2013年9月24日火曜日

ジャガーXJ 「欲しい・乗りたいと思わせてくれるスーパーセダンは貴重だ!」

  本体価格が1000万円以上するクルマを買う人々の生活水準は、当たり前ですが相当に高いです。新車を10年乗るとして、車両価格の減損分だけで月にほぼ10万円掛かります。屋根付き車庫代やガソリン代、諸費用がさらに掛かります。GT-Rは消耗品だけで年間100万円近くかかるとか・・・。車体だけで月10万はやっぱり破格ですな。

  ただ見方を変えれば、毎月10万円以上の書籍代を計上する人なんて案外ザラにいたりします。業界新聞を数紙購読していれば、気がつけば軽く超えている金額です。他にも実家に部屋が空いているのに、わざわざ家賃を10万円以上払って一人暮らしをしている人も、理屈で言えば捻出可能な金額です。さらに趣味に月10万以上を注ぎ込む人だって珍しくないでしょう。

  ということで、ベルリネッタやアヴェンタドールとなると話は別ですが、ポルシェ911やジャガーFタイプやGT-Rならば平均的な日本人が楽しんでもよいくらいの価格じゃないかという気がします。まあ1000万円程度の頭金をどうやって貯めるかはその人次第ではありますが・・・。親が貸してくれるってケースも結構あるのだとか。まあ20代そこそこのアクティブさで、スーパースポーツカーのアクセルをヴァンヴァン踏んでセレブに成りきるのもいいかもしれません。

  別の見方をすれば20代そこそこでスーパースポーツに乗ることは「若さ」の浪費とも言えます。20代という年齢は、どんなクルマに乗ってもいい年頃な訳で、軽自動車でもスイフトでもマーチでも好きなクルマに乗っても、特に誰にバカにされることもないです。周囲の視線を気にしてクルマ乗るなんてナンセンスという意見もあるとは思いますが、結局はそういう部分(周囲から見た社会性)はクルマにとってかなり本質的なものなのではないかと思います。

  あくまで個人的な意見ですが、外見上も変化が現れる30代後半にもなれば、人はみなそれなりに分相応のクルマに乗り換えなければいけないと思います。高齢者が「終末」のクルマとして乗るならいざ知らず、40~50歳代でゴ◯フやミ◯に乗っていい気になっている大人は相当にみっともないと感じます。そういう大人にはなりたくないので、お仕事頑張ろう!そして40歳になったらジャガーのセダンにでも乗りたいなと思ったりします。

  そんな「偏屈」な自分に強いモチベーションを与えてくれる魅力的なクルマを作っているジャガーはとても素晴らしいブランドです。最高のセダンだけでなく、最高のスポーツカーも作っていて、この2つがここまで高いレベルで揃っているブランドは他にないような気がします。「アストンマーティン」はスポーツカーだけだし(ラピードはちょっと・・・)、「マセラティ」はセダンだけのブランドです。

  セダンのXJの乗り味はしばしば「極上」かつ「最高の世界観」と評されています。ライバル車をすべて所有した経験がないと安易にこんな言葉は吐けない気もしますが・・・。それでも最高のクルマには、常に理想(イディア)がありそこに到達するために、いかなる高価な設計を使うことも辞さない不退転の決意みたいなものがみなぎっているはずです。ジャガーXJの設計を細かく見ていくと、レクサスLSに匹敵する最高の静粛性と、Sクラスを凌駕する極上の内装と、BMW7シリーズのような独特の乗り味のすべてをどん欲に追っかけている様子がわかります。

  旧フォードグループの「PAG」(プレミアム・オート・グループ)に名前を連ねていたブランド群は、資本がインドや中東、中国へと変わりましたが、いずれも最近になって復活の動きが活発で、各分野で話題を独占するような傑作車が相次いでいます。今年の3月に発表された「ワールド・デザイン・COTY」のベスト3はいずれも旧フォードのブランドである、アストンマーティン「ヴァンキッシュ」、ジャガー「Fタイプ」、マツダ「アテンザ」の3台でした。その前年の大賞はレンジローバー「イヴォーグ」、さらに前々年はアストンマーティン「ラピード」といずれも旧フォードブランドで占められています。

  これらはデザインだけでなく、クルマとしての性能ももちろん高く評価されていて、各方面の最先端のカーアイコンとして君臨しています。かつてフォードがまとめ上げた「非ドイツ系」集団は、それぞれのブランドには今なおフォードの優秀な遺伝子が組み込まれ、いずれもクルマ作りにごまかしがなく、誠実に良いクルマを作ろうという姿勢が目立っているように思います。ボルボもV40という味のあるモデルで日本市場に挑戦しています。

