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2014年11月14日金曜日

スカイライン350GT vs WRX-S4 「至高のGTセダンとは?」

  クルマを嗜む人口がどんどん減っている・・・というデータが本当に正しいのかどうかはさておき、クルマを作る側のメーカーとしては趣味性の高いクルマを複数ラインナップするのは経営上非常に難しい時代になってきたようです。一国一城主義ではないですが、多くの日本メーカーにとって「勝負するクルマ」は1モデル限りというのが現実になってきています。そして各メーカーの絶対的な価値を象徴するような「絶対に負けられない」1台同士が、一般的な日本人がなんとか払える価格帯でガチンコになり、壮絶な死闘を繰り広げる販売合戦は見ていてとてもスピリッチュアルで、思わず感動のあまり「両方とも買います!」とか調子のいいことを言ってしまいたくなります。

  2014年に相次いで登場した日産「スカイライン350GT」とスバル「WRX S4」の2台は、どちらもまさにそんなブランドの威信を賭けたスペシャルなモデルです。意外なことにどちらも輸入車好きのミーハー?でクルマの良さなど、体感的にまるで分ってないんじゃないかと思うような言動が目立つ自動車評論家からは、やたらと厳しい評価が下されるケースが目立ちます。それでもそんな評論家の影響力など、今日の日本の良識ある自動車ファンにはまったく関係はないようで、雑誌のクソ評価とは対称的にも興味を持った人々が、クルマ離れなんて無かった!とばかりに、”地割れ"のように日産とスバルに殺到していて、どちらも予想以上の売れ行きを見せています。もしこれが売れなかったら日産もスバルもやる気無くしていじけちゃいそう・・・そんな空気すら善良なクルマ好きのみなさんは感じ取っているみたいです。

  両陣営(ディーラー)に尋ねたところ、日産側は「(スカイラインは)ライバル不在の孤高の絶対性能&コスパだけど、今の日本人の購買力にはやや疑問で弱気です・・・」という主旨の説明がありました。本当はもっと高く設定したいけど、国産ブランドではこれが限界という価格(400~600万円)に収めた自他ともに認める謙虚でお買い得なクルマです。もしこれをさらに作り込んで1000万円を超える価格にしても、マセラティなどの一流ブランドに肩を並べるにはインフィニティを日本に本格導入して、それを浸透させて・・・となかなか気の長い売り込みプランが必要です。さらに本音を言うと1000万円超の金額をクルマに注ぎ込めるアッパーな顧客は、既存の日産ディーラーの設備ではとても歓待できないみたいです。

  一方スバルは、「S4はやたらとスカイラインと商談でガチンコになるんですよ!」とこちらはやや一方的にライバル意識がメラメラのようです。最初からS4だけを目当てにしている客には、S4のポテンシャルを相対的に伝えるのに良好なセールストークかもしれないですが、実際に乗り比べてみると「GTセダン」としても両車の方向性は全くと言っていいほど違います。まあ「宣伝文句」というのはときにとても厄介なもので、スバルと日産の今回の場合はそれぞれに不足している部分を盛んにアピール合戦している印象です。日産がスカイラインで掲げる「万能・最速HV・圧倒的な潜在能力・プレミアムセダン」というのも、スバルがS4で掲げた「高級感・洗練・一体感・革新」というのも、コンセプトが目指した本当の価値と向き合っていないような気がするのですが・・・。

  始めにも書きましたが、どちらもとても素晴らしいクルマです。年がら年中スーパースポーツに乗っている評論家から見ればツッコミどころがある走りかもしれないですが、どちらもクローズドなコースでアクセルを踏み切れば、息切れすることなくゼロ発進から10秒足らずでリミッター速度に達する能力の片鱗を感じられます。どれだけ踏んでも底が見えない強靭な心臓に加えて、どちらも市販車で世界最高水準の「受動安全性」と「予防安全性」を備えています。その実力は総合的に見ても、「安全性」を喧しいほどに盛んに謳っているメルセデス・VW・レクサスを軽く上回ります。ただし日産もスバルも悩ましいところは、走りを愛していてドライビングに自信がある頑固なオヤジ層の間に支持基盤を持ってますから、完全に女性向けに作られているCクラス、レクサスIS、ゴルフのように「安全性」を前面にだしてアピールするのは逆効果という点です。

