2016年5月7日土曜日

GT-Rと同等の加速をするフルサイズセダンがすでに市販・・・おいおい。

  テスラ・モデルS・アメリカ政府の手厚い保護により頭角を表したテスラの大ヒットモデルです。ボデーは大きめのEセグセダンくらい。バッテリーをたくさん積んで航続距離を500km程度まで伸ばしているEVです。フーガがリーフのようなピュアEVになってそのボデーにバッテリーをたくさん積んで航続距離を伸ばした感じのクルマです。発売当初は800万円を下回るくらいだったのですが、最新モデルはいよいよ1500万円にまでなるようです。

  このクルマは年次改良で、価格も上がるけどスペックがどんどん上がるという、なんとも新しいタイプのクルマです。そのスペックの上昇度が、ノートパソコンのメモリーやハードディスクの容量が上がるかのようで、完全に自動車業界の常識を越えてます。その最新バージョンである「テスラ・モデルS・P90D」ではいよいよシステム出力が773psまで到達したそうで・・・スペックだけ見るとケーニッグセグか何かですか!?(笑)。最高出力は0-100km/hの公式タイムが2.9秒だそうですよ〜。

  フェラーリが最新の488GTBでやっと到達した3秒を切るタイムを、4ドアで車重2.3トンもあるセダンが実現してしまうって・・・まあ加速だけがスーパーカーの価値ではないですけど、「BMWアルピナB6グランクーペ・アルラッド」というモンスターセダンが3.9秒を達成すると、今度はおなじみの「アウディS8」がFMCによってV8ツインターボ600psに換装されて3.8秒を誇りますけど、この両者(どちらも2000万円以上!)をあっさり追い越していきました・・・。もうポルシェもアストンマーティンも現行モデルのセダンでは太刀打ちできません。

  7erやSクラスくらいの豪華なボデーながらもGT-R並みの加速しちゃうわけですから、よく考えればこのクルマは全くエコじゃないですね。もはや石油関連企業から利権を奪い取るために新エネルギー発電関連企業が仕掛けたという陰謀論まで噴出しそうです。これに日本の電力会社まで加担して拡販をはじめたらいよいよ怪しいですね。クルマ自体はゼロエミッションですけども、エネルギー消費量はバスとかトラックに匹敵するんじゃないでしょうか。英国価格で約1500万円というスペックを考えればかなりのコスパに感じますけども、このクルマを日本で乗るのはかなり大変みたいです。

  あるユーザーの話によると、家庭用電源で充電しようとすると200Vで40Aも必要なんだとか、しかも充電完了までに要する時間は12時間だそうです。1500万円もするEVなんだから放電にはなんらかの対策が取られていると思いきや、未だに大量の電気を蓄える具体的な方策がないように、電気は「無くなる前に使わないといけない」生ものみたいです。一応後続距離は500km程度はあるようなので、国産のリーフやiミーブほどにこまめに充電する必要はなさそうです。週に1回やれば十分かと。ハイオク満タン(航続距離500kmくらい)で1万円が消えていく高級セダンを基準に考えればいくらか経済的なメリットは見出せそうですが・・・。

  そんなテスラ・モデルSですが英国カーメディア(AUTO EXPRESS)のユーザーアンケート企画で、上位を独占しているレクサス軍団を全て抑えてトップに輝きました。ユーザーアンケートとはつまり「何度故障したか?」とか「満足度は?」とかの統計で、その中でモデルSはイギリスで市販されるクルマのナンバー1を獲得したということです。レクサスが何気にイギリスを席巻していたのもちょっとした驚きですが、それをモデルSがまとめて追い抜かしているとは・・・。アメリカの世界戦略は展開が早いですね。

  テスラに対する現状打破の期待ってちょっとありましたよね? 既存メーカーがセオリー&セオリーな戦略しか取らずに魅力的なクルマが減ってきたなという閉塞感をこのブランドが破壊してくれるのではないか?という期待が。メルセデス、BMW、アウディ、レクサスが主導権を握って利益を出しまくる時代に風穴を開けてくれるんじゃないか? 確かに顧客の評価でレクサスを喰い破って、性能でもBMWやアウディをケチョンケチョンにしているわけですから、ある程度は期待通りなのかもしれないですけども、1500万円のセダンを当たり前のように売るブランド・・・プレミアムを越えた超プレミアムブランドになってしまった〜・・・。これにはちょっと複雑な想いがします。

  アメリカ連邦政府の保護政策というこれ以上ない安全な環境で、ビッグベンチャーとして旗揚げしたテスラでした。当然のようにアップルのようにクルマをよりユーザー本位の製品へと変えてくれるだろう! アメリカの最先端の人間工学による自動車産業の「大転換」が見られると思っていたのは浅はかな読み違えだったようで・・・これからの時代は欲しいクルマは1500万円&相応の維持費を負担しないと乗れませんよ!という資本主義のシビアな「末路」を見せられたのではないか・・・という気が。つまり従来のフェラーリやポルシェのユーザーくらいの財力こそが、クルマを巡る資本主義での最低限のプレーヤー資格だと。なんか敷居が高い話ですね〜・・・。

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