2013年6月25日火曜日

BMW M3 「さらばM3・・・?」

  誰の目にも明らかだがBMWとレクサスのグレード名が様々な点で似て来ている。「奇妙な」までのこの両社の連動性のあるラインナップの変化は、どいういう意図があるのか分からないが、攻勢を強めるメルセデスとアウディの安易なクラス設定を揶揄する意味合いがあるのかな?などと勘ぐってしまう。具体的にトヨタとBMWが新たに何をするかというと、Dセグ(ISと3シリーズ)におけるセダンとクーペの車名を分けて発売するようだ。さらにスペシャルモデルだった「IS-F」と「M3」を廃止して、次期モデルはクーペのみの「RC-F」と「M4」となって登場することが濃厚だ。

  「AMG」「S」「M」「F」は暗黙のうちに「V8」エンジン搭載モデルを意味していたが、最近ではその「称号」が「商号」化してきたようで、直4ターボの「AMG」「S」が登場してきている。あまり目くじらを立てるのもどうかと思うが、どうやら「記号化」によってユーザーが得をするケースはないようだ・・・。さらに「Mスポ」「Fスポ」なるグレードも今やBMW・レクサスに全車に設定されている。「Mスポ」というのはてっきり電制サス(アクティブサス)装備だとばっかり思っていたが、どうやらスポーツサスが付いているだけのようだ。

  10年前の「M5」と言えば、Mシューマッハが認めた最高のGTカーとして、BMW最強のイメージリーダー的クルマだった。2001年の雑誌sightでクルマ特集(英国雑誌の企画の邦訳)が組まれていたが、その中でもM5の評価は絶大だった。R34GT-RやS2000といった日本の名車も多く参戦していたが、M5とポルシェ911の優位は全く動かずだったような記憶がある。あれから12年が経ち、同じような企画をやったとしたら911はともかく、M5が同じような評価を受けられるかはちょっと疑問だ。BMWの開発はブランドの「頂上」ではなく、「裾野」のほうでむしろ盛んになっていて、販売のボリュームゾーンを考えるとその平均価格はどんどん下がっている印象だ。決して「庶民的」なブランドだとは思わないが、もはや世界中の金持ちがもて囃すブランドではないし、1500万円のM5がブランドを象徴する時代ではないのは確かなようだ・・・。

  そんな「究極のGTカー」イメージを確立した名車M5の弟分としてM3も約1000万円で日本のエリートサラリーマンならなんとか買える価格設定でMシリーズの稼ぎ頭だった。しかしBMWがただV8を載せるだけでほったらかして、シリーズの進化を放置したツケが回ってきたようだ。911やGT-Rのよう4座のスーパースポーツに走行性能で大きな差をつけられ、スポーツセダンとしての地位すらV8搭載で価格がM5よりも300万円安いアウディS6に主役の座を奪われつつある。

  そこでBMWがアウディ対策に導入するのが、新型M4のようだ。噂によると直6ツインターボになるのではと言われている。これは同じベース車両を使うアルピナB3と同じスペックになるが、M4は2ドアクーペのみで、B3はセダン(リムジン)とワゴンの設定でボディ形状で差別化する作戦らしい。ただ4シリーズはクーペ専用モデルなのだから、ベースで直6ターボを装備し、M4でV8モデルになったほうが、良かったように個人的には思う(BMWは「愚直」なブランドイメージがあったが、どうやら完全に過去のものになってしまったようだ・・・)。


↓M3の伝統はM4にしっかりと引き継がれるのか?
  

  

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