  その中でも今最も輝いているのが、ジャガーだと思います。セダンにおいてもスポーツカーにおいても基本設計で、できるだけ良い素材・部品を使ってクルマを作るという姿勢が貫かれています。このXJもフルサイズセダンとはいえ「走り」に関して妥協したくないようで、ライバルの超高級セダンの中でドライビング性能の向上を一番真剣に考えた設計が取られています。最大の特徴は軽量化のためにコスト度外視のアルミボディを採用していることです。つまりホンダが究極のスポーツカーとしてNSXを作るくらいのテンションでフルサイズセダンを作ってしまっているわけです。これは最高級クラスのセダンにおいては他のメーカーの追従を許さないジャガーXJの最大の個性と言えます。Sクラスと同じサイズながら、V8搭載モデルで単純に比較すると200kg以上ジャガーXJの方が軽いです。ジャガーはアルミボディを他の車種でも多用しており、「アルミのジャガー」と言っていいほど特徴的です。

  Sクラス・7シリーズ・パナメーラ・クワトロポルテといったライバル関係の中で、他のモデルが「とりあえずV6とV8の二本立て」という無個性にハマっている中で、軽量なアルミボディを生かして、直4ターボモデルまで作ってしまったのには多少は困惑しました。しかし車重が1780kgとEクラスや5シリーズ並みに抑えられているので、4気筒が増えているEや5の現状を考えると妥当な設定かもしれません。

  4気筒は正直言ってほしいとは思いませんが、ジャガーXJのような考え抜かれたクルマこそが、1000万円以上かけてでも買う価値のあるクルマなのだと、つくづく思ってしまいます。ポルシェ・パナメーラやマセラティ・クアトロポルテの方がスポーティで個性がある超高級セダンというイメージがありますが、フタを開けてみるとポルシェだからと言ってもミッドシップでもなければボクサーエンジンでもない、ただのデカいクルマだったりします。最高級モデルでくらべても「パナメーラ・ターボ」より「XJ・V8スパチャー」の方が軽量で、ターボよりレスポンスのいいスーパーチャージャーでチューンナップされて、出力も上回っています。おそらくXJの方が基本的な運動性能は上ではないでしょうか。まったく調べれば調べるほど好きになる新生ジャガーです(ポルシェも好きですが・・・)。

  
ジャガーXJ 動画 クルマカタログ
  

6 件のコメント:

  1. のっちさん、こんばんは!

    XJ、いいですよね〜、街中ではそうそう見かけませんが
    視界に入りさえすれば、たとえどんなに小さなミラーの中でも
    すぐに識別できるほど抜群のオーラを放ってますよね。

    私ものっちさんも後6年ほどで40代突入ですが、
    未だに車に社会性を求めるのは一部ではナンセンスと
    言われるらしいですね。
    経験的に道理のわかった若者に顕著ではありますが、
    我々はそれを寂しく思う最後の世代なのでしょうか。

    私ものっちさんと同じで何歳で何何に乗る、
    と目標を定めてきたタイプなのでとても嬉しく思います。
    特に40代でジャガーは全く同感です。
    かつて「30代ではBMW」を目標にして、2年前倒しで達成しました。
    やっぱり仕事、頑張りましたよ^^

    ゴ○フやミ○もそうですが、最近増殖してきたF30系の3シリも
    オーナーが雑多すぎて嫌になりますね。
    運転がヘタなオバさんか頭悪そうな日焼けしたオヤジばかりの気がします。
    元BMWerとしては同じだと思われたくないので
    最後の6気筒NAだった5シリというところを強調したいところです。
    (そんな弁明の機会は訪れませんが)

    今のCTSを5年乗るとして、ジャガーのXF(XJはまだ早いか?)を2年
    前倒しで所有できるように。

    お互い頑張りましょう!

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    1. yatsumeさんこんにちは
      コメントありがとうございます。

      yatsumeさんにはぜひ40手前でXJ乗りになって頂いて79年生まれの意地を世間に知らしめてほしいです。CTSってすでにXFと同格くらいじゃないですか?

      私は50歳までには、ジャガーオーナーになれるようにマイペースで頑張りたいと思います。

      彼女にはyatsumeさんのように頑張れとか言われてます! E61オーナーであった彼女の父は大会社の役員待遇の方だったので、30手前でE61オーナーになったyatsumeさんはスゴいなって言ってましたよ。

      今後ジャガーはいろいろなモデルを出すみたいですね。XJももちろんですが、XKの後継モデルも3年以内には出てくるようなので、セダンか4座スポーツか、気楽に悩んでいます・・・

      仕事のモチベーションって大事ですよね。別荘とか1000万円クラスのクルマとか、去年まではそれほど欲しいと思わなかったのですが、今は結構ガチです!