  素直にGTカーとして「世界で一番安全なクルマですよ!」とシンプルに言えばいいのに、「プレミアムが〜」だとか、「磨きぬかれた洗練」とか、回りくどいだけじゃなく、本質すらもねじ曲げてしまうような「やぶ蛇」な宣伝文句が飛び交っています。スカイラインの足踏み式サイドブレーキだったり、旧態依然なパワーシートを「標準装備です!」とドヤ顔で言ってしまうところが、実際のところ気になってしまいます。クルマの基本性能は申し分ないのですが、シート・ステアリング以外の部分の装備にあまり手が回っていないのが残念すぎます。プレミアムブランドが盛んに争うポイント(セレブな奥様を喜ばせる!?)がどうも分ってない気がします。最初から「走り」にだけ集中したGTセダンなんだ!って言っておけばいいですし、日産の開発陣の頭にも「硬派な男のGTセダン」というイメージが明確にあったはずです。「プレミアムとは呼ばないで!」くらいの矜持があっても良かったのではないでしょうか?

  「6気筒エンジンではどこも日産には太刀打ちできない!」と世界で評される自慢のV6にハイブリッドを組み込み、近年のGTカー開発の肝となっている燃費をも大幅に改善したスカイライン350GTは、すでに発売されているフーガHVの弱点を克服する形で登場しました。GTセダンならばハンドリングをおろそかには出来ないという強い想いから、ステアバイワイアを標準で装備してきました。賛否両論あるようですが、”違和感がある"とか言っている人の多くは雑誌の受け売りなんじゃないか?と思っています。本質的には欧州で絶賛されたフォードとマツダが協力して開発したハンドリングの味にとても近いです。まあ確かにハンドルの効き始めるところで手応えが変わらないのを「違和感」というのかもしれないです。それでもマツダのようなクイックなハンドルに慣れた人なら、その性能の高さに心が震えるはずです。

   ハンドリングだけでなく、フーガHVから評価が高かった「1モーター2クラッチ」によるトヨタを超えて滑らかな発進加速は、ドイツ勢ごときには絶対に辿り着けない極致です。トヨタ(レクサス)もアイシンAWが作るキックダウン時でも超絶に滑らかな8速ATを使っていて、BMWなどのZF製8ATに比べて圧倒的なアドバンテージを持っていますが、日産はここに照準を合わせたフィールを見事に作りだしています。日産、トヨタに追従しているのがマツダが内製している「湿式多板方式」を採用した6ATくらいなもので、この3ブランドのATが醸し出す極上のドライブフィールに比べれば、BMW(8AT)もVW(6湿式DCT)も・・・でしかないです(悪くないですけど・・・)。そしてあまり言いたくはないですが、メルセデス(7AT/7DCT)とスバル(8CVT)は「やり直し!」と言いたいレベルです(熟成不足・・・)。

  さてすでに処刑してしまったWRX-S4ですが・・・。CVT以外のところはいろいろ頑張っています。スバルもCVTの至らなさを理解しているようで、いよいよ「アクセル・レス」なクルマ作りへと方向転換しているようです。WRX-S4の最大のセールスポイントが、高速道路での自動運転モードです。カメラで車線を確認しステアリングまで自動的に動かす機能がついています(レガシィには無いそうです)。なるほど・・・究極のGTセダンですね。私は買おうとは思いませんが、いろいろな人に訊かれてこの話をすると、「それってスゴいね!」とかなり前のめりになることが多いです。ドライバーズブランド・スバルという先入観がなければたしかに「スゴい!」かもしれません(300psはただの飾りか?)。

