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2016年5月11日水曜日

英国経済復活で・・・いよいよ「タスカン」が再始動するみたいです。

  この20年あまりの間、ドイツブランドや日本ブランドが世界で大活躍するのを、指をくわえて見続けてきたイギリスの自動車産業は、完全に新しい展開を迎えているようです。21世紀に入って巻き起こった業界再編の中で、イギリスの自動車産業はことごとく独立性を失っていきました。日本メーカーも状況はほぼ同じで、トヨタとホンダ以外は全て外資に身売りしましたが、イギリスでは一定規模のメーカーの全てのブランドが身売り・・・。

  ベントレーはVWに、ロールスロイスとMGローバーはBMWに、アストンマーティンとジャガーはフォードにそれぞれ買収されましたが、これら「まとも」な自動車メーカーに買収されたブランドにとっては幸運だったようで、再びクルマを自力で作るだけの開発&製造スキームを、あるいは必要に応じて開発が難しい部分の供給を受けられる体制を作ることができたようです。F1で知名度が高いマクラーレン・カーズが2010年頃から市販車の取り扱いを再開して新型モデルを次々と発表し、一躍スーパーカーシーンの主役に躍り出ると、それに続けとばかりにインドやカタールといった新興国資本を株主として復活したジャガー=ランドローバーやアストンマーティンも、日本に直営ディーラーを建てるなど再び攻勢にでています。

  そんな押せ押せムードのイギリススポーツカーブランドですが、10年前まで日本にも正規輸入を行っていた名門ブランドがいよいよ復活を果たします。一度はロシア資本に身請けされたものの、倒産の憂き目を経て再び英国資本で再建されたのが「TVR」というGTカーや小型スポーツカーが得意なブランドです。英国人の資本家レス=エドガーが「イギリスの誇りを取り戻す」と宣言してから活動が再開し、デザイナーにはマクラーレン・F1を手掛けたゴードン・マレーが登用されたようです。

  英国人が英国人のために英国車の誇りを取り戻すためにGTカーを作っているという話なんですが、・・・日本メーカーで例えれば!?水野和敏さんが日産でGT-Rを作ったみたいなものでしょうか。どう考えても中途半端な仕事で終わるとは思えない雰囲気です。日本でも再び人気が高まっている英国車・・・だけどどうでしょうか?多くの日本のユーザーはジャガーのXFとかXEとかいったドイツ車もどきなセダンを買って満足しているような気がします。あるいは・・・マツダロードスターのコンセプトを拝借して自らのアイデンティティとしたロータス辺りをよく見かけます。マレーシア資本でトヨタのエンジンを使って作られる日本風のスポーツカー・・・もちろんイギリスにもライトウエイトスポーツの伝統はありますけど(コーリン=チャップマンに敬礼)。

  ロータスはともかく、ジャガーのセダンはどうも期待ハズレですね。デザインにオーラが無いです(B◯Wのコピーみたい)。内装も走りも「これは!」ってのが無い・・・作っている連中の熱意ってのが伝わってこないです。それに引き換えエモーショナルだと感じるのはFタイプですね。もちろん900万円以上という価格帯ゆえの「説得力」もありますが、発売当時に誰もが「これは安いのでは?」と感じたでしょうし、ジャガーの売る気マンマンの気合と、「これが新生ジャガーです!!!」という挨拶代わりのインパクト大な待望のGTスポーツカーだったんじゃないかと思います。

  やっぱり英国車を買うならGTカーかな〜・・・。セダンはダメだ。なんて思っていた矢先に舞い込んできたTVR復活のニュースです。免許取りたての頃(2000年頃)に、日本で販売されていた幾多の輸入ブランドの中でもとびきりの個性派だと感じたのが、「TVRタスカン」(2代目)でした。4Lの直6エンジンで350psくらい出るのに、車重が1200kgの2シーターですから、フェアレディZをあらゆる意味で過激にしたような「エクストリーム」なスポーツカーだったと記憶しています。その佇まいは古のフェラーリ・デイトナ(365GTB)を思わせるような「王道GTカー」そのものでした。

  同時期の英国GTカーといえば「ジャガーXK」と「アストンDB7」という稀代の好デザインGTカーの時代なんですが、それでもタスカンの存在感と、孤高ともいえる欧州の古典的なスタイルを正常進化させたような「味の濃さ」を感じましたね。日本の道路だったらXKやDB7よりも断然に目立つはずです。

  新生TVRの門出を祝う「タスカン」後継モデルは、2017年の発売を予定しているそうです。2017年前後に発売を予定している新型GTカーあるいはスポーツカーは、噂の部類も含めてかなりの数に上ります。アストンマーティンのフラッグシップ「DB11」やレクサスLC、ホンダNSXなどが話題ですけども、それ以外に「アルファロメオ・ジュリアクーペ」、「インフィニティQ60(スカイラインクーペ)」、「フォードGT」。さらにマツダ(RXヴィジョン)とDS(E-TENSE)からいよいよ王道GTカーが登場するのでは?という噂もあります。そしてアルピーヌからもスポーツカーが復活らしい・・・。

  数年後の赤坂・六本木界隈の休日の地下駐車場には、見渡す限りのGTカーと高級SUVばかり・・・(それとスーパーカー)といった光景が広がるんでしょうか!?オシャレじゃなきゃクルマじゃない!!とかいう過激なコピーがクルマ雑誌に並び、今以上にプレミアムブランドによるプロモーション合戦が繰り広げられるてそうです。・・・都心でクルマをオシャレに乗る人は、ドイツ車のセダンとか呑気に買っている場合じゃないですよ!!!あと1年しっかりと貯金して2017年以降のトレンドを見極める必要がありそうですね。

2000年頃のTVRタスカンの動画を付けておきます!!!
シフトレバーがカッコいい!!

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