BMW4シリーズは昨年の中頃に発表されてまだ1年も経っていないので、クルマのキャラクターもよく解らない部分もあるのですが、1つだけハッキリしていることは、「BMWのスピード感覚は素晴らしい!」ということでしょうか。スピードといっても加速や最高速が抜きん出ているという話ではなくて、矢継ぎ早に派生モデルを増やして「マルチ」なグレード展開に持ち込んでいるBMWの経営のスピード感覚が素晴らしいということです。
トヨタや日産が数年かかって「コンバーティブル」をやっと出すのに対して、クーペ発売とほぼ同時に「コンバーチブル」が完成し、M社とアルピナ社から高性能版がそれぞれ発売され、そしてすでにグランクーペも完成しているわけですから、BMWファンならずとも、「華やかだな」と何やら惹き付けられる部分はあると思います。何より感心するのが、日本メーカーにはなかなか見られないプラス思考で、ベース車のF30セダンがBMWの最量販車種に相応しい活躍ができていないという(若干の)逆風の中で、ここまで強気にモデルを「乱発」する決断力は間違いなく世界ナンバー1でしょう。ホンダにもこれくらいの思い切りの良さがあれば・・・。
さて4シリーズですが、ベース車のセダンが走りや内装の水準から「500万円のマークX」というやや不名誉な評価をされたことで、当初からあまり期待値が高くなく、評論家筋のコメントも「BMWを気楽に乗りたいならいいんじゃない!?」くらいのものが多いように感じます。F30セダンは新型の軽量シャシー(L7)採用に加えて、ランフラットタイヤを装備した上で一定以上の乗り心地を追求しようとした結果、サス剛性などBMW本来のアイデンティティに関わる部分に大きく手を入れてしまったため、特に輸入車大好きの評論家からの批判が絶えないですが、いくらBMWとはいえ新しいことにチャレンジすればそれなりに拙さを露呈してしまうのも仕方ないことでしょう。
F30セダンも年次改良によって、初期の絶望的なまでの「裏切り」はなくなったようですが、それでもコスト削減を大前提としなければいけない最量販車の悲しい運命からは脱却できていないです。もはや「BMWではない!」とまで言わせた安定感の無さは、4シリーズのクーペボディでは全高が低く、重心が下がった結果ある程度は改善されています。しかしロール幅の絶対値が減ったことで、当たり前ですが入力による衝撃はより大きなものになっていて、セダンよりも乗り心地は悪くなっている部分もあります。
やはり「限界が低い」設計の範囲内では、どう足掻いても納得いくパフォーマンスは出せない・・・という想いが、評論家筋の「見切った」ようなコメントにつながってしまうようですが、こんなクルマを、例えば435iは乗り出しでおよそ800万円ですが、売ってしまうBMWジャパンってのもまたスゴいインポーターですね・・・。そんな4シリーズにも先代の3シリーズクーペから変わって良くなった点もいろいろあります。一番のポイントは、何となく手狭で貧乏臭かった3シリーズクーペと違って、後席の空間にも配慮されたレイアウトです。クラスが変わるほどの拡大というわけではないのですが、「スポーティ」で「一人乗り」のイメージが強かった先代から、「ラグジュアリー」な「デート車」へと大きな転換を果たしています。
以前なら無理して6シリーズの中古車を選んでいた人の中でも、4シリーズならば「許容範囲」という意見はあるでしょうし、4シリーズ設置の最大の狙いは「ラグジュアリー・クーペ」ユーザーの関心を集めることにあります。しかし6シリーズとは別の簡易的なシャシーを使った4シリーズではコアな「自動車好き」には簡単には訴求できません。おまけにベース車が「BMWらしくない」という烙印が押されてしまっていては、やや絶望的なように思えます。ただし6シリーズにしても車重2トンを誇る巨漢で、そのスタイリングに惚れて盲目的に購入に走る人もいるようですが、「自動車好き」が絶賛するタイプのドライビングカーというわけではないんですよね・・・。