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2014年2月20日木曜日

スカイラインHV 「プレミアムを驚かす・・その根拠は?」

  プレミアムカーとは何か? ブラックジョークをひとつ、「新車販売時に多額のプレミアム(利回り)が計上されていて、買ってすぐに中古車価格が約半分まで落ち込むクルマ」。よってそこまで下がらないフェラーリなどはプレミアムカーではないようです。とりあえず値落ちさえさせれば何でもプレミアムカー? 半額まで下取りが下がるのに最低でも5年以上はかかる軽自動車やミニバンは間違っても該当しないわけです。

  さて本体価格450万円のV6HVセダンに生まれ変わった新型スカイラインですが、どう考えても「即時半額」というほど下取り価格が下がるとは思えません。よって結論としては「プレミアムを驚かす」云々の前に新型スカイラインそのものがプレミアムでは無いわけです。そもそもこれだけのクルマが450万円ってどう考えても安過ぎる。せめてプレミアムカーを名乗るなら、レクサスのように車体価格にぎっしりと「ディーラー入場料」分を賦課するべきだったかもしれません。

  しかし残念なことに日産系ディーラーには、アレな人々が喜びそうなラウンジなんてないです。GT-Rの水野さんは専用の商談ルームを作れって凄い剣幕で主張したそうですが、その点に関してはこの人はレクサスと気があっていたのでしょう。それでも硬派な日産(パンチパーマの元ヤンがクルマ開発してます)からしてみたらレクサスなんて女々しいと映るでしょうし、レクサスのやり方は全てが大嫌いなんだろうなと思います。そしてその想いがそのまま「なぜ?ありきたりのプレミアムカーを選ぶのか?」という暴言になるのでしょうね。それにしても「ありきたりのプレミアムカー」ってどのクルマを指しているのでしょうか?

  日産がふてぶてしく言い放ちたくなる気持ちはとてもよくわかります。例えばライバル車にレクサスIS300hという他車とパワーユニットを広く共通するクルマがあり、燃費と必要十分な加速に長所がある直4HVユニットで人気です。一方で新型スカイラインが採用したV6HVは燃費こそIS300hに劣りますが10km/Lは十分に確保でき、その上で高級車に相応しいハイパワーとAWDが設定できオールウェザーでの安定走行可能という世界のトレンドをHVで実現してしまうなど、確実にメカとして数段階上だと客観的に評価できます。

  そしてドイツのプレミアム御三家となると、HVが設定されるのはかなり高額のグレードのみに限定され、一般的にはガソリンターボのモデルが主流です。ドイツではHVが主流ではないという事情もありますが、クリーンかつハイパワーを追求するならば、レクサスや日産のHVシステムが彼らの今後の目標になるのかもしれません。とにかく新型スカイラインのユニットはDセグに限らず、高級車全体で見ても世界最先端&最高水準にあるといっても過言ではないわけです。

  しかしメカとして最高水準と考えるのはあくまで作る側の言い分であり、必ずしも最先端の新型スカイラインが既存技術で作られたV6スーパーチャージャーのジャガーXFよりも、プレミアムカーとして高く評価されるか?というと一筋縄ではいかないと思います。日産には日産の考え方があり、ジャガーにはジャガーの考え方があり、それぞれに支持するファンがいます。プレミアムカーの本質にどちらが近いかは、この2台のどちらが生き残っていくかによって明らかになると思います。

  世界市場をくらべ、日本はあらゆる意味でオーバースペックと考えられています。世界では2Lの直4ターボエンジンさえ積んでいれば、確実に高級車として扱われますが、日本ではそうは考えられていません。日産の謳い文句にも少なからず、恵まれた環境の日本車の現在地がわからなくなっている「奢り」を感じてしまうのです。日産のセールスマンはこれから新型スカイラインがいかに優れたクルマかということを顧客にオラオラで説明することでしょう。ともすれば450万円という価格は安過ぎると感じるくらいかもしれません。

