評価すると200万円台前半まで価格を下げられればガソリン2Lのアクセラと同じくらいになりますから、それなりに納得できますが・・・。またプレミアムブランドへの脱皮を目指しているマツダも、やはり2ドアを作って売らなければ、「ブランドの確立」とまでは認められませんし、ブームが去ればまた薄利多売の競争サイクルへと逆戻りし苦境に追い込まれるはずです。そしてトヨタの下請けとしてメキシコで頑張るつもりでしょうか?

  マツダ車が目指す欧州市場では一般的なブランド(非プレミアム)では2ドア車の販売は難しくなってきたのは間違いないです。北米では従来からホンダがシビックやアコードの2ドアを販売するなどのうらやましい環境が続いていますが、これもまた中国から富裕層が多く移住するなどで消費の嗜好も年々変わりつつあるようです。去年のマセラティの躍進などは消費税の駆け込み需要やアベノミクスで盛り上がった日本を上回る割合で増加しています。アメリカに移住した中国人がギブリを喜んで買っているというデータこそありませんが、マセラティと聞くとやや盲目的になってしまうのが東アジア人の特徴なのは我々も薄々気がついてしまうところです。

  日本では「なんでインフィニティなんだ!」という日産ファンからの反発も大きいようですが、日本でもラグジュアリーなクルマのユーザーは明らかに移住してきた中国人かそれに近い価値観を持った日本人なのはトヨタ・日産の一致した判断のようです。私も富裕層向けサービスに従事していますが、中国人のお客様の割合は想像以上に高くなってきています。近年の日産は外国人のトップによる長期政権が続いていて、ほかの日本メーカーが舌を巻くような合理化政策を強烈に押し進めています。幾多のモデルが現行のノートやエクストレイルなど集約されていて、これらに対する批判的な意見もあるようですが、日本の道路環境を考えるとターボではなくスーパーチャージャーだろうというこだわりや、SUVとしての妥協ない基本性能の高さは、クルマ好きなら「世界最高のメーカー」と手放しで誉めたいはずです。残念ながら多くの一般ユーザーはそんなことは知らない(どうでもいい)ようですし、輸入車が大好きな評論家の皆様は意図的にこの事実を「黙殺」しています。

  自身がクルマ好きであることをやたらと吹聴するトヨタの社長の影響もあってか、スカイラインクーペのライバルとなるべく登場したレクサスRCは、ラグジュアリーというよりもスポーティさを強調した仕上がりになりました。少なくともソアラではなくスープラを作ろうとした意図は十分に感じられます。その一方で従来のスポーティで武骨(貧相)でラグジュアリーには程遠いイメージの歴代「BMW3クーペ」の殻を突き破って登場したBMW4シリーズは、MTモデルの廃止などと合わせてエクステリアで主張するクルマへと劇的な変化を遂げました。そんな方向性をかなり評価する向きもあるようで、近頃では都内のあちこちで(中央区から八王子市まで!)よく見かけるようになりました。ややギラついた塗装が気になるレクサスRCに対して、4シリーズは定番&安定のBMWホワイトがとても様になっていて新たにBMWジャパンを救う救世主になりそうな予感です(400万円で3気筒モデル出す?)。RCも4シリーズもそれぞれに好みがあるでしょうが、私が思うに2台が並んだときに引き立て役に回るのはレクサスの方かもしれません。

  RCも4シリーズも価格相応に非日常感は味わえるという意味で、なかなか無視できない魅力があるのではないか?と見直しつつあります(上から目線で恐縮ですが)。そこに投入されるスカクーがどういう方向性を示すかには大いに注目です。先代モデルではこのカテゴリーの主導権を握っていたBMWの直6ターボを軽く捻るくらいに清々しいまでの3.7Lにまで拡大したV6自然吸気で、あっさりとBMWを窮地に追い込みました(BMWの自滅説もありますが)。フェアレディZと共用されるこのユニットは、ポルシェの独壇場となっていた「6気筒自然吸気&MT」という聖域に切り込むためのもので、これぞまさに日産が得意にしてきたオーバースペック(やりすぎ)モデルです。そして間違いなく日産車の魅力はここにあるのですが、そんなモデルをやや勢いで買ってしまったミーハー(軽はずみ)なユーザーにとっては、このユニットの北米基準のオイルイーターっぷりが手に余ることも多いようです。3.7Lのスカイラインを持っている知り合いは「ぜんぜん乗ってないよ〜!」と口癖のように言っています。

  スカイラインクーペと平行して開発が進んでいるという35フェアレディZの動向も気になりますが、現行まで共通のユニットを使ってきた両車ですが、経営効率を無視してでも今回は別々のユニットを用意するのではないかという気がします。スカクーは4シリーズとRCを相手に、長距離を楽しめる王道GTカーとして燃費に配慮したハイブリッドの投入も当然にあるでしょうし、居住性に劣るZはポルシェ(ケイマン)を追従する従来の路線(V6自然吸気&MT設定)を継承すると思われます。さて公開された新型スカクー(インフィニティQ60)ですが、リアデザインになにやらデジャブ感が・・・これはメル◯デスSク◯スクーペにそっくり! マーケティングの基本は「分り易さ」というならばまあ納得できますね、こりゃあ誰が見ても高級車というお尻になってます。セダンより高いお金を払ってわざわざクーペを買うわけですから、一目見てマ◯クXにそっくりな最近の日本車セダンに流行しているデザインとは一線を画す存在でなければいけません。

  このデザインから無理矢理にパワーユニットを選ぶとしたら、やはり高出力&高トルクを発生させる現行エンジン(3.7L自然吸気)かそれ以上のスペックが欲しいです。インフィニティFX用に作られているガソリンのV8か、ディーゼルの3L・V6ターボを載せてRC-FやアルピナD4に張り合ったバリエーション展開しても良さそうです。しかし現実には211psのメルセデス2Lターボの冴えないエンジンが主力になりそうな予感です。コンバーチブルで2Lターボという極めてトヨタ的なスペックの「セレブなオバさん専用モデル」が登場しそうです。たとえどんな設計であれ、ある種のユーザーに恩恵があり、そのモデルが存続するに足るだけの台数がグローバルで稼ぎ出せるのであれば結構なことですが、「オバさん専用モデル」(2Lターボ)にいい年したオッサンがドヤ顔で乗ってたりするのは勘弁してほしいですね・・・。


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2015年1月26日月曜日

メルセデスが醸す高級車オーラの本質

  マツダがアウディやBMWのようなブランドを目指して、ブランド内の「デザインコンセプト」を定めたイメージ改革を進めています。マツダの狙い通りに現在でも多くの市場で販売は好調に推移しているので、戦略としてはかなり上手くいっているようです。マツダが目指す所はどこなのか定かではありませんが、しかしその目指す先だと一般にいわれているドイツ車、その中の老舗中のp老舗・名門メルセデスはというと「デザインコンセプト?そんなものはもうどうでもいいよ・・・」と言わんばかりの、自由なデザインを展開するようになっています。

  確かに現行のSクラスとCクラスはどこか似ていますし、この後にフルモデルチェンジを迎えるEクラスもこの2台と同じようなデザインになることでしょう。そしてAクラスから派生した一連のFF車もプライベートブランドとは一見思えないようなフロントググリルのパーツの使い回しが目立ちます。しかしメルセデス本来のステータスを存分に持った花形グレードのクルマであるSクーペ・SLGTといったラグジュアリーなモデルはより自由でかつブランド内でも格別の存在感を持つオリジナリティ溢れるデザインに仕上がっていて、アウディやBMWではなかなか見られないメルセデス特有の重厚感がそこにはあります。

  メルセデスのそれらのモデルのデザインは、簡単に言ってしまえば「大人の男」のクルマへの憧れをそのままデザイン化したものです。その作り込み具合は高いといえば高いし、低いといえば低いし人によっていろいろな判断基準がありますが、この手のクルマを求めるユーザーのイメージをかなりの段階まで具現化させていて、量販車ブランドの中ではその「完成度の高さ」には確実に価値があります。例えばメルセデスSLと同じような「エモーション」を追求したクルマとしては、フェラーリ・カルフォルニアやマセラティ・グランカブリオといったクルマがあります。どちらもブランド内では走行性能よりもラグジュアリーに重きを置いているモデルです。マセラティといえばラグジュアリーの権威的なブランドですが、近年ではややフォーマルなセダン(ギブリ)やさらにSUVで販売台数の大幅な拡大を狙っています。そんな拡販戦略とは無関係な立場にグランカブリオというクルマはあります。余談ですが都内を走っていてもこのクルマは極めてレアなのでなかなか所有欲をそそります。

  そんなグランカブリオとは違って、明治通りを走れば必ず1台は見かける頻度で出てくるのがメルセデスSLです。ポルシェ911と並んで、自他共に認める筋金入りのナルシスト系が乗る「超定番モデル」といっていいくらいで、大都会・東京で最も愛されているクルマかもしれません。東京はナルシストが好きなものがたくさんある街ですから、そんな風景を大いに盛り上げるのがポルシェ911だったりメルセデスSLだったりで、土日になればフェラーリもランボルギーニもマクラーレンも何台も見かけます。それはそれでとても辻褄が合っています。東京の夜景が見渡せるタワーマンションとその地下駐車場にメルセデスSLが、東京人のかなりリアリティのある日常です。

  こんなこと書くと怒られちゃいそうですが、タワーマンションのショールームにやってくる人々を観察していると結構面白いです。やっぱりこういうものに憧れて東京にやってくるんだろうな・・・(別にバカにしてないですよ)。六本木、赤坂、丸の内、表参道にある商業施設に行くと、やたらとたくさんの駐車場管理係の人がいます。高齢者ドライバーにとって機械式の駐車場はかなり不親切ですから、安全な運営のためにも必要なのかもしれませんが、人がたくさんいて、間隔も広くてドアパンチを喰らう心配が無いとても高級感ある駐車場が「東京らしい」駐車場と言えるのかもしれません。新宿にある都庁も駐車場料金は人が配置されていて手渡しになっています(税金のムダ?)