むしろ「ドライビング」と「ラグジュアリー感」の両方を楽しめる4シリーズのサイズが、シャシーやら設計やらの話を抜きにすると理想的と言えます(もちろん好みの問題ですが、一般論として・・・)。ということでBMWとしては是が非でも4シリーズに世間の注目が集まるようなグレードを設定したい!というのが本音だと思われます。ディーゼルやコンバーチブル、グランクーペなどいろいろと「刺さる」ポイントを投げかけて、数打ちゃ当たる作戦?といった感じでしょうか。
そんなバラエティ豊かな4シリーズの決定版と言えるグレードがやはり「M4」なんだと思います。たしかに価格は仰天の1000万円越えなんですが、4シリーズ唯一のMTモデルを設置するなど話題を振りまきつつありますが、やはりF30系を悩ませるランフラットタイヤを使わないという選択が「M4」における最大のポイントかもしれません。同様にランフラットを使わないM235iも断然に乗り心地が良いようで、M4も期待ができます。直6ツインターボの新開発ユニットに軽量CFRPルーフの採用など、他にも「刺さる」点はいっぱいあって、いよいよ4シリーズに本命が登場したと言えるかもしれません。
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2014年5月29日木曜日
2014年5月20日火曜日
マツダ・アテンザ 「スカイラインとVIPカーの隙間」
自動車雑誌を開くと、最近では小さなモデルばかりが多いことに気がつきます。読んでいる世代の多くが、暇な引退世代だったりするようで、ライターの皆様の文章もまさに高齢者ユーザーをターゲットにしたものが多い気がします。BMW1シリーズ、メルセデスAクラス、VWゴルフ、アルファロメオジュリエッタといずれも、「日本車と同じように手軽に乗れます!」みたいなことが強調されている気がします。「ターボエンジンは低速トルクがあって街乗りでも乗り易い」などと言われていますが、そんなことを強調されても全く欲しいとは思わないのですが・・・。
日本市場全体が高齢者中心だから仕方のないことですが、もっと乗っていて気分がいい「優雅な」クルーズカーが欲しいなと思っているので、Cセグ以下の「スモール」や「ミニ」の記事は飛ばして読んでしまいます。そうすると「Car and Driver(日本版)」などは、ほとんどの頁を飛ばしたあげく、「月間販売台数」と「オーナーズクラブ紹介」を過ぎ「定点観測」に辿り着きます。この頁は東京の青山で通るクルマを観測するというなかなか面白い企画なのですが、そこに掲載されるアルファ166とかを見て、「いいなあ〜」と思ってしまいますね。
仕事の帰り道に日産の新型スカイラインを見かけました。前々から思っていたのですが、このクルマはどうも「貧相」でダメですね。事前の期待が大きすぎたのもあるのですが、どうも高級サルーンとしてグッとくるものが無いのです。最も気に入らないのが側面窓がむやみやたらと広いことです。やはり高級車たるものはキャデラックCTSのように高くて特徴があるショルダーラインこそが命です。レクサスISも先代からデザインが飛躍的に進化しましたが、最も高級車然な雰囲気を与えているのが、少々過剰気味とも言えるショルダーラインです。
スカイラインは車幅の割に小さく見えるのは「なで肩」なショルダーラインによるところが大きい気がします。車高を低く見せる4ドアクーペ風なアプローチとも言えますが、結果としてなんだかシルビアを少し大きくしたイメージに収束してしまい、高級感が損なわれています。デビュー時には随分と話題になったメルセデスCLSやCLAもまた「なで肩」デザインなので、個性的なスタイリングではありますが、どうも重みがなくやはりやや貧相に見えます。