  日産の最先端の研究を否定するつもりはありませんが、その一方でジャガーのように数あるパワーユニットから敢えて主流ではないスーパーチャージャーを選ぶメーカーもあります。直4ターボの廉価モデルも用意する一方で、V8スパチャーのさらに過激なユニットも用意しています。日産のセールスマンの説明を聞くまでもなくスカイラインの凄さはわかると思いますが、プレミアムカーとして最高に自分を満足させてくれる1台が絶対に日産のV6HVユニットと決まるのでしょうか? プレミアムカーに求められる「官能」という観点で新型スカイラインはジャガーXFの全てのグレードを凌駕したと言えるのでしょうか? まだまだ井の中の蛙と笑われてしまう危うさがあるように感じます。

  
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2013年11月7日木曜日

インフィニティQ50Sに対抗する「新世代GT車」は?

  いよいよ日本でも発表が間近と言われている、新型スカイラインこと「インフィニティQ50」は、日産の開発陣が「最後の力」を結集した究極のGTセダンになっているようです。早くも海外動画ではその圧倒的な走行性能が話題になっています。ハイブリッド車でも全く妥協しない360psオーバー(レクサスLS460に匹敵)の出力で1700kgの車体をしばき倒します。ノーマルグレードのDセグセダンでこんなことやってるクルマは世界中見渡してもないです。200psでズルズルと車体を引きずって走るレクサスIS300とは根本的に違うコンセプトのクルマです。

  「価値ある高級車」を作りたいという日産の思想は素晴らしいです。噂される価格も450万円前後だそうで、現行では最高のDセグ"GT"セダンと言える「レクサスIS350」よりも70万円ほど安くなるという抜群のコストパフォーマンスです。ちなみにメルセデスC350が705万円でBMW335iツーリングが720万円ですが、この2台を軽く凌駕する性能を新型スカイラインは標準スペックで発揮します。

  メルセデスやBMWでもお手上げなのに、マツダやスバルじゃもはやどうすることもできないですよね。いよいよDセグ"GT"も新型スカイライン以降は廃れていってしまうのではないかと心配してしまいます。ホンダやフォードでもよっぽど無理しないと500万円程度で対抗車種は用意できないと思います。BMWも4シリーズなど悠長に発売している場合じゃないはずです。これらが日産に追いつくためには、新型パワーユニットに加えて、重量増でもハンドリングを確保する新機構の開発と、スカイラインに匹敵する堅牢なシャシーを用意しなければいけません。

  今後はBMW・マツダ・スバルといった中堅メーカーはCセグで新たに"GT"車の理想を追っかけていくことになりそうです。この3社は揃って日産のライバル筋にあたるトヨタの友好メーカーです。今後はレクサスとともに「スカイライン包囲網」というべき個性的な”GT”ラインナップを増やしてくれると思うのですが・・・。

  レクサスとBMWはどちらも400psオーバーのスーパースポーツ級“DセグGT"をまもなく出します。しかもご丁寧なことにラインナップが被らないようにレクサスは「V8」のRC-FでBMWは新開発の「直6ターボ」のM3・M4と作り分けてあります。特にBMWの新型ターボは先代のV8搭載のM3よりもさらに出力がアップしていて、日産GT-Rのツインターボに似た機構になっているのだとか・・・。

  マツダとスバルも今後スペシャリティ"GT"を幾つか用意するようですが、こちらもラインナップが被らないようにしているようで、マツダはディーゼルとメカチューンで高出力化されたNAガソリンの2本立てで、アクセラをベースにしたスポーツモデルが登場します。スバルもやはりインプレッサをベースにしているのですが、こちらは新開発の1.6Lターボを使ったホットハッチとワゴンで「実用性の高い」欧州で選ばれるような王道"GT"を出すようです。さらにトヨタとコラボしている86/BRZの年次改良で「4座」ライトウエイトスポーツというジャンルの拡大も狙っています。