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    2. のっちさん、こんばんは。
      いつも朝早いですね^^

      いや、E61は2年落ちの認定でしたから!
      当時新車ではとても難しかったです。
      家内のママ友が5ナンバーサイズのミニバン御三家か軽自動車という環境の中、E61を運転させるのは忍びなかったですが、私の車好きをよく理解してくれていたので充実した5年間を過ごすことができたと思っています。
      パートナーに恵まれないと車道楽は難しいですよね(笑)

      CTSは、そうですね・・・。ブランドイメージや格という点では伍するかもしれませんが、やはりキャデラックの「コンパクト」セダンでV8がラインナップされていない点からするとどうなのかなという気はします。
      その意味でも直4ターボのATSはキャデラックとはちと言えない。
      3シリのケツをブランド甲斐(?)も無く追い掛け回しただけの駄作です。
      CTSなら、まあVがありますが、あのV8は次元というか、ベクトルが違いますしね。

      5年後は娘が15歳で息子が12歳か〜。
      XJは、もうすこし憧れのままいて欲しい!
      その時のライフスタイル次第でしょうが、身の丈を超えまくってるような。
      アガリとは考えてませんがデイムラーのダブルシックスくらい
      恐れ多い存在ですよ、アレは。
      XJ買うお金あればXFR行っちゃうかも^^

      でもそう考えるとV8スーチャーのCTS-Vって格安なんですよね・・・。
      1000万切ってますからね、アレ。
      1000万あれば、なんて車好きなら朝まで語り明かせる「あるある」ですね。

      仕事のモチベーション、大事です!
      私の幸せには家族と車、これは絶対欠かせないので。
      1000万の車も、少し経てばいいお値段になってくるんですよね・・・。
      かつては中古輸入車の洗礼を受けたレンジローバーもまた乗ってみたいです。
      XJよりはまだカジュアルですし。
      王室のワラントは4つ、とジャガーの3つより多いんですけどね。

      いや、旧フォードグループはいい仕事してます(笑)

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    3. yatsumeさんこんにちは

      30そこそこの若造どうしで高級車について盛り上がっていたせいか、他の読者様にちょっとした「お叱り?」を頂いちゃいました・・・。「ジャガー買えるようになってから語れ」って厳しいご意見でした。

      でも現実問題として、将来ジャガーに乗るか乗らないかの分かれ目を迎えようとしている30代前半にとって、結局はどれだけ明確に「ジャガー」を意識できるかがとても大事ですよね(という気がします)。

      そういうイメージが全くない人を否定する気はありませんが、どんな業界でも成功する人というのは、「ヴィジョン」と「自信」が無限にあるヤツなので、実際に買う買わないは別として「ジャガー乗りたい!」でいいはず・・・とここで言ってみました。

      アメリカではV8スパチャーは「実用エンジン」?で生産量も多いようで規格外に安いですね。CTS-Vもですが、SRTチャージャーとかシェルビーとかお買い得過ぎるので、今年相次いで日本に正規輸入が再開されたみたいですね。

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    4. のっちさん、こんばんは!

      自信!は大事だと思いますよ?
      買いたい!買ってやる!と思わないとあんな車買えないですよ、実際。

      ジャガー買えるようになってから語れ?ですか。
      ジャガー買ってから語れ、ならわかりますけどね。
      ジャガー買える「年代」になってから語れ、ですかね。

      どちらにしろ偉そうですね。

      実際新型XJなんてイヴォークの内覧のあとフロントに呼ばれて
      ちょっと乗らせてもらっただけですし。
      それで偉そうに語るのは早計でしたかね、
      その意味ではお叱りを受けても致し方ない。

      買うだけなら20代でも買えるでしょ、ジャガー。
      でも見苦しいでしょ、20代じゃ。私はそう思います。

      その人ジャガー乗ってるんでしょう?なら羨ましいですね。
      でも私が思うジャガーのオーナー像とは違うなぁ。
      レクサスオーナーみたい。

      コメ欄汚し、失礼いたしました。

      また今度V8SCで語りましょう((*゚▽゚*))

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  2. yatsumeさんこんにちは

    いえいえ、コメ欄にはなんでも好きなこと書いてください。

    朝5時頃起きてゴミ捨てに行くと、たまにLEDを輝かせたXJがゆったりと通りすぎます。音からするとV6のようですが、存在感は素晴らしいですね。薄暗い中でヘッドライトが近づいてくる様はメルセデスかアウディみたいですが、通り過ぎた後のテールライトの形状がとても優雅ですね。夜の高速でこんなケツを見せつけて走ってみたいです。

    またyatsumeさんの理論的で明快な高級車論が聞ける日を楽しみにしています。(おかげ様でかなりその手のクルマが好きになりました)。

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