ただし「なで肩」は悪いことばかりではありません。かつてマークⅡの兄弟車として発売されていた、トヨタ・ヴェロッサというセダンも全体的に軽さを帯びた「なで肩」デザインだった為に、当時のマークⅡ需要を担っていた「VIPカー」愛好家から嫌われ、販売不振のまますぐにモデル廃止に追い込まれました。その希少なシルエットは皮肉にも、現在では同時期のマークⅡとは違って古さを感じさせない良さがあったりします。それ以上に重要なのは「なで肩」はVIPカー愛好家から敬遠されるという点です。
VIPカーとは日産のシーマ、グロリア、セドリック、トヨタのセルシオ、マジェスタ、クラウン、マークⅡなどの中上級セダンをベースにした改造車を指します。暴走族やローリング族の御用達車種として親しまれた結果、やや反社会的なイメージが強くなり、日産もトヨタも企業イメージを守るために、これらのモデルを廃止したり、大幅に値上げするなどしてシーンの幕引きを図っていますが、ピーク時はクラウンもマークⅡも月販2万台を超えていたこともあり、まだまだタマ数が多いようで街中でもよく見かけます。最近ではいよいよ発売から8年が経過したレクサスLSなどこれに加わっているようです。
昔からスカイラインはこれらVIPカーとは一線を画してきましたが、新型スカイラインもまた高級化が進んだと言われつつも、伝統のポリシーをある一面ではしっかりと守っているのだなと気づかされます。「VIPカーと思われたくない!」そういう意味では新型スカイラインを敢えて選ぶ意味はあると思います。ボディがまだまだ小振りなレクサスISに関しても同じことが言えますが、どちらにせよ「ラグジュアリーでプライベート感がある」クルーズカーのイメージが足りないですね。どうも2台とも冒頭で述べたような「高齢者シフト」をメーカーが意図しているように感じます。
「VIPカー」か?「高齢者向け」か?という絶望的な選択をユーザーに強いている限りは本格的なセダン人気はやって来ないでしょう。そんな状況の中から現れ、話題をさらっていったのが、マツダ・アテンザだと言えます。先代のアテンザはスカイラインのようなやや小振りでスポーティさを売りにした、セダン/ワゴン/ハッチバックの3タイプあるDセグ車でしたが、現行のアテンザは「VIPカー」に仲間入りしない程度に立派で、「スカイライン」のような貧相さを排除した高級感溢れるデザインを取り入れたセダンが大きくイメージを牽引しています。そして一応、派生車種といった立場でホイールベースまで違うワゴンも設定されています。
マツダのデザイナーがセダンの魅力を引き出すために、「非VIPカー」で「非スカイライン」という考えを持っていたかどうかはわかりません。しかし実際に国産・輸入を問わず現行モデルの3BOXカーを選ぶとしたときに、これまでは無意識にアウディA6やBMW5に引っ張られてしまっていた人々(実際にこのクラスの輸入車シェアはかなり高い)にとって、国産にも選択肢が出来たと感じられる状況へと変わってきたように思います。このアテンザが切り開いた道を辿って、今後はレガシィ、レジェンド、フーガがさらに趣向を凝らして登場してくれば、「セダンが面白い」時代がやってくる予感がします。
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日本市場全体が高齢者中心だから仕方のないことですが、もっと乗っていて気分がいい「優雅な」クルーズカーが欲しいなと思っているので、Cセグ以下の「スモール」や「ミニ」の記事は飛ばして読んでしまいます。そうすると「Car and Driver(日本版)」などは、ほとんどの頁を飛ばしたあげく、「月間販売台数」と「オーナーズクラブ紹介」を過ぎ「定点観測」に辿り着きます。この頁は東京の青山で通るクルマを観測するというなかなか面白い企画なのですが、そこに掲載されるアルファ166とかを見て、「いいなあ〜」と思ってしまいますね。
