2014年5月10日土曜日

シトロエンDS4 「ベストデザイン オブ CセグHB」

  日曜日の中央自動車道・石川SA。まだ朝6時だけども、ここのラーメンは美味しいから空いている時間に寄る時は食べておきたくなる。東名&新東名のSAはどこも「味がしない」「干し肉&干し野菜」の食べたことを後悔するレベルですが、中央道ではそういう粗悪さがあまり見られない。そもそもラーメンの旨さなんて千差万別なので、「日本一旨い!」とか短絡的なことは言いませんけど、早朝でも美味しく完食できるという「普通さ」がSAの食事ではなかなか得られません。

  国立・府中ICから中央道に乗って5分足らずでもう休憩。しかも「朝からラーメン!?」と怪訝な表情の彼女を連れて駐車場を歩いていると、2人同時に同じクルマに眼が釘付け。視線の先に停まっていたのが白いボディにシルバーのラインを輝かせた「シトロエンDS4」!これはなかなか実車を見る機会が少ないクルマの1つです。街で見かけるシトロエン車はC3とDS3のBセグの2台が断然に多いです。理由は単純明白でこの2台が趣味のクルマとして非常に完成度が高い!といってしまえばそれまでなんですけど、「コンパクト高級車」というコンセプトを見事にクリアしている希有なモデルとして、弱小ブランドのクルマながら十分に存在感を発揮できています。

  C3/ DS3よりも一回り大きいCセグHBの「DS4」は、やはりメルセデスやBMWまで参戦してくるクラスになるので、ある程度の苦戦は致しかたないところです。しかもアルファロメオ・ジュリエッタと並んで、ベースグレードで単純に比較すると、ゴルフや1シリーズ、Aクラスといった有名どころよりも高い価格設定ですから、結局のところ相当なシトロエン贔屓の人しか購入しようと思わないわけです。このクルマと共通設計のプジョー308も販売は低迷していて、「カブリオレ」「リトラクタブルハードトップ」といった個性を求めるユーザーには愛されていますが、今後は日本での商売はいろいろ難しそうです。

  それでもやはり「スペック表に載らない個性」ってのがあるんですよね!いや〜恐れ入りましたこの「シトロエンDS4」は文句なしにカッコイイです! 「マツダ・アクセラ」が一念発起してゴルフ・1シリーズ・Aクラスをまとめて負かしに行きましたが、やはり世界は広いです・・・上には上がいるもんですね。マツダ視点での話で恐縮ですが、マツダデザインの真価は「サイドシルエットのバランスの良さ」にあって、そこから回り込んだフロントやリアの造形とシルエット全体の整合性もドイツ車全般を見下すことも出来るほどに突き抜けたセンスの良さが光ります。しかしシトロエンDS4も360度あらゆる視点において隙がないです。

  さらに言うならば、マツダが「鼓動」デザインに目覚めるよりも早く「デザインの時代」の到来を告げたのがシトロエンの「DSライン」で、マツダの現在の方針は完全にこれの「後追い」と言えます。シトロエンのデザインも「DSライン」が出来る前をみれば、極めて平凡なものだったりするのですが、いざフランスのブランドが本気でカッコいいデザインを作ってくると、「シトロエンってのは抜群にセンスがいい!」みたいなことを調子良く言って叫んでしまいます・・・日本人のコンプレックスは悲しい限りです。

  シトロエンは「ハイドロサス」のフラッグシップC5以外は全て、トーションビームです。ゴルフ・1シリーズ・Aクラスのユーザーからしてみれば、高級車=「マルチリンク」であることがポイントだったりするのでしょうけど、最近のトレンドである低燃費化の切り札として、あらゆる部品の「軽量化」の中でサスペンションをより簡素なものに変える動きもあります。軽量化か?安定性か?の二者択一といったところでしょうか。

  ただ現実問題として「独立担荷式」(マルチリンクなど)を信奉しているドイツ車&マツダ&フォードがそのアドバンテージをどこまで使えているかは非常に微妙なところで、この前もある評論家がフィエスタ(車軸式)はメルセデスCクラスより乗り心地が良いと強調していた。この「下剋上」現象が起こっているのは、今が欧州車にとっては設計面で大きな変化を必要とする過渡期であることによるようです。

  近年では250km/hといったハードな走行条件を意識しなくなったため、ポルシェやガヤルドのようなスポーツカー並みのサス剛性を強調した設計から開放され、車重があるクルマの方がバンプしないから乗り心地がいいという時代でも無くなったってことです。車体を軽い小型車の簡易的サスに付随するバンプストッパーの性能・品質が向上して「逆転現象」が起こったわけです。このバンプストッパーによる仕上げで欧州車らしからぬ乗り味で革新的な立場にいるのが何を隠そう「シトロエン」です。まあメルセデスも新型CクラスではSクラス用のサスを投入して「名誉挽回」を図ってきましたが・・・。

  もちろん「乗り味」の好き嫌いはあるでしょうけど、ゴルフやフォーカスの先を行くシーンを変えるかもしれない前衛的な姿勢を持ったクルマなので、まあいいんじゃないかという気がします。PSAの「右ハン&4AT」はカスと専らの評判でしたが、今回正規輸入はすべて右ハン!・・・しかし車幅がだいぶ広がったためにハンドルやペダルの位置といったネガはだいぶ抑えられたようです(ただし右ハンだけブレーキがVW日本仕様並みにカスらしいが・・・)。さらにC3/DS3は未だに4ATですが、C4/DS4はC5と同じ6ATに変更されていますので、こちらも「すぐ壊れるゴミ」というシロモノではなくなりました。

  だいぶ話が長くなってしまいましたが、スタイルはこのクラスでは「断トツでナンバー1」です。気になる点は「価格」と「ブレーキ」だけでしょうか。ただし悪いと言ってもゴルフと同程度ですよ!ってことです。なかなか今の日本のニーズに合ったクルマなんじゃないかと思うのですがいかがでしょうか。

リンク
シトロエンDS4 動画

最新投稿まとめブログ

0 件のコメント:

コメントを投稿