  すでに発売が発表されているまたは存在が確認されている「トヨタ陣営」の即戦力"GT"を挙げると「マツダアクセラディーゼル」「スバルレヴォーグ」「レクサスGS-F」「レクサスRC-F」「BMW・M3/M4」・・・。さらに価格と性能で新型スカイラインにかなり接近しているのが「BMW235iクーペ」です。トヨタプリウスの軽量化技術を使っていて、320psながらスカイラインよりも300kgも軽く、0-100kmを4.8秒で駆ける俊足マシンです。価格も500万円台で出てくれれば、スカイラインのスポーツモデル「インフィニティQ50S」とほぼ同等になるでしょう。もちろん車体は小さいですが・・・日本の峠には好都合なはずです。期待して待ちたいと思います。


関連記事「BMW2シリーズ〜瀕死のブランドを救うか」



 

2013年4月14日日曜日

新型スカイライン(V37)は新世代セダンを撃てるのか?

  V35以降のスカイラインは北米市場をターゲットにした「新型車」ということもあり、日本での競争力(存在感)はかなり低くなってきているように思います。日本市場も視野に入れていて、車幅を抑えつつ、わざわざ2.5L車を用意してはいますが、マークXやレガシィ、アテンザよりも高額な設定が災いしてか販売台数は低迷中です(モデル末期でもありますが)。

  おそらく購入を考える人々の多くはスカイラインの「価値」を理解してはいるのでしょうが、ライバルと比較しても車重があるので廉価グレードの2.5Lでは「非力」と受け取られてしまう節もあるようです。さらに同価格帯にラグジュアリー感を重視したEセグメントの「フーガ」が設定されていて、さらに同じエンジンでより軽量な「フェアレディZ」も用意されていて、中間に挟まれた格好のスカイラインは相対的に強調するポイントがわかりずらいクルマになっている気がします。やっかいなのがエンジンが3車で共通なので、誰の眼にもフェアレディZがスカイラインより速いことは明らかですし、フーガでも十分に速いので、フーガより居住性の劣るスカイラインの立場は厳しいものがあります。日産も素っ気ないもので、フーガに設定されているHVを投入することもなく、逆によりスポーツ走行寄りのスカイラインを望む人には、「R35GT-R」を買えば?といった対応に感じます。


  それでも今回のFMCでは、さすがにテコ入れを図って来るようですが、ちょっと疑問に思うところもあります。フーガに投入されている3.5L+HVのシステムが使われるようですが、クラウンではすでに廃止された「大排気量のハイブリッド」には販売面では大きく期待できないような気がします(クラウンに3.5L+HVを諦めさせたのは、フーガHVに「加速」と「燃費」で敵わないからという噂もありますが・・・)。ライバルのクラウンやレクサスISのHVに比べて「燃費」が悪く、さらに価格も100万円以上高額の設定になるので、スペックだけを見たらかなり苦戦しそうです。

  それでも「スカイライン」は日本が誇るクオリティカーです。日産がプライドを持ってこのクルマを高性能化させる方向で結論しているのならば、「フォード・マスタング」のような位置づけの日本版マッスルカーとして孤高の地位を築いていくことで、また多くの人に愛されるクルマになるような気がします。新たに採用するHVにしてもトヨタに追従することもなく、なんだか日本車のトレンドに逆行して「我が道を行く」の感があります。しかしそれを堂々と折れることなく続けていくのが、本来の「クオリティカー」の売り方かもしれません。

  そんな「スカイライン」も今年のFMCに続き、来年には新たな種類のパワーユニットとしてメルセデスの2Lターボエンジンを搭載するモデルが登場すると言われています。これまた「半周遅れ」くらいでの「ダウンサイジングターボ」の採用です。BMWなどはすでにディーゼルが日本での販売の主流になっていて、当然ですが2Lターボモデルはその分評価されていないという状況です。そのBMWにおいては「最先端ではない」2Lターボを「期待の新ユニット」として投入してくるということは、スカイラインがそれだけの「看板」を背負ったスペシャルモデルだからだと思います。