仕事の帰り道に日産の新型スカイラインを見かけました。前々から思っていたのですが、このクルマはどうも「貧相」でダメですね。事前の期待が大きすぎたのもあるのですが、どうも高級サルーンとしてグッとくるものが無いのです。最も気に入らないのが側面窓がむやみやたらと広いことです。やはり高級車たるものはキャデラックCTSのように高くて特徴があるショルダーラインこそが命です。レクサスISも先代からデザインが飛躍的に進化しましたが、最も高級車然な雰囲気を与えているのが、少々過剰気味とも言えるショルダーラインです。
スカイラインは車幅の割に小さく見えるのは「なで肩」なショルダーラインによるところが大きい気がします。車高を低く見せる4ドアクーペ風なアプローチとも言えますが、結果としてなんだかシルビアを少し大きくしたイメージに収束してしまい、高級感が損なわれています。デビュー時には随分と話題になったメルセデスCLSやCLAもまた「なで肩」デザインなので、個性的なスタイリングではありますが、どうも重みがなくやはりやや貧相に見えます。
ただし「なで肩」は悪いことばかりではありません。かつてマークⅡの兄弟車として発売されていた、トヨタ・ヴェロッサというセダンも全体的に軽さを帯びた「なで肩」デザインだった為に、当時のマークⅡ需要を担っていた「VIPカー」愛好家から嫌われ、販売不振のまますぐにモデル廃止に追い込まれました。その希少なシルエットは皮肉にも、現在では同時期のマークⅡとは違って古さを感じさせない良さがあったりします。それ以上に重要なのは「なで肩」はVIPカー愛好家から敬遠されるという点です。
VIPカーとは日産のシーマ、グロリア、セドリック、トヨタのセルシオ、マジェスタ、クラウン、マークⅡなどの中上級セダンをベースにした改造車を指します。暴走族やローリング族の御用達車種として親しまれた結果、やや反社会的なイメージが強くなり、日産もトヨタも企業イメージを守るために、これらのモデルを廃止したり、大幅に値上げするなどしてシーンの幕引きを図っていますが、ピーク時はクラウンもマークⅡも月販2万台を超えていたこともあり、まだまだタマ数が多いようで街中でもよく見かけます。最近ではいよいよ発売から8年が経過したレクサスLSなどこれに加わっているようです。
昔からスカイラインはこれらVIPカーとは一線を画してきましたが、新型スカイラインもまた高級化が進んだと言われつつも、伝統のポリシーをある一面ではしっかりと守っているのだなと気づかされます。「VIPカーと思われたくない!」そういう意味では新型スカイラインを敢えて選ぶ意味はあると思います。ボディがまだまだ小振りなレクサスISに関しても同じことが言えますが、どちらにせよ「ラグジュアリーでプライベート感がある」クルーズカーのイメージが足りないですね。どうも2台とも冒頭で述べたような「高齢者シフト」をメーカーが意図しているように感じます。
「VIPカー」か?「高齢者向け」か?という絶望的な選択をユーザーに強いている限りは本格的なセダン人気はやって来ないでしょう。そんな状況の中から現れ、話題をさらっていったのが、マツダ・アテンザだと言えます。先代のアテンザはスカイラインのようなやや小振りでスポーティさを売りにした、セダン/ワゴン/ハッチバックの3タイプあるDセグ車でしたが、現行のアテンザは「VIPカー」に仲間入りしない程度に立派で、「スカイライン」のような貧相さを排除した高級感溢れるデザインを取り入れたセダンが大きくイメージを牽引しています。そして一応、派生車種といった立場でホイールベースまで違うワゴンも設定されています。
マツダのデザイナーがセダンの魅力を引き出すために、「非VIPカー」で「非スカイライン」という考えを持っていたかどうかはわかりません。しかし実際に国産・輸入を問わず現行モデルの3BOXカーを選ぶとしたときに、これまでは無意識にアウディA6やBMW5に引っ張られてしまっていた人々(実際にこのクラスの輸入車シェアはかなり高い)にとって、国産にも選択肢が出来たと感じられる状況へと変わってきたように思います。このアテンザが切り開いた道を辿って、今後はレガシィ、レジェンド、フーガがさらに趣向を凝らして登場してくれば、「セダンが面白い」時代がやってくる予感がします。