  メルセデスSLは車重がかなり嵩む超ヘビー級のオープンクーペですから、走りを楽しむ人からしてみたら価格に見合わない難物です。もし日本メーカーが真似をして同じようなモデルをつくったら、スーパーカー大好きな評論家連中によって、あれこれ好き勝手なことを言われてしまいそうです。しかし彼らは内心では納得していなくても、メルセデスSLに対して厳しい意見を言う事はまずありません。日本の評論家を黙らせるだけの風格がメルセデス(SL)、マセラティ(グランカブリオ)、フェラーリ(カリフォルニア)には備わっています。世界中に愛好家(好事家)を持つこの3つのブランドはそれぞれの「エゴ」を21世紀になっても尚、商売として成立させています。そういう夢のある商売に対する暗黙の敬意ということなのでしょう。

  中にはフェラーリだろうがメルセデスだろうが容赦なく牙を剥く評論家もおられます。たくさんの評論家が溢れる中で生き残るためという意図も多少はあるでしょうが、やはりこれこそが自動車評論の本来の姿なのだという強い自負(信念)が根底にあると思います。そのクルマが売れていて(多くの人が満足していて)、それでもダメだよ!という敵をたくさん作るタイプの評論には勇気とエネルギーが相当要ることでしょう。けどそんな生真面目な評論家の意見など馬耳東風のごとく、そもそも東京に生きるVIPな人々は、自動車専門誌をじっくり読む暇なんてないですから、「沢村慎太朗って誰だ?」と何も臆することなく、自分の感性にかなり合っているメルセデスSLを好むようです。

  メルセデスの中長期的な変化は、今後さらに顕著になっていくように思います。マイバッハを廃止して、その顧客の受け入れ先としてメルセデスブランドの内部に「マイバッハ」と命名されたモデルを新たに投入するようです。これまではマイバッハの下に位置づけられていたメルセデスを最上級のブランドとし、その中で上限を取り払ったラグジュアリーなモデルをも同ブランド内で手掛けていく戦略が既定路線です。ポルシェとベントレーを合わせたようなブランドへとイメージを作り上げつつ、アウディのような小型モデルを量販してさらなる利益を出していく戦略自体は、レクサスやインフィニティでも急速に模索されているようですが、メルセデスが現在のところは最先端を走っているようです。

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2014年12月3日水曜日

フォード・マスタング 「限定車だけで終わりなんてことは・・・」

  2.3L直4ターボで465万円ですか・・・。マスタングで直4というのはいかがなものなんですかね。2ドアボディは本来自由なクルマで、ラフorラグジュアリーに構えるならば特にエンジンを選ばない!という判断もできそうですけど。先代モデルは2万ドルでV6モデルが買える!というアメリカ自動車産業の懐の深さを見せつけるクルマだったんですが、新型モデルが登場してみると、日本仕様はじわじわと値上がりしたようで、気がつけばBMWなどとほぼ変わらない価格になってしまいました。たしかに700万円以下でV8モデルに乗れる点ではコストパフォーマンスの高さを感じますが、比較的手頃なベースグレードに関しては今のところ割安感はないです。

  日本車もドイツ車も選び放題の日本市場で、わざわざマスタングの4気筒に乗ろう!という人はよほどの「マツダオタク」くらいじゃないでしょうか。マツダが設計したMZRエンジンをベースにしているフォードの2.3L「エコブースト」は、その排気量からも、マツダがかつて発売していた「マツダスピード・アテンザ」や「マツダスピード・アクセラ」に積まれたユニットが連想されます。マツダのものは横置きでMSアクセラに至ってはFFだったために相当にデチューンされて安全に走れるものになっていたようですが、マスタングは当然にFRなので、4気筒エンジンとしては世界最高峰に位置するMZRエンジンのポテンシャルをかつて無いほどに引き出した超絶ヴァージョンになっています。

  かくいう私も相当なマツダ贔屓なので、「マスタング買うならV8だろ!」という信念を持ちつつも、「MZRエンジンならば、直4もアリだな・・・」と思ってます。現在のところ日本への正規輸入は直4ターボのみ価格がアナウンスされている状態です。日本の税制を考えたら3.7LのV6や5LのV8よりも、2.3Lが相当にリーズナブルなのは確かですけど、そもそも自動車税のこと考えてる人はマスタングなんてまず買わないでしょう。「スタートエディション」ということで少々高めに設定されての465万円なんでしょうけど、マスタングのイメージに合わない直4のみでしかも右ハンドル導入が決定されてる中で、第一弾は左ハンドルのみですから、売れ残り必至じゃないかという気がします。

  あと1年ほど待てば直4モデルならば400万円以下(であろう)の通常グレードで右ハンドル車が買えることがすでにバレバレです。足回りに大きな変更があってマルチリンクを採用したので、乗り心地の熟成・改善のためにも年次改良を2~3回ほど待ったほうがいいのかもしれません。BMWを買わないでマスタングを待つ人々ならば、それくらいのことはお見通しですから、この初期モデルは予想以上に苦戦しそうな気がします。しかしその結果を受けて新型マスタングの日本導入は「見送り」なんて最悪な決定が下されたりするのはちょっと困ります。

  新型マスタングが300万円台で、右ハンドル装備で、2.3L直4ターボ318psというスペックならば、日本市場のBMW、レクサス、日産などに大きな影響を与えてくれるでしょう。BMW328の2L直4ターボ245psで604万円という「殿様商売」な価格がアホらしく思えてくるでしょう。3シリーズよりもかなり大きくて余裕のあるボディを持ち車重も100kgしか変わりません。「大き過ぎる」「2ドア」というネガさえなければ、まずはマスタングを考えよう!という気になるはずです。確かにBMWの直6には美学がありますが、435iで765万円となり、おそらくマスタングのV8モデルが買えてしまいます。そして直4エンジンに関してはBMWは二流の域を出ず、マスタングに使われる「MZR」の素性と比べるとドイツの雑誌がBMWの全面敗北を認めてしまうほどの開きがあります。

  年明けにも発売されるというスカイライン・クーペも今頃は価格設定にあれこれ苦慮していると思います。マスタング陣営が、世界最高の6気筒を持つ日産の新鋭クーペを過度に警戒しているのは確実で、おそらくマスタングの通常価格を発表せずに「後だしジャンケン」を意図しているように思います。メルセデスの2L直4ターボ211psがベースグレードに使われるようです。マスタングとほぼ同じ車重を誇るスカイラインですから、やはりBMWの直6を圧倒した「伝家の宝刀」であるV6搭載モデルでないと、スポーティで魅力的な日産らしさは得られないですし、マスタングのコストパフォーマンスの前に霞んでいまう恐れがあります。先代モデルくらいの価格で登場すればかなりセンセーショナルではありますが・・・。この10年で国産車ファンにとっての「心の拠り所」といった地位を確立したスカクーには今後もぜひ頑張ってもらいたいです。

  さてマスタングの眼前で丸裸になっているのがレクサスRCです。いまいちスペシャル感が伝わってこないのは、レクサスへの偏見もあるのかもしれないですが、このRCと新型マスタングが駐車場で並んだ光景を見れば、RCのオーナーはかなり悔しい思いをさせられそうです。それでもRCには「350Fスポ」と「RC-F」というトヨタの実力を端的に示す素晴らしいグレードがあります。レクサスへの批判をぴしゃりと止めたのが、スーパーカーの「LFA」と「IS350Fスポ」でBMWや日産を相手に完全勝利を目指した「開発資源の投入」はVWグループの戦略を彷彿とさせます。ランボルギーニやポルシェを作るほどの情熱を本体価格615万円の「IS350Fスポ」に注ぎ込んだわけです。

  評論家の間でもこのレクサスの動きには当然に大きな衝撃があったようです。今ではBMW3シリーズや5シリーズが素晴らしいスポーツセダンだと呑気に言っている評論家は急速に減りました。BMWと言えばやっぱり「i3」でしょ!なんてそんな調子です。レクサスとしては「IS350Fスポ」のDNAを引き継いだ「RC350Fスポ」と「RC-F」も、VWグループとのつば迫り合いの中で必要な戦略モデルになっているようです。このトヨタの動きに呼応して日産もBMWもさらなる努力をするでしょうし、ホンダも間もなく日本にレジェンドを再登場させます。しかし615万円という価格も決して安いものではないですから、そこに新型マスタングが300万円台〜の価格設定で投入されれば、トヨタも「IS350Fスポ」のノウハウを使った対抗モデルを用意してくるのではないかという期待もできます。なんとか無事に新型マスタングがフルグレードでの日本上陸を果たしてくれればと思います。


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2014年8月16日土曜日

レクサスRC-F「安心して買えるのは大事なこと」

  「ホンダNSXのテスト車両が燃える!」という衝撃的なニュースがありました。ポルシェ911GT3でも市販車で不良が相次いで発生して販売がストップするなど高性能車の過熱気味の開発競争は少なからず「ひずみ」を生んでしまっているようです。BMW-M、AMG、フェラーリの8気筒モデルが軒並み500psを超える段階に突入している現在では、超高級サルーンを作らないメーカーにとっては、「6気筒」で500ps超をキャッチアップしなければいけないという苦しい状況で、ホンダやポルシェといった実績のあるメーカーでもなかなか難しいようです。

  現在のところ大きな騒動が起こっていないGT-R(V6ターボ560ps)は見事に日産の自他共に認める世界最高の技術力を証明しています。ファンの一部から400psオーバーという無茶な要求を突きつけられているスバルは、「トヨタ基準の安全性」を楯にその要求を退けて従来通りの300psの新型WRXを作りました。スバルの技術力を持ってしても直4ターボで400psの安定したエンジンは難しいものがあるようです。その一方でとうとう生産中止が迫ってきたランエボXの欧州仕様は直4ターボで400psを出してます。こちらも特に大きな不具合といったことは聞きません。日産と並ぶ三菱の技術力の高さの面目躍如といったところでしょうか。

  日本の「能天気」な自動車メディアはメルセデスA45AMGの直4ターボ360psが市販車最強の4気筒みたいな宣伝をしています。別に事実誤認というわけでないですが、単に三菱が問題を抱えていて日本で400psの直4ターボを売らないだけです。この10年あまり国土交通省に嫌われ続けている三菱は、欧州版のランエボXの国内発売の認証を取るのが非常に面倒ということで300psに抑えたモデルのみを販売しています。国土交通省にサンプル数台を供出し、あれこれ技術説明をしてもなお、ネチネチした官僚の追求を躱さない限り許可は下りないですし、苦労して認証されたところでいったい日本でどれほど売れて儲かるのか?という問題もあります。

