いきなりですが「Dセグ・セダン」というのは、とってもとっても使い勝手がよろしく、ひとたび乗り始めるとなかなか止められないなんともクセになる「絶妙さ」が売りです。その一方でまだまだ「高級感がイマイチ」という意見も根強いようです。ゆえに「実用性」は満点でも、それ以外の点はあまり期待できないので、代表モデルであるレクサスISやBMW3シリーズの売れ筋が520万円(本体)というのは、やはりちょっと高過ぎるかな?という印象です。明らかにコンセプトで示すメインターゲットは、「若年層」「女性」「引退世代」で、この価格設定は"ベビー"でもやはり「セレブ」向けなクルマです。高級スーツを着込んで乗るようなクルマではない・・・と言われたらその通りかな?
取り回しが気になってDセグセダンを選ぶくらいなら、いっそのことスポーツカーにする!というのも「大人な選択」なのかもしれません。といってもひと昔前と違って2ドアでオシャレなスペシャリティクーペはもはや「絶滅危惧種」ですし・・・、フェアレディZなんて至る所の中古屋に転がっていて「バナナの叩き売り」状態ですから、とても新車で買う気なんて起こりません。ひと昔前ならば、「ホンダS2000」がまだ現役で、「クライスラー・クロスファイアー」「プジョー・クーペ407」「アルファ・ブレラ」「VWイオス」などなどいろろありましたが・・・これらの2ドアが絶版しております。
今でもBMW・メルセデス・アウディからそれぞれ複数の2ドアが出てますけど、この3ブランドから500万円くらいで買える2ドアってどうも「安っぽい」印象があります。無理して輸入車に乗っている感が出てしまうのも嫌ですね。そして何より、最近のDセグセダン(特にFR)は急速に後席の居住性が向上しているので、現行では3シリーズもCクラスも「実質2シーター」なクルマではなくなりました(まだ狭い?)。なのでスポーツクーペとは以前よりも「互換性」はなくなっていて、4ドア4シーターのパッケージが「商品価値」に織り込まれています。
そしてちょっと前までは、評論家がしばしば新型のDセグセダンに対して、車幅は1800mmを越えてはダメだ!みたいなことを盛んに言ってましたが、これがまったくの真逆で、ワイドなボディはとっても見栄えがして、都内の道路事情を考えても苦労するところなんてほとんど無いです。東京の中心部でも何気に増えているBMWの4シリーズ(3シリーズをワイド化)をみるとこれはこれで全然ありだと思います。予想外に東京の風景に馴染みますね。むしろ高級車であることを意識し過ぎたグリルの現行クラウンよりもずっと東京っぽいです(名古屋のクルマが当たり前ってのはやっぱり変かも・・・)。
残念ながら前評判の割に思ったほどは売れなかった新型メルセデスCクラスも、先代から大きく車幅を拡大して登場して、スタイリングに関しての不満はだいぶ少なくなったとは思います。先代はというと、サイズもそうですが、日中の2車線道路でサイドに並んだときに、日産ブルーバードシルフィかトヨタプレミオみたいな側面をしていて、今のメルセデスの各モデルとはだいぶ質感に差があります。これがたった1度のフルモデルチェンジだけでライバルブランド(質感に関して先頭を走るのはアウディとレクサス?)と全く遜色ない水準まで上げて来ました。
もう何度も街中で見て確認しているので、これはもうメルセデスの狙いなんだと思うのが、「フロントデザインのチョイス」ですね。Cクラスのフロントはなかなか立派で、正面からみれば「C」だか「S」だか分からないくらいです。よくよく見れば、CLAとCLSはほぼ瞬時に違いがわかってCLAはとっても・・・な印象を与えるのに対し、Cクラスは真上からでも見ない限りはDセグより上のクルマに見えます。レクサスISや3シリーズがそうですが、上から見るとトミカのミニカーを見ているような縦:横の比でしかないことがわかります。しかし上からの見た目なんてハッキリ言ってどうでもいいですけど。
デザインも立派になって、4シーターセダンとしての価値も持つようになったCクラスですが、日本向けの搭載エンジンがややショボい直4ターボのみです。ここまで気合いいれてサスペンションまで高級なものに変えたのだから、間もなく登場すると言われる新しい縦置き直6ターボ(できれば自然吸気)まで用意して登場してほしかったです。以前から他のブログで言っているのですが、FRの直4サルーンなんて一体誰得?なんだろう・・・ってことです。とっても悲しいことに欧州メーカーが一斉にターボを使い出してから、いろいろとクルマの意味が変節してきています。ダウンサイジングがメーカー都合の我田引水のように使われ、コンパクトカーと高級サルーンの境目があっさりと「クロスオーバー」しています。
ユーザーが「コンパクトカー」に求める条件と、「高級サルーン」に求める条件のどこに合致する点があるんですかね? メルセデスはその境目を意図的に壊し、「コンパクトカー」を求めるユーザーに300万円台の「メルセデス」を提案し、「高級サルーン」を欲しがるユーザーには「メルセデスの品格は700万円〜ですよ!」みたいな商売を仕掛けるのでしょうか? 先代に比べて格段に良くなったCクラスに決定的に欠けているピースが、「高級サルーン」に不可欠なマルチシリンダーのエンジンです。何故だろう?と思っていたら、どうやら年内にはV6(直6ではない!)とV8がいよいよやってくるそうです。一つは従来からあった「メルセデスAMG・C63」で今回は5.5Lターボに換装されて登場するそうです。もう一つは「メルセデスC450AMG」というV6ターボだそうです。なんでAMGが付くの?・・・乗り出しはどちらも1000万円オーバーかな?
ちょっとまとまりの無い内容になってしまいましたが、簡単に結論的な「希望的憶測」を付け加えてまとめると、「メルセデスに楽な商売をさせるほど、日本市場は甘くはない!」ってことを他のブランドは示すべきではないですかね。例えば・・・ホンダは自慢の2Lターボをアコードに載っけて日本に凱旋させてはどうですかね。スバルはレガシィが自然吸気だけの設定になってCVTとの相性が一気に良くなりましたから、ここで6気筒ボクサーを積んで高級化を狙ってはどうでしょうか? そしてマツダは・・・AWD化したアテンザに秘密裏に開発しているという新型ロータリーを積んじゃえ! 「セダン市場」というと各メーカーともに近寄りたくないかもしれないですが、今や玉石混交の「いいクルマ」市場で、「ポルシェ・マカン」と「トヨタ・アルファード」が異種格闘技戦を繰り広げています。セダンは脇役でいいのか?
全く触れませんでしたが「E63AMG・S・4MATIC」のカタログ本体価格が200万円ダウンしました!
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