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ラベル:
024マツダ(ブランド),
101セダン(車種),
マツダアテンザ
2014年5月10日土曜日
シトロエンDS4 「ベストデザイン オブ CセグHB」
日曜日の中央自動車道・石川SA。まだ朝6時だけども、ここのラーメンは美味しいから空いている時間に寄る時は食べておきたくなる。東名&新東名のSAはどこも「味がしない」「干し肉&干し野菜」の食べたことを後悔するレベルですが、中央道ではそういう粗悪さがあまり見られない。そもそもラーメンの旨さなんて千差万別なので、「日本一旨い!」とか短絡的なことは言いませんけど、早朝でも美味しく完食できるという「普通さ」がSAの食事ではなかなか得られません。
国立・府中ICから中央道に乗って5分足らずでもう休憩。しかも「朝からラーメン!?」と怪訝な表情の彼女を連れて駐車場を歩いていると、2人同時に同じクルマに眼が釘付け。視線の先に停まっていたのが白いボディにシルバーのラインを輝かせた「シトロエンDS4」!これはなかなか実車を見る機会が少ないクルマの1つです。街で見かけるシトロエン車はC3とDS3のBセグの2台が断然に多いです。理由は単純明白でこの2台が趣味のクルマとして非常に完成度が高い!といってしまえばそれまでなんですけど、「コンパクト高級車」というコンセプトを見事にクリアしている希有なモデルとして、弱小ブランドのクルマながら十分に存在感を発揮できています。
C3/ DS3よりも一回り大きいCセグHBの「DS4」は、やはりメルセデスやBMWまで参戦してくるクラスになるので、ある程度の苦戦は致しかたないところです。しかもアルファロメオ・ジュリエッタと並んで、ベースグレードで単純に比較すると、ゴルフや1シリーズ、Aクラスといった有名どころよりも高い価格設定ですから、結局のところ相当なシトロエン贔屓の人しか購入しようと思わないわけです。このクルマと共通設計のプジョー308も販売は低迷していて、「カブリオレ」「リトラクタブルハードトップ」といった個性を求めるユーザーには愛されていますが、今後は日本での商売はいろいろ難しそうです。
それでもやはり「スペック表に載らない個性」ってのがあるんですよね!いや〜恐れ入りましたこの「シトロエンDS4」は文句なしにカッコイイです! 「マツダ・アクセラ」が一念発起してゴルフ・1シリーズ・Aクラスをまとめて負かしに行きましたが、やはり世界は広いです・・・上には上がいるもんですね。マツダ視点での話で恐縮ですが、マツダデザインの真価は「サイドシルエットのバランスの良さ」にあって、そこから回り込んだフロントやリアの造形とシルエット全体の整合性もドイツ車全般を見下すことも出来るほどに突き抜けたセンスの良さが光ります。しかしシトロエンDS4も360度あらゆる視点において隙がないです。
さらに言うならば、マツダが「鼓動」デザインに目覚めるよりも早く「デザインの時代」の到来を告げたのがシトロエンの「DSライン」で、マツダの現在の方針は完全にこれの「後追い」と言えます。シトロエンのデザインも「DSライン」が出来る前をみれば、極めて平凡なものだったりするのですが、いざフランスのブランドが本気でカッコいいデザインを作ってくると、「シトロエンってのは抜群にセンスがいい!」みたいなことを調子良く言って叫んでしまいます・・・日本人のコンプレックスは悲しい限りです。
シトロエンは「ハイドロサス」のフラッグシップC5以外は全て、トーションビームです。ゴルフ・1シリーズ・Aクラスのユーザーからしてみれば、高級車=「マルチリンク」であることがポイントだったりするのでしょうけど、最近のトレンドである低燃費化の切り札として、あらゆる部品の「軽量化」の中でサスペンションをより簡素なものに変える動きもあります。軽量化か?安定性か?の二者択一といったところでしょうか。