  しかしファン相手のスポーツカー商売というのは難しいもので、メーカーによってデチューンされたモデルはどうしてスポーツカーとしてのプレミアム価値に乏しく、将来的に最終型NSX-Rのような価格高騰につながるとも考えにくく、投機的な需要が引き出せません。そもそも2007年の発売時に株主のメルセデスの意向で三菱に送り込まれたコンサルファームによって、既に決まっていたランエボXの価格が相当引き上げられたあたりからケチが付いていて国内でのランエボ人気は完全に下火になりました。STIの限定モデルには今でも十分なプレミアが付きますが、経営権を外資に握られ、日本のファンに背を向けたランエボは価値が下がりつつあります。まあ日産GT-Rも同じようなものですが・・・。

  もしカーメディアが日本のクルマ好きの側に立ってモノを考えているのなら、三菱をメチャクチャにした張本人である三菱の旧経営陣とメルセデスに対して何らかの「遺恨」があってもよさそうですが、クルマ雑誌は5月あたり(増税後)から「メルセデス一色」になってます。さすがにどの雑誌も大同小異の文面でいい加減に飽き飽きしてしまいますね。アメリカ雑誌ではメルセデスなんてほとんど取り上げられてないですけど・・・。メルセデスに興味津々な人々を批判するわけではありませんが、メルセデスのFF車を見ると三菱が頭に浮かんでしまい、クルマ好きとしては全く興味が湧きません。なんでこんなメーカースピリッツが体現されないモデルをちやほや出来るのか不思議です。

  それにしても「4気筒エンジンの頂点に君臨するメルセデス」みたいなテンションで提灯記事に参加してくるアホライターまで駆り出されていたりして、なんでそんなジャーナリズムにカネを払っているのか・・・なんて嫌な気分になったりもします。そもそも4気筒エンジンに近年では何ら実績が無かったメルセデスが、「2Lで360ps」いきなりこんなにハイリスクなエンジンを作れるはずもなく、だれがどう考えたところで、AWD技術、FFベースのシャシー、とひっくるめて全て三菱ライセンスの技術を応用した結果に過ぎないとわかるはずです。もちろんメルセデスの直4とランエボの直4はボア×ストロークも違いますし、あまり滅多なことを言うものではないですが、常識的に考えて「畑違い」の分野でメルセデスが急成長したこととあの悪名高い「M&A」が無関係には思えないです。

  それでもやはりメルセデスが三菱の技術を信頼して、十分に安全な高性能車を日本のユーザーにそこそこ納得できる価格で提供していること自体はとても素晴らしいことだと思います。東京の環状7号線を走っていると「A45AMG」が混雑にイライラしながら走っているのをたまに見かけます。「こんなところで走らせるクルマじゃないだろ」という気もしますが、そんな場違い感からこのモデルが新規の高性能車ユーザーを増やしてくれているのでは?という推測もできます。都心でも使いやすいサイズの「AMGモデル」というのはなかなか購入意欲を刺激するでしょう。とりあえずこのクルマがとても「日本的な高性能車」であり、それが日産や三菱ではなくて「AMG」ブランドで発売された。メルセデスによる日本の直4ターボのスピリッツに対する「リスペクト」と考えれば共感できます。

  さて品質管理において長年世界のメーカーのお手本にされてきたトヨタが、いよいよ欧州市場にレクサスを送り込む「イメージリーダー」として、2ドアのグランドツアラーを作ってきました。さすが「石橋を叩いて渡る」トヨタの開発スピードというべきか、2015年に改めて「Dセグ2ドアクーペ」に「V8NAの450ps」というややフェードアウト気味(ホットハッチに押され気味?)のクラスのど真ん中に直球勝負を仕掛けてくるようです。先代のIS-Fはベース車のポテンシャルから、「シャシーが」「アシが」と批判があり本場ドイツのグランドツアラーに及ばず終いだったのですが、トヨタ初?のDセグV8だったことを考えると重要な「一歩」だったと思います。

  そして歴代の日本の名車が飛躍を遂げることが多い2代目となり、「2ドア」「新型シャシー」「LDH(レクサスダイナミックハンドリングシステム)」・・・もの凄いペースで進化を遂げ、IS350Fスポで福野礼一郎氏に「画竜点睛を欠く」と言わせたシートも、RC専用のものを用意したようです(東京MSで座ってきました)。これで一気にM3/M4との差を縮めて一気に逆転まであるのではないかと期待できます。何より福野氏が突いた点をすでにトヨタが先回りしている(解っている)点に好感が持てます。しかもベース車同士と戦いではIS350FスポがBMW435iを圧倒したといっていい内容で、乗って見るとあまりの満足感に「Fは要らないかも・・・」となってしまうくらいです。

  さらにRCのベースモデルはISよりもワイド&ローに設計されていて、タイヤハウスの寸法にも余裕が出てくるので。ISが隠し持っている4輪操舵という飛び道具を使うこともできます。さらに「RC-F」ならもう1段階ワイドな設計で前後の4隅にグラマラスな張り出したデザインを展開するでしょうから、GSのFスポと同等に使うこともできるでしょう。スカイラインが止めてしまった4WSを継承という展開もなかなかロマンがありますが、その乗り味がベテランの評論家にどんな風に受け止められるのでしょうか・・・。その辺がトヨタの悩みどころかもしれません。

  「A45AMG」が日本の自動車文化への「共鳴」ならば、「レクサスRC-F」はドイツのクルマ文化への「憧れ」か「リスペクト」といったところかもしれません。トヨタは真摯にドイツ車を研究しているようですし、開発担当者の言葉にもメルセデスやBMWへの賛辞が溢れています(マ◯ダや日◯は「ドイツメーカーなんて格下!」くらいに思ってそうですが・・・)。ぜひ「RC-F」には日本でもドイツでも絶賛されるようなクルマとして成功してもらいたいと願っています。



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2014年7月22日火曜日

メルセデスSクラス・クーペ 「トヨタのFCVなんかよりも世界にとって断然に重要なクルマ」

   とてもリアルでは口に出せないけども、いつかは絶対に乗ってやる(笑)!と密かに思っているクルマ、そんな代表格がメルセデスの2ドア・フラッグシップGTカーの「CLクラス」です。全グレードがV8以上で「偽物なし!」という抜群の”本物感”は、1000万円以上払うなら絶対に備えておいて欲しい「美点」ですね。こんなこと言うと怒られちゃいそうですけど、メルセデスもアウディもBMWもエンジン次第で価格がガラッと変わってしまうので、V6や直4が設定されているほとんどのモデルには、もはや「ステータス」なんて全く感じられないです。BMW635iなんてボディは立派ですけど載っているエンジンはハッチバックのM135iと同じですし・・・。

  そんなドイツ御三家の中でも「アウディR8」とメルセデスCL改め「Sクラス・クーペ」だけは、絶対に汚れない高級車の尊厳を保っています。大学を出て働き出したころから「メルセデスCL」だけは全然格が違う!とズブの素人ながらに思っていました。だいぶ後になってから、福野礼一郎というカリスマライターの著書の中にも「CLだけは正直言って羨ましいと思う。」という一節を見つけたときは、自分のセンスにちょっとだけ自惚れたりもしました「オレやっぱわかってる」(バカが・・・)。一度そんな体験をしてテンションが上がっちゃうと、もはや他のメルセデスの良さが見えてこなくなっちゃうから恐ろしいものです。

  そんな「CL」という車名もいよいよ消え、新たに「Sクラスクーペ」として生まれ変わりました。名称が変わったことにどういう意味があるかなんて、まったく興味ないですが、新しいデザインは・・・やっぱりいいですね。レクサスもBMWも同じですが、やはりフラッグシップというだけで何でもカッコ良く見えてしまう"補正"を考慮しても、なかなかのデザインだと思います。特に気に入っている点はサイドの窓がとても小さいことですね。2ドアのメルセデスはピラーレス(窓枠なし)なドアのイメージがありますが、その憧れを裏切らない辺りが伝統の高級ブランドらしいです。

  このクラスのクルマになるとパワートレーンなんて比べようもないし、とりあえず私ごときが乗ったところで全く不満なんてないでしょうから、唯一の懸念材料がデザインになるわけですが、とりあえず写真で見る限りはパーフェクトです。このクルマのデザインを見ていると、現在日本で発売されている3BOX車の何処が気に入らないのかに気づかされます。なぜ現行レガシィB4やレクサスGS、そしてV37スカイラインがダメなのか?それはこのSクラスクーペの隣りに並んだらハッキリすると思いますが、やっぱり繰り返しになりますが、サイドの窓がデカすぎます。これ不思議なことに一度気になるとそこばっかりに目が行ってしまうんですよね・・・。

  一方で、サイドの窓が小さくて良いと思うのがレクサスRCですね。ショートデッキというクーペの特徴を素直にデザインすれば当然ながら小さくはなります。おそらく年内に公開されるであろうスカイラインクーペも小窓になってセダンからイメージ一新するでしょう。4ドアセダンでもちゃんと小窓にこだわってデザインしているブランドも探せばあります。「三大・デザイナーズ・セダン・ブランド」と勝手に命名させてもらってますが、アストンマーティン・マセラティ・マツダの3つです。セダンのデザインを大いに語るに値するのは、この3つだけだと個人的には思っています。

  最近、実車を見かけていいなと思った「E63AMG」の4マティックの走りっぷりに興味があるのですが、この新型「Sクラス・クーペ」もなんと全グレードAWDになるようなので、同じような加速が楽しめると思われます。クルマのキャラクターを考えるとGT-R並みの加速なんて不必要だとは思いますが、メルセデス最大レベルの5027mmの全長ながら全高はCLAよりもさらに低い1411mmですから、これだけワイド&ローの設計ならば、さらにAWDにしてこれまでに無いラグジュアリーカーを作ろうという意欲の現れでしょうか。いったいどれだけ安定感があるのか・・・。

