2013年4月24日水曜日

スバル新型WRXコンセプト 「日本に本格的なGTカーブーム到来?」

  最近の日本を初めとした「自動車先進国」のメーカーでは「SUV」の新型車が目立つ。そのほとんどが2007年頃の「SUVブーム」の頃に開発が決定されたもののようで、ブームが去った今となってはかなり「無計画」な開発をしているようにも見える。自動車メーカーにとって困難なことに、2000年代は完全なブームの終焉を迎えた「スポーツカー」の開発がことごとく制限され、その開発資源の多くがSUVへと向けられた。FRスポーツとして開発された「アルテッツァ」や「RX-8」はより高いユーティリティを持つ4ドアセダンへと計画が変更されたりした(もちろんその結果、両車ともにヒットしたが)。しかし極端に制限された「2ドア車」の品薄感が逆に「2ドアスポーツクーペ=高級車」という図式を生み出して人気が再燃している。

  ただ「スポーツカーリバイバル」といっても、日産「GT-R」や三菱「ランエボⅩ」のような「世界最速」クラスのマニア向けスポーツカーが売れるのか?というと、こういうクルマはファンが多いので不況でもそこそこ売れるが、「ブーム」でたくさん売れることもとくには無いらしい。サーキットで走らない人にとって「余計な」装備があまりにも多すぎるだけでなく、非常に燃費も悪くて実用性も低く、エンジンスタート時の騒音もけたたましくて、近所の迷惑にもなりかねない。さらに「ランエボ」に至ってはクルマに詳しくない人から見れば「ただのクルマ」だ。それでもこの2台のクルマは走らせれば「マセラティ」や「アストンマーティン」の軽く1000万円を超えるスポーツカーよりも速いくらいなので欧州でとても人気がある。

  ドイツのニュルブルックリンクでは20ユーロ払えばだれでも自分のクルマを走らせることが出来るそうだが、日本にはそこまでのクルマ文化(スポーツカー文化)が浸透していないせいか、高性能スポーツカーを好んで買う人は少ないようだ。もし日本に「ニュル」のような手軽に走れるサーキットがあったら、圧倒的な加速性能を誇る「GT-R」のようなスーパースポーツカーがほしいと思うのではないだろうか(日産が手軽なサーキットを運営してはどうですか?)。

  そんな中スバルが発表した「WRXコンセプト」は1.6Lターボの240psと従来のWRXからデチューンされているようだ。「STI」に乗っている知り合いは、かなりがっかりしていたようだが、このクルマは従来のスバルのイメージを覆す「エクステリア」になっていて、デチューンによって燃費面でより実用的なクルマになっていることから、カタログモデルとして300万円程度で販売すれば相当に売れるような気がする。三菱がランエボのエンジンをデチューンして発売した「ラリーアート」仕様のギャランフォルティスをカッコ良くしたようなクルマと考えるとかなり食指が動く。けっこうこういうクルマが欲しかったという人は多いと思う(ギャランフォルティスがかっこ良ければな〜)。現実問題としてはラリーアートでも燃費が厳しいので、1.6Lターボというのは魅力的に思う。

  「ハイパワー」こそが高級車の1つの証明であると考えれば、今後こういった実用性を視野にいれていて、なおかつプレミアムブランドに匹敵する「エクステリア」と「インテリア」を持つ高性能モデルが、日本のクルマ好きの人々に「所有する喜びを与えるクルマ」として評価されて大ヒットしていく時代になってきたのかな?と思う。メルセデスあるいはBMWに匹敵するクルマを作れる日本メーカー(トヨタ・日産・ホンダ・マツダ・スバル・三菱)は、ドイツ車を超えてさらに高いレベルを目指すことなしに、これらのメーカーに未来はないという厳しい現実がある。安全で高性能でなければ日本国内で作る意味がないくらいに自動車産業も「空洞化」が迫っている。


「最新投稿まとめブログ」へのリンク

↓この表紙のような「キーンルック」スタイルはどうも所有欲がくすぐられないですね。新型WRXは欲しいなと思いましたが・・・。

  

  
  

0 件のコメント:

コメントを投稿