ただ現実問題として「独立担荷式」(マルチリンクなど)を信奉しているドイツ車&マツダ&フォードがそのアドバンテージをどこまで使えているかは非常に微妙なところで、この前もある評論家がフィエスタ(車軸式)はメルセデスCクラスより乗り心地が良いと強調していた。この「下剋上」現象が起こっているのは、今が欧州車にとっては設計面で大きな変化を必要とする過渡期であることによるようです。
近年では250km/hといったハードな走行条件を意識しなくなったため、ポルシェやガヤルドのようなスポーツカー並みのサス剛性を強調した設計から開放され、車重があるクルマの方がバンプしないから乗り心地がいいという時代でも無くなったってことです。車体を軽い小型車の簡易的サスに付随するバンプストッパーの性能・品質が向上して「逆転現象」が起こったわけです。このバンプストッパーによる仕上げで欧州車らしからぬ乗り味で革新的な立場にいるのが何を隠そう「シトロエン」です。まあメルセデスも新型CクラスではSクラス用のサスを投入して「名誉挽回」を図ってきましたが・・・。
もちろん「乗り味」の好き嫌いはあるでしょうけど、ゴルフやフォーカスの先を行くシーンを変えるかもしれない前衛的な姿勢を持ったクルマなので、まあいいんじゃないかという気がします。PSAの「右ハン&4AT」はカスと専らの評判でしたが、今回正規輸入はすべて右ハン!・・・しかし車幅がだいぶ広がったためにハンドルやペダルの位置といったネガはだいぶ抑えられたようです(ただし右ハンだけブレーキがVW日本仕様並みにカスらしいが・・・)。さらにC3/DS3は未だに4ATですが、C4/DS4はC5と同じ6ATに変更されていますので、こちらも「すぐ壊れるゴミ」というシロモノではなくなりました。
だいぶ話が長くなってしまいましたが、スタイルはこのクラスでは「断トツでナンバー1」です。気になる点は「価格」と「ブレーキ」だけでしょうか。ただし悪いと言ってもゴルフと同程度ですよ!ってことです。なかなか今の日本のニーズに合ったクルマなんじゃないかと思うのですがいかがでしょうか。
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「シトロエンDS4 動画」
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国立・府中ICから中央道に乗って5分足らずでもう休憩。しかも「朝からラーメン!?」と怪訝な表情の彼女を連れて駐車場を歩いていると、2人同時に同じクルマに眼が釘付け。視線の先に停まっていたのが白いボディにシルバーのラインを輝かせた「シトロエンDS4」!これはなかなか実車を見る機会が少ないクルマの1つです。街で見かけるシトロエン車はC3とDS3のBセグの2台が断然に多いです。理由は単純明白でこの2台が趣味のクルマとして非常に完成度が高い!といってしまえばそれまでなんですけど、「コンパクト高級車」というコンセプトを見事にクリアしている希有なモデルとして、弱小ブランドのクルマながら十分に存在感を発揮できています。
C3/ DS3よりも一回り大きいCセグHBの「DS4」は、やはりメルセデスやBMWまで参戦してくるクラスになるので、ある程度の苦戦は致しかたないところです。しかもアルファロメオ・ジュリエッタと並んで、ベースグレードで単純に比較すると、ゴルフや1シリーズ、Aクラスといった有名どころよりも高い価格設定ですから、結局のところ相当なシトロエン贔屓の人しか購入しようと思わないわけです。このクルマと共通設計のプジョー308も販売は低迷していて、「カブリオレ」「リトラクタブルハードトップ」といった個性を求めるユーザーには愛されていますが、今後は日本での商売はいろいろ難しそうです。