  トヨタやホンダがFCVを間もなく発売しようとするご時世に、車重2トンを500ps、しかも燃費はたったの5km/L程度の2人乗りのクルマを乗り回すなんて、もはや恥ずかしいという意見もよくわかります。しかし先日も連休の関越道・藤岡JCTで上信越道(軽井沢方面)の分岐に優雅に入っていくCLを見かけましたが、(勝手な想像で恐縮ですが)これこそが誰にも否定されないクルマの醍醐味だよな・・・と思います。90%以上が会社名義で買うという「LS」や「Sセダン」で同じことをしても、ただの"節税車"としてしか見られず小馬鹿にされますが、経費に計上できない2ドアのメルセデスフラッグシップで軽井沢の別荘に乗り付けるなんて生活を目指して頑張りたい!と思わせてくれる・・・もの凄く貴重な一台なので間違っても無くならないでほしいと願っています。

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2014年5月29日木曜日

BMW M4 「F30系の一つの落とし所」

  BMW4シリーズは昨年の中頃に発表されてまだ1年も経っていないので、クルマのキャラクターもよく解らない部分もあるのですが、1つだけハッキリしていることは、「BMWのスピード感覚は素晴らしい!」ということでしょうか。スピードといっても加速や最高速が抜きん出ているという話ではなくて、矢継ぎ早に派生モデルを増やして「マルチ」なグレード展開に持ち込んでいるBMWの経営のスピード感覚が素晴らしいということです。

  トヨタや日産が数年かかって「コンバーティブル」をやっと出すのに対して、クーペ発売とほぼ同時に「コンバーチブル」が完成し、M社とアルピナ社から高性能版がそれぞれ発売され、そしてすでにグランクーペも完成しているわけですから、BMWファンならずとも、「華やかだな」と何やら惹き付けられる部分はあると思います。何より感心するのが、日本メーカーにはなかなか見られないプラス思考で、ベース車のF30セダンがBMWの最量販車種に相応しい活躍ができていないという(若干の)逆風の中で、ここまで強気にモデルを「乱発」する決断力は間違いなく世界ナンバー1でしょう。ホンダにもこれくらいの思い切りの良さがあれば・・・。

  さて4シリーズですが、ベース車のセダンが走りや内装の水準から「500万円のマークX」というやや不名誉な評価をされたことで、当初からあまり期待値が高くなく、評論家筋のコメントも「BMWを気楽に乗りたいならいいんじゃない!?」くらいのものが多いように感じます。F30セダンは新型の軽量シャシー(L7)採用に加えて、ランフラットタイヤを装備した上で一定以上の乗り心地を追求しようとした結果、サス剛性などBMW本来のアイデンティティに関わる部分に大きく手を入れてしまったため、特に輸入車大好きの評論家からの批判が絶えないですが、いくらBMWとはいえ新しいことにチャレンジすればそれなりに拙さを露呈してしまうのも仕方ないことでしょう。

  F30セダンも年次改良によって、初期の絶望的なまでの「裏切り」はなくなったようですが、それでもコスト削減を大前提としなければいけない最量販車の悲しい運命からは脱却できていないです。もはや「BMWではない!」とまで言わせた安定感の無さは、4シリーズのクーペボディでは全高が低く、重心が下がった結果ある程度は改善されています。しかしロール幅の絶対値が減ったことで、当たり前ですが入力による衝撃はより大きなものになっていて、セダンよりも乗り心地は悪くなっている部分もあります。

  やはり「限界が低い」設計の範囲内では、どう足掻いても納得いくパフォーマンスは出せない・・・という想いが、評論家筋の「見切った」ようなコメントにつながってしまうようですが、こんなクルマを、例えば435iは乗り出しでおよそ800万円ですが、売ってしまうBMWジャパンってのもまたスゴいインポーターですね・・・。そんな4シリーズにも先代の3シリーズクーペから変わって良くなった点もいろいろあります。一番のポイントは、何となく手狭で貧乏臭かった3シリーズクーペと違って、後席の空間にも配慮されたレイアウトです。クラスが変わるほどの拡大というわけではないのですが、「スポーティ」で「一人乗り」のイメージが強かった先代から、「ラグジュアリー」な「デート車」へと大きな転換を果たしています。

  以前なら無理して6シリーズの中古車を選んでいた人の中でも、4シリーズならば「許容範囲」という意見はあるでしょうし、4シリーズ設置の最大の狙いは「ラグジュアリー・クーペ」ユーザーの関心を集めることにあります。しかし6シリーズとは別の簡易的なシャシーを使った4シリーズではコアな「自動車好き」には簡単には訴求できません。おまけにベース車が「BMWらしくない」という烙印が押されてしまっていては、やや絶望的なように思えます。ただし6シリーズにしても車重2トンを誇る巨漢で、そのスタイリングに惚れて盲目的に購入に走る人もいるようですが、「自動車好き」が絶賛するタイプのドライビングカーというわけではないんですよね・・・。

  むしろ「ドライビング」と「ラグジュアリー感」の両方を楽しめる4シリーズのサイズが、シャシーやら設計やらの話を抜きにすると理想的と言えます(もちろん好みの問題ですが、一般論として・・・)。ということでBMWとしては是が非でも4シリーズに世間の注目が集まるようなグレードを設定したい!というのが本音だと思われます。ディーゼルやコンバーチブル、グランクーペなどいろいろと「刺さる」ポイントを投げかけて、数打ちゃ当たる作戦?といった感じでしょうか。

  そんなバラエティ豊かな4シリーズの決定版と言えるグレードがやはり「M4」なんだと思います。たしかに価格は仰天の1000万円越えなんですが、4シリーズ唯一のMTモデルを設置するなど話題を振りまきつつありますが、やはりF30系を悩ませるランフラットタイヤを使わないという選択が「M4」における最大のポイントかもしれません。同様にランフラットを使わないM235iも断然に乗り心地が良いようで、M4も期待ができます。直6ツインターボの新開発ユニットに軽量CFRPルーフの採用など、他にも「刺さる」点はいっぱいあって、いよいよ4シリーズに本命が登場したと言えるかもしれません。
  

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2014年4月28日月曜日

マセラティ・"アルフィエリ"・コンセプト 「マセラティ版フェアレディZか?」

  マセラティと聞くと、私のような貧乏人にはなかなか縁が無いブランドなんですが、いよいよ「グランツーリズモ」の中古車が500万円を切る価格帯になってきて「無縁」とまではいかないくらいかな・・・。しかしイタリア車に限った話ではないかもしれないですが、欧州ブランドの塗装は酷いもので中古車の「色褪せ」っぷりはなかなか悲惨。街を行くクワトロポルテの「くたびれた」個体の多さにはビックリしますね。いくら憧れのブランドだからといっても、これじゃあ何処に行っても恥ずかしい限り。

  なので「マセラティ」に乗るならば、一世一代のお買い物覚悟で新車を買うべきと考えているのですが、本体価格が「1550万円!!!」に圧倒されてしまいます。「まあポルシェにしとこうかな・・・」なんて獲らぬ狸のなんとやら・・・な感想が思わず漏れますね。最近では「ギブリ」という、やや価格を抑えた戦略モデルの投入で、日本他の主要市場で軒並み前年比300~400%アップを記録しているマセラティは、この「アルフィエリ」という名の2ドアクーペと、さらに1000万円を切る価格帯のSUV(レヴァンテ)まで投入して、さらなるシェア拡大(ブランド安売り)を画策しているようです。

  この「アルフィエリ」開発のきっかけは、ジャガーFタイプの成功だと言われています。1000万円クラスのスーパースポーツ市場は、「ポルシェ911」「日産GT-R」「シボレーコルベット」による三つどもえのスピード対決が異次元過ぎて、これまでは新規参入はほぼ不可能と思われていました。しかしジャガーがあっさりと「突破」したことで、このスーパースポーツ3台の予想外の「顧客満足度の低さ」が露呈しました。0-100km/hのタイムが3秒台であることを、実際のユーザーはそれほど重要視してはいないようです。

  この事実はマセラティにとっては恰好のチャンスということで、その設計を見ると随所にジャガーFタイプを参考にしたと思われる箇所が見られます。「RエンジンRWD」の911と「FエンジンAWD」のGT-Rが基準となるクラスですから、とても「FエンジンRWD」に「4座」という高級車風情の「通常のマセラティ」の定番設計では勝負にならないということで、今回は「2+2座」を採用し限りなくホイールベース中央にドライバーシートを持ってくる設計になっています。911やGT-Rに対抗する「Fタイプ」「コルベット」は完全な2座ですから、ほぼそれに近い設計を踏襲しています。

  これにフェラーリ・カルフォルニアのFR向け8気筒エンジンが載れば、ガヤルドの設計を取込んだアウディR8みたいな立ち位置のクルマになります。詳細は発表されていませんが、全長を考えると「アルフィエリ」はマセラティの新設計ではなく、フェラーリカルフォルニアから基本設計を移植したものと考えられます。マセラティブランドだとしてもV8が載ればフェラーリに近い価格になるようですが、マセラティの主力エンジンはV6ターボへと移行しているので、こちらの搭載モデルならば1000万円以下に収まりジャガーFタイプと競合するようです。

  ジャガーFタイプは1000万円を下回る本体価格で、一般的なクルマ(大衆車・プレミアムカー)とはハッキリと一線を画した「スーパーカー」としてのシルエットを持っています。全長は同じ2ドアの「XK」(4780mm)と比較して300mmほど短くなっているのですが、クルマが持つ存在感は全くと言っていいほどに損なわれていません。「2シーター・マジック」と言うべきでしょうか、2座のクルマがやや珍しくなってきた現代では独特の「高級感」を再び持つようになってきたのかもしれません。ト◯タM◯-Sとかが街に溢れていた昔は、この手のクルマはだいぶ印象は安っぽかったのですが・・・。

  ジャガーに倣って、「グランツーリズモ」を400mmほど縮めた「アルフィエリ」もまた、エクステリアは完全に「特別なクルマ」を表現しています。コンセプトカーのボディが「シルバー」に塗装されているせいもあって、正面は「メルセデスSクラスクーペ」や新たに投入されるBMW8シリーズのプロトとされるモデルに近い印象ですが、側面からリアにかけてどこから見ても、その辺に溢れているレ◯サスやメル◯デスといった「自称:高級車」とはまったく違う磨き抜かれたディテールを誇っています。これで1000万円以下ならばFタイプ同様にお買い得と言えるのではないでしょうか?