  スカイラインほどのクルマならもはやエンジンが何であろうとあまり関係ないのかもしれません(パワーは必須ですが・・・)。もしなにも実績のない新型モデルだったならば、トヨタやBMWの先を行く「低燃費」でお得感が漂う最先端のエンジンにこだわるはずです。北米での圧倒的な実績も背景にはあるでしょうが、ライバルよりも敢えて「悪い燃費」で登場するところに他の日本車にはない強烈な魅力を感じます。あとは全体的なスタイリングをどうまとめて「カッコいい」クルマにしてくるかが評価の分かれ目になると思います。


  ↓スカイラインはエンジンスペックは遅れているかもしれないが、ミドルサイズセダンで楽しくドライブさせるハイテクな「メカチューンユニット」がまた新たに載っかるのだとか・・・
   

2013年4月11日木曜日

「スカイライン」はメインストリームに復帰できるか?

  日産の「商売」において「スカイライン」という商標が今ではどれだけの意味があるのでしょうか? 日本のクルマファンにとって「スカイライン」というブランドは、「技術の日産」がつくる世界最良のスポーツセダンを想像させるものなのですが、その名前を引き継いでいるクルマは、日本市場から静かにフェイドアウトしている印象があります。

  かつてはマークXの前身車の「マークⅡ」と性能や価格で真っ向から対立していた「スカイライン」ですが、今では2.5Lの「マークX」のベースグレードが240万円なのに対し、同じ2.5Lの「スカイライン」のベースグレードは340万円となっていて、この100万円の「格差」の意味が日本市場ではかなり分かりにくいものになっています。結果としてスカイラインは「高すぎて」、マークXは「安すぎて」どちらもいまいち販売が伸びていません。高すぎるといってもBMW3やメルセデスCよりは低価格に設定されているので、スカイラインとしては非常に「微妙」な状況になっています。

  スカイラインは北米では「インフィニティG」として、Dセグの量販セダンでは「最上級」(3万7000U.S.ドルから)のクルマになっていて、価格ではBMW3やメルセデスCよりも「高級」なクルマです(しかも売れています)。この北米市場での「スカイライン」の新たな展開により、内装はV36になって格段に向上しドイツプレミアム勢を完全に抜き去って、レクサスとの「ジャパンプレミアム」同士のハイレベルな戦いを繰り広げています。当然ながら今年のFMCはレクサスISと同じタイミングということもあり、コンセプトカーの段階から「さらに高いレベル」が追求されています。

  かつて「マークⅡ」と争っていた200万円台のミドルサイズセダンが、2.5Lでも日本価格で400万円を超える「超プレミアムDセグ」へと変貌していながら、相変わらず日本では「スカイライン」の名称で発売されるのでしょうか(「インフィニティQ50」という新たなコード名が使われるという噂もあります)。日産もこの「矛盾」にもちろん気づいているでしょうし、ブルーバードの名前が消えたように、スカイラインもGT-Rも近々消えて行く運命かもしれません。「伝統の名称」といわれますが、若い世代の中には、「ブルーバード」「サニー」「スカイライン」といった名前が付いているから購入の候補にならないという意見もあるのは事実です。

  逆に「フーガ」のような新たな名称の車種は、クオリティカーとしてライバルを圧倒する性能を備えているならば、案外すぐに受け入れられて初代からヒットする例もあります。新型のV35も元々は新型車種として開発されたものに、日本仕様のみ「スカイライン」という名称を付けたものでした。V37はV36の基本機構を受け継ぐものですが、ボディの外観はまた新たなものへと進化しているので、日産としては「名称」を変えてさらに幅広い世代に訴求していきたいという思惑もあると思います。逆にいうと「スカイライン」の名称のままで日本市場に新たな風を吹かすには相当ハードルが高いのかな?という気がします。

↓32~34のスカイラインは街中で「異様」なまでの存在感を放っています。ファンにはたまらないでしょうが、絶対に乗りたくないという若い世代もそれ以上にたくさん居るようです・・・