それでもやはり「スペック表に載らない個性」ってのがあるんですよね!いや〜恐れ入りましたこの「シトロエンDS4」は文句なしにカッコイイです! 「マツダ・アクセラ」が一念発起してゴルフ・1シリーズ・Aクラスをまとめて負かしに行きましたが、やはり世界は広いです・・・上には上がいるもんですね。マツダ視点での話で恐縮ですが、マツダデザインの真価は「サイドシルエットのバランスの良さ」にあって、そこから回り込んだフロントやリアの造形とシルエット全体の整合性もドイツ車全般を見下すことも出来るほどに突き抜けたセンスの良さが光ります。しかしシトロエンDS4も360度あらゆる視点において隙がないです。
さらに言うならば、マツダが「鼓動」デザインに目覚めるよりも早く「デザインの時代」の到来を告げたのがシトロエンの「DSライン」で、マツダの現在の方針は完全にこれの「後追い」と言えます。シトロエンのデザインも「DSライン」が出来る前をみれば、極めて平凡なものだったりするのですが、いざフランスのブランドが本気でカッコいいデザインを作ってくると、「シトロエンってのは抜群にセンスがいい!」みたいなことを調子良く言って叫んでしまいます・・・日本人のコンプレックスは悲しい限りです。
シトロエンは「ハイドロサス」のフラッグシップC5以外は全て、トーションビームです。ゴルフ・1シリーズ・Aクラスのユーザーからしてみれば、高級車=「マルチリンク」であることがポイントだったりするのでしょうけど、最近のトレンドである低燃費化の切り札として、あらゆる部品の「軽量化」の中でサスペンションをより簡素なものに変える動きもあります。軽量化か?安定性か?の二者択一といったところでしょうか。
ただ現実問題として「独立担荷式」(マルチリンクなど)を信奉しているドイツ車&マツダ&フォードがそのアドバンテージをどこまで使えているかは非常に微妙なところで、この前もある評論家がフィエスタ(車軸式)はメルセデスCクラスより乗り心地が良いと強調していた。この「下剋上」現象が起こっているのは、今が欧州車にとっては設計面で大きな変化を必要とする過渡期であることによるようです。
近年では250km/hといったハードな走行条件を意識しなくなったため、ポルシェやガヤルドのようなスポーツカー並みのサス剛性を強調した設計から開放され、車重があるクルマの方がバンプしないから乗り心地がいいという時代でも無くなったってことです。車体を軽い小型車の簡易的サスに付随するバンプストッパーの性能・品質が向上して「逆転現象」が起こったわけです。このバンプストッパーによる仕上げで欧州車らしからぬ乗り味で革新的な立場にいるのが何を隠そう「シトロエン」です。まあメルセデスも新型CクラスではSクラス用のサスを投入して「名誉挽回」を図ってきましたが・・・。
もちろん「乗り味」の好き嫌いはあるでしょうけど、ゴルフやフォーカスの先を行くシーンを変えるかもしれない前衛的な姿勢を持ったクルマなので、まあいいんじゃないかという気がします。PSAの「右ハン&4AT」はカスと専らの評判でしたが、今回正規輸入はすべて右ハン!・・・しかし車幅がだいぶ広がったためにハンドルやペダルの位置といったネガはだいぶ抑えられたようです(ただし右ハンだけブレーキがVW日本仕様並みにカスらしいが・・・)。さらにC3/DS3は未だに4ATですが、C4/DS4はC5と同じ6ATに変更されていますので、こちらも「すぐ壊れるゴミ」というシロモノではなくなりました。
だいぶ話が長くなってしまいましたが、スタイルはこのクラスでは「断トツでナンバー1」です。気になる点は「価格」と「ブレーキ」だけでしょうか。ただし悪いと言ってもゴルフと同程度ですよ!ってことです。なかなか今の日本のニーズに合ったクルマなんじゃないかと思うのですがいかがでしょうか。
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