  
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マセラティ・アルフィエリ・コンセプト」動画

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2014年4月21日月曜日

BMW M235i 「残念ながら次を待つべき」

  BMWがかなり意識してCMを仕立てていて、70年代の名車を引き合いに出していることからも、引退世代の人々に買ってもらいたいという意図が良くわかる。30~40代といった従来のBMWのターゲット層は今回は完全に置き去りにされている。中にはあのCMでBMWの本質に触れた気分になって買ってしまう若者もいるのかもしれないけど、まだ買うのは早いのかなという気がします。これからこのモデルはさらに良くなっていくのは確実ですから!

  以前に他のブログで「限りなくポルシェに近い!」なんて軽々しく言ってしまいましたが、あと100kgはシェイプアップしないとケイマンの代替モデルには成れないですね。RWDならばミッドシップの方がプロペラシャフトの分だけ確実に重量が稼げますし、この「M235i」のようなFRだとどうしても前方に搭載されるエンジンによって前後重量配分に偏りができてしまい、トラクションを確保するため(駆動輪に車重がかかるようにする)にもクルマ全体を重くしなければいけなくなります。これを抜本的に解決するには、BMWが新型で軽量化された直6エンジンを開発するしかない!となってしまうわけです。

  BMWや日産はセダンベースの改造スポーツモデルを主眼にしているので、ポルシェ(911、ボクスター、ケイマン)を相手にするならば、構造的なハンデキャップを抱えていることになります。VWグループのようにアウディはFFベースでポルシェはRRベースといったトラクション重視の設計はやはりとても説得力がありますし、メルセデスやレクサスのように「スポーティ」をFRで追求することは無益と判じるのも極めて合理的です。「FRだけど根性(技術)でカバーするぞ!」みたいなバカ全開の男臭さが、BMWや日産GT-Rの魅力だったりするのかもしれませんが・・・。

  BMWが最近発売したM3/M4は目一杯?の軽量化に取り組んでいて、400psオーバーのスペックで1500kg程度まで抑えることに成功しています。これでパワーウエイトレシオは従来モデルよりも大幅に向上していて、さすがにスーパースポーツの911GT3には及びませんが、RWDモデルの911カレラSと同水準にまで持ち込んでいます。BMWの執念を感じるM3/M4なんですが・・・いまいち盛り上がっていないのが残念です(価格かな?)。

  さてそんなM3/M4と比べてしまうと1550kgとややウエイトダウンが不十分な印象があるM235i。あれだけスポーティさをCMでアピールしておきながらも、乗り味重視のヘビーな設計にはBMWのしたたかさすら感じます。去年の半ばに報道された南アフリカのロスリンでラインオフしたプロトタイプは車重1350kg程度と報じられていましたが、フタを開けてみると全くコンセプトが変わってしまうほどの1550kgに落ち着きました。果たしてプロトにあった問題点とは何だったのか?考えられるのは2点で、1つは「静音性・乗り味がいまいちだった(ので防音材を追加した)」。もう1つはあまり想像したくないのですが、「軽量化のための素材が高コストなために仕様が変更された」です。

  どちらの理由にせよ新規設定された2シリーズクーペの最終的なコンセプトは、スポーティではなく、高級感ある乗り味に落ち着きました。BMWにおけるこのクルマのポジションを考えると「スポーティ」を連想してしまいますが、乗ってみてビックリの静粛性だったりするわけです。スポーツカーを心から渇望する人にとっては物足りなさがあるでしょうけど、これからBMWオーナーになる人にとっては「さすがはBMW!スポーティモデルでも高級感が隠し切れない!」という満足感につながるのかもしれません。実際にそういうクルマに満足する人が大多数というのも事実なんですが・・・。やっぱり次が見てみたい気がしますね!


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BMW2クーペ」CM動画

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2014年3月27日木曜日

レクサスRC 「やたらとスポーティだが・・・」

  レクサスのカタログモデルとしては久しぶりの「屋根が開かない」2ドアモデルとなる「レクサスRC」。これまでのコンバーチブルとはちょっと勝手が違って、どう個性を出していくかの選択にやや戸惑っているのでは?というのは余計なお世話か。ライバルはクーペを作り慣れているBMWとインフィニティ。そしてこのレクサスRCの最大のミッションは、北米市場で展開されるであろう「BMW4 vs インフィニティQ60」という、クーペ頂上決戦に参入して一定のシェアを得ること。

  去年暮れの東京MSのレクサスブースの中心は完全にこのRCでした。期待を大きく上回るエクステリア、特にリアの造形は4シリーズを飛び越えて、BMWの「イディア」でもある6シリーズに迫る艶かしさが感じられます。顔面はドイツ車ばりの個性でBMW4に伍する出来で、お尻はVC36スカクーを相手に堂々と立ち回れるほどの高級車調。これならばジャガーやアルファロメオにだって対抗できる。さすがはトヨタといった仕事ぶりで同じ土俵に立てれば常に優位になるように出来てます。

  これでレクサスISと同等の走行性能と内装が加われば十分に競争力を発揮しそうだけども、どうやら今回はさらなる「ブレークスルー」を狙っているらしい。まあこのクルマでスーパーGTに参戦して相当にお金を使っているわけだから、必勝を期して完璧な体制を整えるのも当然ではあるけど。RCから導入されるFスポ専用シートは東京MSで体験してきました。どうやら高級車にレザーシートという時代はいよいよ終わりを告げそうな予感がします。

  もちろん屋根が開くクルマならホコリ対策でレザーシートが必須なんでしょうが、最近の新素材ファブリックは座り心地がどんどん向上するし、見た目の耐久性もレザーより断然に良くなっている気が。そして内装デザインに占めるシートの役割はかなり大きくなっていて、ハイセンスな空間は必ずしも「木目パネル&レザーシート」ではなくなっていて、カーボンパネルにステッチ入りのウレタンファブリックシートがぐんぐんきています。

  BMW4、スカイラインクーペ、レクサスRCといったキャラクターを考えると、確実に「後者」が選択されますし、メルセデスSもジャガーXJも若い層を取込むために「意図的」に木目を放棄しています。まあこんな「変革」の時期に久しぶりにクーペを発売するレクサスにはそれなりのリスクがあるように思います。

  レクサスRCはスポーティなシートやアルミペダルを標準装備する「Fスポ」でクルマのイメージを作ろうとする意図を感じます。そもそもDセグクーペが500〜600万円という価格で買う側の立場に立ってみると、本当に欲しい要素は、シートやペダルなどいくらでも「後付け」できる部分ではない気がします。例えば「スポーツモード」にした時にHVのモーター制御が変わり300ps超の出力になる!みたいなワクワクする装備だったり、ラグジュアリーカーとして振るならば助手席オットマンシートを付けるなど、「このクルマじゃなきゃダメ」と思わせる仕掛けが必要じゃないですかね。こんな機能は300万円もしないアバルト595や日産ティアナでも出来てしまうことなのですが・・・。

  トヨタが想定しているのは、おそらく「レクサス版の86」といった立ち位置なのかな。86がいいなと思うけど世間体がという裕福なおじさんたちに買ってもらおうという魂胆があるように思います。しかし本当にスポーツを志向するなら専用設計の86を買うでしょうから、あまりにもRCがスポーティだけというのは疑問な気がします。どうせそこまで気にしてクルマ買う人は少ないだろうと、クラウンと同じように考えているのであれば「地獄に落ちろ」と願わずにはいられません。




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2014年3月21日金曜日

ベントレーコンチネンタルGT 「人生の醍醐味を感じさせてくれるクルマの生き残り」

  メルセデスCLが新たにSクラスクーペとなって発売されるようです。2000万円クラスの超高級車なんて、どう考えても残念ながら縁が無さそうです。現行CL・AMGが7年落ちで400万円くらいになるでしょうけど、いろいろハードルが高いかな(潔癖性など・・・)。メルセデスの最高級車なんてそれほど興味は無いのですけど、CLだけはまったく別物で、理由は「2ドア = ドライビングカー」だから。SLやCLSは街中にうようよしてますけど、CLを街で見かけることはとても稀で、このクルマだけは正直言って羨ましいと思ってしまいます。

  CLは同年代のメルセデスラインナップと比べても、特別な内装が与えられていて、SLやCLSみたいに「V6」という情けないグレードはありません。つまり街で見かけるCLは全て正真正銘の超高級車。その一方でSLやCLSは100万円台の中古車がたくさん溢れてますから、どうも「嘘くさい」と思ってしまいます(ほとんどV6ですし)。もしなんかのきっかけでお金を持つようになった時に買うであろうクルマは、CL(Sクーペ)かレクサスLSのどちらかだと思います。いや・・・候補がもう一台くらいあったかも。

  CLと同じくらい「官能的」で憧れるクルマは、マセラティグランツーリズモ!なんかじゃなくて、ベントレー・コンチネンタルGTですね。英国が誇る超高級ブランドの2ドアクーペ。おそらくラグジュアリー基準ならば世界で最も魅力的なドライバーズカーです。中古車価格は10年落ちで600万円。希少性もあるでしょうがCL・AMGを超える評価額が付いております。600万円という多少は現実味がある価格だと、ほんの一瞬だけ前のめりになりますが、すぐに「いやいや・・・これじゃダメだ」とすぐに我に省りますが。

  フェラーリやらランボルギーニやらいわゆる超高級車というのは、日本では大抵は「スーパースポーツ」だったりするわけですが、こういうクルマを所有することをちょっとでも想像すると、なんだか言いようのない背徳感に襲われます。そして彼女や母親の悲しむ顔が頭の中でぐるぐる回るので、「こんなクルマ買うなんてバカバカしいな」とすぐに否定。それじゃあ911やGT-Rならどうか?これもやはり「ダメではないか」と最近思うようになりました。やはりクルマは人生を豊かにするためのものですから、最も尊重されるべきは家族と楽しいクルーズができ、その価値が十分に分かる性能、つまり「乗り心地」だと思うのです。

  ちょっとバカな想像ですが、もし私に相応の経済力があって、超高級車に乗れるとなったら、やはり家族との時間を豊かに共有できて、自分も最大限に満足できるクルマを選びたいですね。そこで数あるモデルの中から残るのが、今のところ「CL」「LS」「コンチネンタルGT」の3台。まあ残りの人生をこの3台のどれかに辿り着けるようにひたすらに頑張るだけ・・・なんと単純!(とてつもなく難しいですが・・・)。とりあえず人生を頑張ろうと思わせてくれるクルマを作った「メルセデス」「レクサス」「ベントレー」は偉い!ということは確かです。





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2013年11月7日木曜日

インフィニティQ50Sに対抗する「新世代GT車」は?

  いよいよ日本でも発表が間近と言われている、新型スカイラインこと「インフィニティQ50」は、日産の開発陣が「最後の力」を結集した究極のGTセダンになっているようです。早くも海外動画ではその圧倒的な走行性能が話題になっています。ハイブリッド車でも全く妥協しない360psオーバー(レクサスLS460に匹敵)の出力で1700kgの車体をしばき倒します。ノーマルグレードのDセグセダンでこんなことやってるクルマは世界中見渡してもないです。200psでズルズルと車体を引きずって走るレクサスIS300とは根本的に違うコンセプトのクルマです。

  「価値ある高級車」を作りたいという日産の思想は素晴らしいです。噂される価格も450万円前後だそうで、現行では最高のDセグ"GT"セダンと言える「レクサスIS350」よりも70万円ほど安くなるという抜群のコストパフォーマンスです。ちなみにメルセデスC350が705万円でBMW335iツーリングが720万円ですが、この2台を軽く凌駕する性能を新型スカイラインは標準スペックで発揮します。

  メルセデスやBMWでもお手上げなのに、マツダやスバルじゃもはやどうすることもできないですよね。いよいよDセグ"GT"も新型スカイライン以降は廃れていってしまうのではないかと心配してしまいます。ホンダやフォードでもよっぽど無理しないと500万円程度で対抗車種は用意できないと思います。BMWも4シリーズなど悠長に発売している場合じゃないはずです。これらが日産に追いつくためには、新型パワーユニットに加えて、重量増でもハンドリングを確保する新機構の開発と、スカイラインに匹敵する堅牢なシャシーを用意しなければいけません。

  今後はBMW・マツダ・スバルといった中堅メーカーはCセグで新たに"GT"車の理想を追っかけていくことになりそうです。この3社は揃って日産のライバル筋にあたるトヨタの友好メーカーです。今後はレクサスとともに「スカイライン包囲網」というべき個性的な”GT”ラインナップを増やしてくれると思うのですが・・・。

  レクサスとBMWはどちらも400psオーバーのスーパースポーツ級“DセグGT"をまもなく出します。しかもご丁寧なことにラインナップが被らないようにレクサスは「V8」のRC-FでBMWは新開発の「直6ターボ」のM3・M4と作り分けてあります。特にBMWの新型ターボは先代のV8搭載のM3よりもさらに出力がアップしていて、日産GT-Rのツインターボに似た機構になっているのだとか・・・。

  マツダとスバルも今後スペシャリティ"GT"を幾つか用意するようですが、こちらもラインナップが被らないようにしているようで、マツダはディーゼルとメカチューンで高出力化されたNAガソリンの2本立てで、アクセラをベースにしたスポーツモデルが登場します。スバルもやはりインプレッサをベースにしているのですが、こちらは新開発の1.6Lターボを使ったホットハッチとワゴンで「実用性の高い」欧州で選ばれるような王道"GT"を出すようです。さらにトヨタとコラボしている86/BRZの年次改良で「4座」ライトウエイトスポーツというジャンルの拡大も狙っています。

  すでに発売が発表されているまたは存在が確認されている「トヨタ陣営」の即戦力"GT"を挙げると「マツダアクセラディーゼル」「スバルレヴォーグ」「レクサスGS-F」「レクサスRC-F」「BMW・M3/M4」・・・。さらに価格と性能で新型スカイラインにかなり接近しているのが「BMW235iクーペ」です。トヨタプリウスの軽量化技術を使っていて、320psながらスカイラインよりも300kgも軽く、0-100kmを4.8秒で駆ける俊足マシンです。価格も500万円台で出てくれれば、スカイラインのスポーツモデル「インフィニティQ50S」とほぼ同等になるでしょう。もちろん車体は小さいですが・・・日本の峠には好都合なはずです。期待して待ちたいと思います。


関連記事「BMW2シリーズ〜瀕死のブランドを救うか」



 

2013年10月9日水曜日

F32・BMW4シリーズ 「3クーペから一体何が生まれる?」

  BMW4シリーズ発売に合わせて3シリーズ全グレードの値上げが行われました。これはライバルから遅れをとっていた衝突回避・被害軽減ブレーキを標準装備したためで、一律に10万円ほどなので、BMWを買うぞと意気込む人々にとってはモテベーションに影響はないでしょう。しかしF30系に至って3シリーズもいよいよ完全に牙が抜かれて、強調するポイントがほとんど無くなってしまったのですが、それでも乗り出しで軽く500万円オーバーという強気な価格設定の無謀さには一体いつまでつづくのでしょうか?

  さて新たに設定された4シリーズには直6ターボ(435i)がまだ残されていてよかったという声も聞かれます。それでもBMWは一体この中途半端な印象しかないクルマをどんなユーザーに届けたいのでしょうか? あまりにもユーザーを甘くみているのではと思う点も多々あります。クルマにあまり興味がない人に向けた「それっぽいクルマ」を作って、底辺を拡大しようというなら意図はわからなくもないのですが・・・。元々3シリーズとは矛盾に満ちた存在ではありましたが・・・。

  3シリーズのコンセプトは2代前のE46までは大きく分けてふたつありました。一つは現在のF30に受け継がれる北米市場を意図したサイズ拡大を意図したもので、もう一つは現在の1シリーズにつながるtiと呼ばれたコンパクトサイズのものです。簡単に言うと「恰好ばっかりでつまらない」ものと「かっこ悪いけど愉しい」ものの2つです。

  このF32はサイズ拡大した方のF30系のクーペなのですが、これが実に「絶妙」というか「微妙」というか解釈の分かれる立ち位置のクルマです(だから中途半端です)。個人的に好きか嫌いか?と問われたら「嫌い」と答えます。一方でこのクルマに満足する人の気持ちもなんとなく分かります。BMWというネームバリューを外して考えても、エコ主流の大人しい日本のDセグとは別路線を突き進むヤンチャなコンセプトだけでも十分に評価に値します。

  ただクルマが持つコンセプトが強過ぎて、例えば50~60歳代のオヤジが満足気に乗っていたりすると、全てが裏目に出てしまいます。かといって20~30歳代が気楽に買える価格のクルマでもないわけで、結局は「日本では」乗る人がいないクルマになってしまいます。現実問題としてドイツでもアメリカでも乗る人がどんどん少なくなっている(クルマが人を選んでしまっている)クルマがF30系だったりします。

  先ほども述べましたが、1シリーズも3シリーズも元々は同じクルマで今もBMWの「L7プラットホーム」を共通で使っていて60%以上の部品を共有しています。この2つが分かれた2004年からBMWの販売が変調し始め、2000年代後半にはドイツでの販売で後発のアウディに追い抜かれ、北米でもE90系がインフィニティG(V36スカイライン)に完敗しました。2006年にBMWの経営陣が突如交替するなど、内部のドタバタもあり2012年までに180万台という目標も未達に終わりました。

  BMWファンの中では「おさかな顔」や「直6モデルの廃止」が不振の原因と言われているようですが、やはり根本的な問題はバブル期から販売の主体を担ってきた3シリーズを安易にクラス分けしたことではないかと思います。後に「品位を失った1シリーズ」と「翼を失った3シリーズ」へと分裂したE46までの旧3シリーズにおいては、走りの面で評価されていたのは「TI」ことコンパクトでした。

  主に1.6~2.0Lの直4NAを搭載していたコンパクトは軽量かつ高剛性で限りなくスポーツカーに近い乗り味を実現し、このクルマの影響下にあるとされているのが、日産のP10プリメーラとマツダのGG系アテンザでいずれも欧州で高い評価を受けました。軽量で高剛性のボディを気持ちよく回るNAエンジンで引っ張るC/Dセグスポーツセダンというコンセプトは2000年代前半のFF車のトレンドとして定着しました。

  しかしホンダやアルファロメオが自慢の高回転型ロングストローク(この両社のエンジンは回り過ぎてバルブの物理的限界値に到達してしまったらしい)を持ち込んだ時点で、突如として自動車のトレンドがSUVなど他のボディタイプのクルマへと移ってしまい、2000年代後半には作られなくなりました。

  結果論ではありますが、C/DセグメントこそがBMW3シリーズにとって理想郷だったのだと思います。Cセグになって「お山の大将」に堕ちた1シリーズと、北米トレンドに乗ってかってD/Eセグまでサイズを上げた3シリーズのどちらも、かつての輝きは大きく失われてしまいました。そもそもが2つのコンセプトを1つの車名で演じたあやふやな存在だったのですが、ターボ化されて大衆化した1シリーズと、プレミアムでもスポーティでもない安モノの3シリーズに分かれてから欠点ばかりが目立ってしまいました。E46時代に318TI(直4NA)と330i(直6NA)を乗り比べた著名な日本人評論家がこう評していました。  〜 330iのオーナーが「オレはいいクルマ乗ってんだ」って318tiのオーナーの前で胸張ったら、そいつはただの裸の王様だよ。 〜  

  現行の1シリーズと3シリーズも未だにこの「ねじれ」の関係から脱していないのではないかと思います。そしてそれぞれのクーペ版である2シリーズと4シリーズにも同じことが言えるようです。BMWとしては4シリーズの直6ターボ2モデル(435iとM4)に従来モデルからパワーアップした設定にして、この寓話からの「脱皮」を図っているようですが、乗り出し価格が435iで約800万円と強気です。コレ買うならR35GT-Rにいくでしょ・・・というのが自然か。もしBMWが本気で硬派なスポーツメーカーならスカイラインのライバル車である3/4シリーズをベースにしてGT-Rを超えるクルマ作るのでは?根性みせろ!



↓プリメーラ・スカイライン・GT-Rの生みの親こと、水野和敏氏はBMWやベンツを決して認めていないようですね。欧州メーカーはポルシェとジャガーだけ!でもプリメーラはパクりじゃ?

 

2013年8月12日月曜日

官能至上主義! 頂上決戦! BMW6・マセラティグラントゥーリズモ・ジャガーXK

  「BMW6・マセラティグラントゥーリズモ・ジャガーXK」 この3台には日本車が逆立ちしても敵わないラグジュアリーカーの「イディア」が備わっているような気がしてならない。動力性能だけなら日産GT-Rやシボレーコルベット、ポルシェ991型911の方が上なのだろうけど、彼女と幸せな時間を過ごすならやはりカッコイイ車の方がいい。同じ理由でランボルギーニ・フェラーリ・アストンマーティンのV12モデルもこの3台から見れば蛇足に過ぎるクルマだ(と思う)。

  やはりクルマは相対的な評価をされるものではなく、むしろ絶対的な評価で「ほしいか?ほしくないか?」こそが唯一の基準なのではないかと思う。0-100km/hのタイムが5秒台ならば十分にスペシャルなクルマだと言える。それが3秒を切ったからといっても大した価値は感じられない。1000万円出してもほしいと思えるクルマは?と訊かれれば、その答えは人それぞれだろう。独断と偏見で日本で乗り回すクルマを選ぶとしたら、今のところこの3台くらいしか見当たらない。

  この3モデルはいずれも現行モデルだが、いずれは廃盤になってしまう。果たしてこの3台に変わるクルマを作ってくれるメーカーはあるのか? とりあえずBMWは後継モデルを作りそうだが、マセラティとジャガーはなかなか気まぐれで、そもそもFMCという発想がないメーカーだ。他のブランドで期待できるのはレクサス・ヒュンダイ・ホールデンの3社だろうか。

  レクサス(もしくはトヨタ)はBMW6の次期モデルを移植してBMWからのOEMを行うことを発表している。トヨタもかつてはソアラなど好デザインのラグジュアリーカーの実績があるが、どうやらレクサスブランドのデザインが迷走している中で自信を無くしているようで、無難に売れそうなBMW製を選択した模様だ。VWとの激しい競争が続く中で、ライバルと同じ方法を採用するのもやむを得ないことだろう。

  ヒュンダイは高級車重視の方針を既に発表している。これまでは日産とメルセデスをベンチマークして高級車を開発してきた経緯があるが、韓国国内ではイマイチ支持されずシェアが低下していると言われている。ヒュンダイの急拡大路線を考えると、今後はV8エンジン搭載のスポーツラグジュアリーへの進出が濃厚だ。VWやトヨタと違って老舗ブランドと協調することなく、独力でブランドを創出しようという高い志を感じるが、一体どんなクルマが完成するのだろうか?

  ホールデンは右ハンドルのラグジュアリー部門で今後台風の目になりそうな、GM系の豪州メーカーだ。すでに欧州でも500psクラスのVXR8というスーパースポーツセダンを同じGM系のボクスホールから発売していて実績もある。このクルマはスペックとしてはSRTチャージャーやシボレーカマロのような米国型V8セダンなのだが、デザインは日本や欧州と親和性が高い。ちょっと雑な話だが、GMグループが総力を挙げてコルベットのようなデザインのボディをホールデンに持ち込めば、割と簡単にラグジュアリーセダンができてしまうだろう。

  この3社以外にも、マセラティの親会社フィアットグループに属するクライスラーのSRTブランドや、GM・クライスラーへの対抗からフォード=マツダ陣営も協調して趣味性の高いクルマを開発してくることも十分に考えられる。アメリカメーカーが本気で参入すれば、日本での発売価格も高騰が避けられるだろう。日本で1000万円を下回る価格帯で、官能的でV8を積んでいて100%趣味の豪華なクルマがしのぎを削るようになる日も近いような気がする。


 

2013年6月27日木曜日

BMW135i クーペ 「ポルシェに最接近したBMW車」

  BMWとポルシェを比べるなんて、あまり実りの多いことではないが、どちらにも共通するであろうことは、スポーツカーメーカーとしての「野蛮さ」を十分に持ち合わせていることだ。多くの自動車好きはこの「野蛮さ」を所有することに絶えず憧れている。しかしそれと同時に、その「野蛮さ」がほぼ手に負えないレベルであることも良く分かっている。よくスポーツカーに乗る人は自身を「マゾ」と評することが多いが、これは実に的を得た表現だと思う。

  BMW135iクーペは、カタログスペックからすでに「野蛮さ」が滲みでている。BMWにしては決してカッコいいとは言えないスタイリングであったり、後席の居住性を無視したほぼ2シーターの設計であったりと、すでに「乗用車」とは呼べないレベルのクルマだ。これに170psの直4ターボが乗っているだけならなんの魅力もないクルマだが・・・。結局のところBMWの直6ターボを存分に楽しみたいという「根源的な欲求」に対して、他の全てをスポイルしてでも応えようとした「男気溢れる」クルマだ。

  本来はプレミアムブランドとして、居住性にも十分に配慮されたクルマ作りをするBMWが「本能のままに」作ってしまった問題作と言えるのかもしれない。とにかくBMWで一番に「マゾヒズム」に徹したクルマだ。同時にBMWの魅力の源泉といえる直6ターボ搭載モデルを、このブランドにしては比較的低価格で所有することができるという「究極のエントリーモデル」だ。しかし残念なことに、せっかく「エントリー」してもBMWの上位モデルではスポーツ性をこれ以上に体感できるクルマが用意されているわけではない。この135iクーペでポルシェに近い世界観に近づいたものの、あとはひたすらにフォーマルな高級車基調の上級車種がラインナップされているだけで二度とポルシェ的世界観には近づくことはない・・・。

  ポルシェもまた「BMW的」な高級車展開で完全に味を占めてしまっていて、カイエンやパナメーラは高級車の趣でしかなく「野蛮さ」とは無縁に感じられる。現行の911(991型)もかつて持っていた「野蛮さ」を失いつつあるようだ。それでもさすがはポルシェで、911ターボSの試乗動画などを見ていると、経験豊かなライターが「おっかなびっくり」でおそるおそる運転している様子が分かる。海外試乗ともなればアウトバーンを250km/hで走るシーンが出て来たりするが、いつもは偉そうなコメントを連発するライターの声が心無しか震えて聞こえたりする。

  BMW1シリーズクーペは現行モデルを持って廃止され、次期モデルは「2シリーズ」としてラインナップされる予定だが、不思議なことに2シリーズと聞くと「野蛮さ」が影を潜めてしまうような気がする(スペックがどうなるかなど全く説明されていないが・・・)。1シリーズクーペに一定の「ラグジュアリーさ」を追加しようという意図で2シリーズをデビューすれば、一時的にはスポーツ車メーカーとしてのBMWにとって大きな打撃と言えるかもしれない(装備が豪華な135iクーペなんて魅力半減では・・・)。

  BMWの本来のライバルのメルセデスはいよいよA45AMGを投入して、高級車ブランドというだけでなく、スポーツカーブランドとしての地位を築こうとしている。このクルマは過剰スペックなハッチバックといった印象になっていて、「野蛮さ」を前面に出してくるブランディング方法を意図しているのかもしれない。やや「野蛮さ」が薄れつつあるポルシェやBMWを尻目にどこまで成長を遂げるのだろうか・・・。「野蛮さ」が全くないくらいのレクサスやアウディに比べて、非常に野心的なメルセデスの戦略はなかなか奥が深い。


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↓だいぶジェントルになってきたが、それでもRRという時点で相当過激だ・・・

  

  

  

2013年4月27日土曜日

ベンツCL 「VIPカーとか言わないで・・・」

  最近では500万とか600万といった価格で「普通のクルマ」が平気で売られている。日本車ならばせいぜい200万円程度の性能なのだが、「新型輸入車」というだけで結構な価格になる。ただ輸入車といっても海外メーカーが製造しているというだけでしかなく、伝統のスペックだとか「日本車にはない輝き」なんてものはなく、ドイツメーカーが南アフリカやメキシコの工場で作らせた「普通のクルマ」だ。多くの部品は日本車の真似をして使われているし、環境性能を高めるために「直4エンジンを使って、車体を軽量化」していたりして、その内容はまさに「普通の日本車」だ。

  そんな状況なので、例えばDセグセダンを選ぶとしたら、ドイツ車でも日本車でも大きな差は無いと言える。「レガシィ」だろうが「BMW3」であろうがどちらも満足できるクルマだし、それ以上のことをを期待できるクルマではない。これは「スカイライン」「クラウン」「アテンザ」「Cクラス」「アコード」どれも同じことが言える。1.8LのNAで内装も良くないのに価格だけは一番高いCクラスに文句をいう人もいるかもしれないが、そんなのは些細なことだから気にしなくていい。どのクルマもバランスが良いのでファーストカーとして気に入ったのを1台持っておけばいいと思う。

  世の中にはまfだまだ「バランスの悪い」クルマが存在する。そういうクルマを所有すると、燃費が異常にかかったり、維持費や修理費が青天井だったり、とにかく「メチャクチャ」なのだが、セカンドカーとして一度は所有してみたいと思ったりする。ポルシェ911や日産GT-Rのような「スーパースポーツカー」もいいが、最高のラグジュアリーが表現できる「2ドアFセグクーペ」は最高の贅沢だと思う。Fセグを買うときは間違っても4ドアを買ってはいけない(と思う)。4ドアの高級セダンに乗っていても「どっかの社長が経費で乗ってる」くらいにしか思われないので、例えば別荘地に乗り付けても「頭の悪い経営者」扱いされるのがオチだ・・・。

  メルセデスCLは、「メルセデス」というブランドがBMWやレクサスとは次元が違うものだということを如実に示すクルマだ。レクサスLSやBMW7に2ドアクーペを作っても「まったく」売れないだろう。なぜならこれらは「法人」向けのクルマでしかなく、2ドア車では「経費」にならないからだ。メルセデスCLだけが唯一セダンベースのクルマとして、フェラーリ、アストンマーティン、マセラティと並ぶ「プライベートカー」としての評価を勝ち得ているというのが「現実」だ。つまりSクラスの代わりはLSでいいけど、CLの代わりは日本車には存在しないのだ。

  同じメルセデスに「CLS」という4枚ドアでEクラスベース(つまりクライスラー300と同じ)で1000万とか価格を付けている「ふざけた」クルマがある。このクルマが売れているのは、「経費で落とせる」からだ。よっていくらスタイリッシュだからといっても「経営者」でも「高所得者」でもない人が「個人所有」したら笑い者にしかならないので、間違っても乗らない方がいい(と思う)。「メルセデス」は実に様々な意味合いのクルマが集まった「魑魅魍魎」のブランドだといえる。初心者が手を出すと必ず「痛い目」に遭うので良く検討したほうがいい。

↓「叩きどころ」と「称賛すべきところ」がどちらも満載の「メルセデス」というブランドはやはり魅力十分ということなんでしょうか・・・

  

  

2013年4月17日水曜日

メルセデスCLは意外と乗りやすそうです・・・

  最高の「プライベートラグジュアリー」車と言われる「メルセデスCLクラス」は、日本車では聞いたことがない「Fセグ・クーペ」です。「レクサス」も世界最高のブランドを目指しているなら、このジャンルのクルマ(LSクーペ)も用意するべきだと思うのですが、まだまだ日本の「法人ユーザー」に支えられている台所事情のようで、「対抗車種」が出てくるのはまだまだ先になるようです。

  これだけ「特別」なクルマなので当然に新車価格は「破格」で軽く1000万円を超えてしまうのですが、中古車となると意外とお手軽で、3年落ちで500万円台のものが見られます。5年落ちになると300万円を下回り、先代モデルに至っては50~60万円の「バーゲン」価格です。中古車価格はそれなりにシビアなものがあって、50万円の先代モデルを手に入れても修理代がその数倍はかさむリスクがあります。

  それでも日本車にないジャンルのクルマ、特に「世界のトヨタ」でも安易に作れないくらいのものは非常に「興味深い」し、多少無理してでも所有してみたいと感じます。さらにこの「CL」の魅力を高めているのが、メルセデスのフラッグシップ3車種(S・SL・CL)の中で、変な「社会的イメージ」に煩わされずに乗れることじゃないかと思います。特に「Sクラス」は具体的には申しませんが、さまざまな「イメージ」が付いてまわります。それに対して「SL」は、4シーターオープンという「スペシャル」なボディが強烈で、あまりにもクルマへの強い憧れが前面に出過ぎているのが気になってしまいます(好みの問題もありますが)。

  「CL」は他の2台や「CLS」のような「セレブ」を表現するクルマとは方向性が違っていて、より「自然」に乗れるシンプルさがあると思います。特に現行モデル(2006年〜)はベンツのSクラスと同様のフロントにも関わらず「イカツイ」というより「スマート」な印象があります。「5Lターボ」という大排気量のハイパワーエンジンで燃費も5km/L程度で、「自然」もへったくれもないのですが、それでもデザインの洗練された「シンプルさ」の中に収まってしまえば、「嫌み」のない素晴らしい「クルーズカー」と言ってもいい気がします。

  さらに他のメーカーの「Fセグ」と比べても、一番「乗りやすそう」なクルマな気がします。ジャガーXJ・ベントレーコンチネンタル・ポルシェパナメーラといったクルマもいかにも「高級車」然としていて、「下品」と感じる人もいると思います。BMW7とレクサスLSはややこの中では大人しいクルマなので、「派手な事」が嫌いなお金持ちにかなり愛好されているようです。

  ベンツの大型車のネックが「内装だ」という人もいると思います。運転席から助手席まで、前面180度に渡って広がる「造り込み」のインパネは、ベンツ流の高級車の表現なのでしょうが、ベントレー(コンチネンタル)やジャガー(XJ)の「Fセグ」モデルと比べると、かなり好みが分かれる気がします。ベンツのインパネは、カラーコーディネートやパネルに意匠を加えたりすることはなく、車内のコンセプトは「大衆車」を「そのまま高級化」した「ニュートラル」なデザインです。同じドイツ車のBMWや日産の「シーマ」などの内装に近いです。さすがベンツと日産は盟友だけあって、どうやら趣味も合うようです。ただ「CL」だけは他のメルセデス最上級車種と比べて、「スポーティ」でシンプルなデザインが採用されていて、個人的にはかなり良いイメージです(内装のオプションによっては全く違うものになるようですが・・・)。ぜひ機会があって、ベンツを所有するならば、この「CL」を選びたいと思います。


↓メルセデスはいろいろな意味で「敷居が高い」です。それでも日本車にないクルマを作るメーカーとして、小型車ではなく大型の方でもっと頑張ってほしいと思いますね。

  

2013年3月8日金曜日

BMW135iクーペ VS アウディS3スポーツバック

  アウディの価格表を眺めていると思っている以上に高価な印象を受けますね、自然とBMWの価格が常識的に見えてくるから不思議なものです。BMW135iクーペ(565万円)に相当するモデルを探すとTTSクーペ(694万円)のようにかなり強気な価格設定が目立ちます。BMWにしてもアウディにしてもDセグの高性能モデルは800〜900万円になるので現実的な価格ではなくなってしまいます(GT-Rが買えてしまうと思っちゃいますね)。

  BMW135iクーペはまもなくBMW2シリーズの登場によりラインナップ落ちしてしまうでしょうが、輸入車としては納得のコストパフォーマンスを見せる貴重なクルマです。セダンにこだわるBMWにとって3シリーズや5シリーズとサイズが大きくなるにつれて、トヨタや日産の高級モデルに近い乗り味になってしまいます(日本の高級車がドイツ車に近づいているとも言えるが・・・)。よってBMWのラインナップで日本車から一番距離があるモデルと言えばCセグなのにFRだったりする1シリーズということになります。

  このクルマはしばしばポルシェ・ボクスター(584万円)と比較検討されるほどで、スポーツカーファンの熱い支持を受けるBMW屈指の走行性能を備えています(ボクスターもコストパフォーマンス抜群で大人気です)。しかも2シーターオープンのボクスターと違い4シーターのハードトップクーペなので実用性も高く、街の景色にも違和感なく溶け込めます(価格を考えるともうすこし目立ってもいいのかも)。むしろトヨタ86の方が目立つくらいです。それでいて300馬力オーバー(トルク40kg)の3L直列6気筒ターボを積んでいて、車重もBMW車としては軽量なので当然に運動能力は高いです。

  この価格帯のアウディのスポーツモデルをむりやり探してくるとすると、アウディS3スポーツバック(535万円)でしょうか。2Lターボエンジンで256馬力のスペックだけを見ると、日本車のスバルWRX(364万円)や三菱ランエボX(378万円)と比較して割高な印象も受けますが、内装・外装のクオリティはこの日本のスポーツカーよりも大きく勝っているので、価格には納得できます。また同じエンジンを使っているVWのシロッコR(515万円)やゴルフR(505万円)と比べればむしろお買い得な印象すらあります(デザインはシロッコRもいいですね、ゴルフはGTIグレードが368万円なのでゴルフRはちょっと高いですね・・・)。

  日本車には4500mm以下のクルマを4シーターで「豪華」で高性能に作ろうという発想があまりないように思います。このジャンルにおいてはドイツ車のクオリティの高さが目立ちます。発売当初から言われているトヨタ86のパワー&質感アップ(これをしたら低価格スポーツのコンセプトに反するので一概には言えないが)が熱望されているのも、日本において一定の需要があるからだと思います。500万円前後の価格帯でBMW135iクーペ(これもまもなく2シリーズで実質的に値上げか?)に匹敵する小型高性能4シータースポーツを日本メーカーにも考えてほしいと思います。RX-8(パワーと質感不足)の後継モデルや復活するシビックtypeRあたりに期待したいと思います。


   ↓これにBMW135iクーペが収録されていたら、「このクルマいいじゃん」ってなる   んじゃないかな?と思います(他は全て収録されています)。
  

2013年2月24日日曜日

プジョー・クーペ407

    現在、経営危機のど真ん中にあるPSA(プジョー・シトロエングループ)の中核メーカー・プジョーは10年前の「フレンチラグジュアリーの復活」路線を完全に放棄し、ドイツVWの真似をするようになってしまった。経営危機に向かう自動車メーカーに必ずといっていいほど存在するのが、「あまり売れなかった名車」だ。「407」はプジョーがドイツプレミアムに匹敵するブランド確立を目指して作ったハイテクセダンだ。そのコンセプトは意外なことに、当時欧州で脅威的な販売数と人気を誇った日本メーカーのミドルセダンから流用している。

  「MAZDA6(アテンザ)」の欧州での成功は、「コストパフォーマンスの成功」に尽きる。VWグループにシュコダやセアト、韓国のヒュンダイやGMグループのオペルと低価格をするわけではなく、堂々とBMW3と同じ価格を付けて、その装備でBMW3を片っ端から上回る「良い部品」を使っただけである。ヨーロッパではBMW3はクルマ好きな学生が弄って乗るようなクルマだそうだ(そのサイズが日本で売るには都合が良いので、最高級装備パッケージのみを日本に持ってきているとか・・・)。

  MAZDA6はなんといっても、フェラーリやアストンマーティンのようなスポーツカーかベンツやBMWのフラッグシップセダンにしか使われていないようなサスペンションを搭載している(日本メーカーのセダンでは常識ではあったが・・・)。それを欧州販売に合わせて250km/h巡航に対応した高いボディ剛性で同クラスのアウディやBMWと同等以上に仕上げている(日本にはスカイラインというオーバースペックの「化け物」がいる)。

  この日本の「FFの高性能セダン」の登場に色めきだったのが、プジョーとアルファロメオで、さっそく「日本バージョン」の4輪ダブルウィッシュボーンに取り組み、それぞれプジョー407とアルファロメオ159を完成させた。それぞれ両社の歴史に名を残すハイテクセダンになるはずだったが・・・。まもなく襲ってきた世界的経営危機のなか、コスト感覚が完全に狂っていたせいか、どちらも短い期間での生産に終わってしまった・・・。スカイラインの日産もアテンザのMAZDAにしても、コスト度外視した名車を作るようなメーカーはいつも綱渡りだ(最近の日産やずっと安定のT社のクルマが悪いというわけではないですが・・・)。

  このプジョークーペ407かアルファロメオブレラを永久保存版として1台欲しいなと思いますね。中古車めちゃくちゃ安いです!200万円切ってたりするので買ってしまおうか?だけど修理代が高く付くのは目に見えてますし、ハイオクだのオイルは純正だの3000kmごとだの・・・etc。なかなかハードル高い(らしい)んですよねラテン車は。ならVC36スカクーも200万円以下も出てきたので、こっちにしておこうか(最近リアのデザインが気に入らないんだよな・・・)。やっぱりRX-8かな、けどロータリーの中古も怖いな・・・。中古車市場はとても悩ましいです。50万なら怖くもないですけどね・・・。